ボケとはどのような植物?
ボケ(木瓜)は、梅の花のような小さくかわいい花を咲かせる植物です。日本では平安時代初期から親しまれている落葉低木です。鑑賞用として楽しむだけではなく、香りのよい実を使って果実酒やジャムにして食べることができます。そこで、ボケの実の気になる効能や収穫時期、上手な食べ方について詳しく解説します。
基本情報
学名 | Chaenomeles speciosa |
科名 | バラ科 |
属名 | ボケ属 |
和名 | ボケ(木瓜) |
形態 | 低木 |
原産地 | 中国 |
樹高 | 2~3m |
開花時期 | 3~5月 |
花色 | 赤・白・ピンク・オレンジ |
ボケの花
赤や白、ピンクの花を咲かせ、庭木や生け垣を彩り春の訪れを告げる花です。平安時代初期に中国から渡来し、現在では200種類以上の品種が栽培されているため、見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?一重咲きや八重咲きなどさまざまな花があり、庭木の他にも盆栽や切り花のアクセントとして人気があります。
ボタニ子
ボケの花言葉は「先駆者・指導者・平凡・退屈・熱情・魅惑・妖精の輝き」と7つもあるのよ!
ボタ爺
じゃが、どの花言葉も由来がはっきりしておらんのじゃ!
ボケの実とは?
ボケの実は、瓜の形に似ていることから木になる瓜で「木瓜」と書きます。元は「モケ・モッケ・ボックワ」と呼ばれていたそうですが、時代の変化により現在は「ボケ」と呼ばれるようになりました。元々は乾燥させた実を漢方薬として使っていたようです。現在も薬用にされることが多いですが、香りがよいため、部屋の芳香剤に使われることもあります。
ボケの実
開花した後、9~10月に香りのよい実を付けます。このボケの実は、直径5cmほどありジャガイモを大きくしたような形をしています。カリンの実によく似ているため間違える方も多いのではないでしょうか?色は黄色く、実は硬いです。酸味と渋味が強く生で食べることができないため、果実酒やジャムにして食べるのが一般的です。
カリンの実
カリン(花梨)はボケと同じバラ科の落葉樹で、その実は古くから薬用として栽培されてきました。レモンのような縦長の形をした実は、明るい黄色で表面は滑らかな皮をしています。ボケとよく似ていますが、実の形の違いで判断しましょう。
ボケの実の収穫時期
ボケの実は、9月下旬~10月頃に収穫します。皮が黄色くなり熟してくるとよい香りがします。この香りがしてきた時が収穫のタイミングと覚えましょう。たくさん実をつけ過ぎると、株が弱って次の年に花数が減ってしまいます。様子をみて摘果をしながら、必要な分だけ残すようにするとよいです。
ボタニ子
黄色い実が枝から自然に落ちるくらい熟した時が最適な収穫時期よ!
ボタ爺
触ると手がベタベタするぞ!手袋をしたほうがよいな。
ボケの実の効能
ボケの実にはカリンと同じように、咳止めや疲労を回復する手助けしたり、滋養強壮や胃腸を整える効果があるといわれています。風邪を予防する効果も期待できます。しかし、実を生で食べると下痢や腹痛を起こしてしまうことがあるため、ボケ酒やジャムに加工して食べるようにしましょう。
ボタニ子
元々、乾燥させた実を漢方薬として使っていたようだよ!
ボタ爺
ボケの実を乾燥させた漢方薬は「木瓜実(モッカジツ)」と呼ばれておるぞ。
のどの痛みをやわらげる
カリンの咳止め効果をご存知の方も多いのではないでしょうか?ボケの実にもカリンと同じ咳止め効果があるといわれています。また、風邪をひいた時、のどの痛みも抑えてくれる効果もあります。のどが痛いと感じたときにボケ酒やシロップ漬けを温めて飲むと、のどの痛みをやわらげてくれるでしょう。
胃腸を整える
食物繊維が豊富に含まれているため、ジャムにして摂り入れると便秘の予防や改善に役立ちます。腸の不要なものを外に排出することで胃腸を整えることにつながります。食べすぎ胃のもたれを感じたときなど積極的に摂り入れていいのではないでしょうか?
筋肉のしびれをやわらげる
ボケの実には筋肉の痛みをやわらげる効果があるといわれています。手足がしびれたり、むくんでいるとき、関節が痛むときに温めたシロップ漬けを飲むと落ち着きますよ。薬ではないため、痛みがなくなるなどすぐ効果があるわけではありませんが、じんわりと体をほぐしてくれることが期待できます。
疲労を回復させる
生の実をかじってみると、とても酸っぱく食べることができません。これはボケの実にはクエン酸とリンゴ酸が多く含まれているためです。クエン酸とリンゴ酸は乳酸を分解させる働きがあるため、疲労を回復させる手助けをしてくれます。疲れたとき、夏バテで食欲がないときなどボケ酒を飲むようにしましょう。
ボタニ子
次のページで、ボケの実の上手な食べ方を説明します。
出典:写真AC