ガーデンシクラメンは、シクラメンを改良した園芸品種です。見た目はシクラメンの従来種と変わりませんが、耐寒性が強化されています。近年は品種改良がさらに進み、新しい品種が続々と作出されている注目の植物です。新品種の作出にともない、花色や咲き方のバリエーションも増えています。
園芸部類 | 球根植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm~20cm |
花の色 | 赤、白、ピンク、黄、青、紫、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 鉢植え、地植え、寄せ植え |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ガーデンシクラメンは「耐寒性が低い」という従来のシクラメンの弱点を克服するために生まれました。「ミニシクラメン」として流通していたシクラメンの小型種のなかでも耐寒性のある品種を選抜し、品種改良した結果生まれたのがガーデンシクラメンです。そのため、見た目は従来のミニシクラメンとあまり変わりません。店によっては「ミニシクラメン」と表記されている場合があります。
チモシリーズは、長年選抜と品種改良を繰り返して誕生したガーデンシクラメンの品種群です。花粉がなく豪華な八重咲きの花、株いっぱいに咲かせる花付きのよさ、ほのかな香りを特徴としています。
ゴブレットは鮮やかなバイカラーが特徴の園芸品種です。「聖杯」を意味する名前は、丸みをおびた花びらを大きく開いて咲く様子が聖杯を連想させることからつけられました。花の美しさはもとより、寒さと病害虫に強い丈夫な性質と、連続開花性が高く花を長期間楽しめることから、人気の高い品種です。
ガーデンシクラメンの植え付け時期は?
ガーデンシクラメンの植え付け時期は、10月~11月です。9月以降に苗が出回ります。
ガーデンシクラメンの開花時期は?
ガーデンシクラメンの開花時期は11月~4月です。
植え付け時期 | 10月~11月 |
植え替えの時期 | 9月~11月 |
肥料の時期 | 10月~3月 |
剪定の時期 | 11月~4月(花後剪定) |
花が咲く時期/開花時期 | 11月~4月頃 |
ガーデンシクラメンは夏が過ぎ、涼しくなったときに植え付けます。適期は10月~11月中旬ですが、暑さが残っていると根が傷み、寒くなってくると地中に十分な根を張れません。地域にもよりますが、暑さが去っている10月中旬~11月上旬頃が最適でしょう。
ガーデンシクラメンは耐暑性が弱いので、管理しやすい鉢植え栽培がおすすめです。根の張りが浅いので、鉢やプランターの深さは15cm~20cmくらいのものを用意します。深過ぎると水はけが悪くなり、根腐れして枯れてしまう恐れがあるので注意しましょう。ガーデンシクラメンは深植えを嫌います。植え付けるときは、球根の上部が少し見える程度の深さで植え付けましょう。
ガーデンシクラメンを地植えするなら、植え付ける10日前までに、腐葉土などを加えて土壌改良作業を完了させておきましょう。土が古い場合は新しい土に入れ替えます。複数の苗を植える場合は、成長後の株が混みあわないように、間隔を15cm~20cmほど空けて植え付けましょう。
ガーデンシクラメンの栽培環境は、日当たりと風通しのよい場所が理想です。ただし、夏の暑さと強い直射日光に弱いので、地植えの場合は明るめの半日陰がよいでしょう。また、ガーデンシクラメンの葉には光の当たる方向を向く性質があります。鉢植えの場合は時々鉢の向きを変えましょう。葉の向きがかたよらず、バランスの取れた姿に成長します。
ガーデンシクラメンは通気性と水はけのよい用土を好みます。鉢植え栽培なら、シクラメン・ガーデンシクラメン専用の培養土がおすすめです。自分で土作りしたい場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で作った用土に、元肥として緩効性肥料を混ぜましょう。地植えの場合は庭土に腐葉土と、元肥として牛糞や緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。
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シクラメン・ガーデンシクラメン専用の培養土です。シクラメン・ガーデンシクラメンが好む配合がされています。植え付け・植え替え時に、そのまま使える便利な商品です。
ガーデンシクラメンの水やりの管理は、水のやり過ぎに注意するのが基本です。ガーデンシクラメンは過湿を嫌うため、水のやり過ぎは枯れる原因となります。また、水やりの際は葉や花にかからないように注意しましょう。葉や花にかかった水が蒸れて過湿状態となり、枯れる恐れがあります。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水がしみ出すくらい、水をたっぷりと与えます。地植えの場合は、植え付け後から根が定着するまでは、土の表面が乾いたら水やりしましょう。定着後の水やりは不要です。
ガーデンシクラメンは開花時期が長いため、ある程度の肥料を施して、エネルギー切れを防ぐ必要があります。まずは植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込みましょう。そして追肥として開花期間中の11月~4月の間、7日~15日に1回のペースで液体肥料を施します。
ガーデンシクラメンの栽培で注意すべき害虫は、アブラムシ、ハダニ、ホコリダニ、ヨトウムシです。つねに風通しのよい環境を維持し、定期的に薬剤を散布して予防しましょう。発生した場合は殺虫剤などで早急に駆除します。
ガーデンシクラメンがかかる恐れがある病気で、もっとも注意すべきは灰色かび病です。灰色かび病は湿気の多い環境で発生します。梅雨時などの多湿な時期は特に注意が必要です。株の状態をこまめに観察し、水やりの管理や殺菌剤の定期散布で予防します。
ガーデンシクラメンは枯れた花を放置していると、養分が種作りのために消費されて、球根に養分がいかなくなってしまいます。球根を肥やして来年の開花につなげるためにも、咲き終わった花や傷んだ花は、早急に剪定して除去しましょう。
ガーデンシクラメンは球根から栽培を始める場合もありますが、初心者はある程度育った苗での栽培がおすすめです。ガーデンシクラメンの苗は花やつぼみや葉の数が多く、傷みがないものを選びましょう。
ガーデンシクラメンの植え替えの適期は秋の9月~11月です。寒くなると根の張りが悪くなってしまうので、遅くても10月下旬~11月上旬までには済ませましょう。鉢植えは1年~2年に1回のペースで、根鉢を崩さないようにして、一回り大きな鉢に植え替えます。
ガーデンシクラメンの夏越しは2種類の方法があります。1つは花や葉を除去し球根だけにして、休眠させる方法です。雨の当たらない半日陰に移動させ、水やりを止めて管理します。涼しくなってきたら日当たりのよい場所に移動し、水やりを再開しましょう。もう1つの方法は、元気な葉を残して半日陰の場所で管理します。この場合は水やりを止めません。土が乾いて2日~3日たってから水やりします。
ガーデンシクラメンは-5℃まで耐えられます。霜にあたらないように管理すれば十分です。特別な冬越し対策は必要ありません。
植物の増やし方は、挿し木や株分けなど複数の方法があります。ガーデンシクラメンの場合は種まきが一般的です。開花後につく果実が熟したら採取しましょう。種まきの適期は9月~11月です。ただしガーデンシクラメンの種は発芽率が低く、苗に育つまで手間もかかります。栽培に慣れてから挑戦しましょう。
出典:写真AC