バイカウツギは、初夏に可憐な白い花を咲かせる落葉低木です。花の香りが高いことが有名で、花は香水の原料としても利用されています。日本の本州~九州にかけて自生し、とても丈夫で育てやすい花木です。生垣にしても美しく、観賞価値の高さが魅力です。
園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 落葉低木 |
樹高・草丈 | 1~3m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 初心者向き、香りがよい、生垣 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
バイカウツギの名前は、漢字で「梅花空木」と書きます。これはバイカウツギの花が梅の花によく似ており、枝の内部が空洞になっていることに由来しています。
バイカウツギの花は、梅の花にとてもよく似た形をしています。開花期は6~7月ごろです。花色は白で、とても清楚でさわやかな印象を与えます。耐寒性・耐暑性ともに優れ、樹高もあまり高くならないため、初心者にも育てやすい花木です。香りがよく美しい花木として、バイカウツギは海外でも人気があります。
ベルエトワールは、香りの強い品種です。花の中央はピンク色をしており、優しく女性的な印象を与えます。花付きがよく、枝垂れるように花が咲きます。
植え付け時期 | 2月下旬~3月、11月~12月上旬 |
肥料の時期 | 1月~2月、7~8月 |
剪定の時期 | 6月下旬~7月(花後すぐ) |
花が咲く時期/開花時期 | 6月~7月 |
バイカウツギは鉢植えでも庭植えでも育てられます。バイカウツギの樹形は、地際から数本の幹を伸ばして広がるブッシュ状のため、庭植えにすればより華やかさを楽しめるでしょう。低木の点を活かし、生垣として植えるのもおすすめです。
育てる場所は、日当たりのよいところが適しています。西日が苦手なため、西日を避けた日当たりのよい場所に植えるか、よしずなどで西日対策をしてください。半日陰でも育てられますが、花付きが悪くなり香りも弱くなります。
バイカウツギは丈夫な性質なので、用土があわずに枯れることはあまりありません。庭植えは掘り起こした土に腐葉土を混ぜ、鉢植えは赤玉土3:黒土6:腐葉土1の割合にするのがおすすめです。肥沃でやや湿潤な用土が、バイカウツギの用土に向いています。
庭植えは降雨のみでかまいません。夏に晴天が続くような場合は水やりをしてください。鉢植えは用土の表面が乾いてきたら水やりをします。水切れすると枯れてしまう原因になるため、注意しましょう。
肥料は、1~2月に寒肥として有機質肥料や緩効性化成肥料を株元に与えます。また、7~8月の花後にお礼肥として、同様の肥料や液体肥料を与えるとよいでしょう。バイカウツギは強い性質なので、肥料を与えなくても枯れることはありません。
バイカウツギに発生する害虫はアブラムシです。春先に新芽や茎部分に発生することが多く、見つけたらすぐに殺虫剤などで駆除してください。
風通しが悪いことが原因で、うどんこ病が発生します。うどんこ病は、白いうどん粉のようなカビが生える病気です。放っておくと葉が枯れてしまいます。あらかじめ薬剤を散布して予防しておくと、うどんこ病の発生に効果的です。
バイカウツギは、花後の8月ころに翌年の花芽をつくりはじめます。樹形が乱れているようであれば、花が咲き終わったらすぐに剪定をしてください。花芽を落とすことなく、翌年の花を楽しめます。
植え替えは、11~12月、2~3月の落葉期に行います。バイカウツギが活動を始める前の冬に植え替えるのが最適です。2~3年に1回を目安に植え替えてください。鉢は苗よりも一回り大きなサイズを用意します。鉢に苗と植え替え用の新しい用土を入れて、ぐらつかないように固定します。その後、鉢底の穴から水が流れ出るくらいにたっぷりと水を与えてください。
バイカウツギは成長が早いため、美しい樹形を保つために定期的に剪定をします。剪定時期は花後~7月が適期です。8月には花芽ができるため、それまでに剪定を終えてください。剪定は、長く伸びすぎた枝や風通しを悪くしている不要な枝を間引きます。あまり切り戻しすぎてしまうと翌年の花付きが悪くなるため、注意が必要です。
暑さと寒さに強く、夏越しや冬越しに向けての対策は特に必要ありません。雪が降ることが多い地域では、雪の重みで枝が折れることがあります。あらかじめ枝をまとめておくと安心です。
バイカウツギの増やし方は、挿し木です。6~7月ころに、その年に新しく伸びた枝を10cmほど切って挿し木用の用土に挿してください。用土は赤玉土がおすすめです。明るい日陰で管理をし、乾燥させすぎないように注意してください。
出典:写真AC