バイカウツギとは?匂い・樹高などの特徴や剪定・植え付けの仕方を紹介

バイカウツギとは?匂い・樹高などの特徴や剪定・植え付けの仕方を紹介

バイカウツギは日本に自生する植物で、古くから公園樹や庭木として利用されてきました。初夏によい香りのする美しい白い花を、枝いっぱいに咲かせる姿は風情があります。バイカウツギの樹高や特徴、剪定・植え付けの仕方など育て方を紹介しましょう。

記事の目次

  1. 1.バイカウツギとは
  2. 2.バイカウツギの特徴
  3. 3.バイカウツギの育て方
  4. 4.バイカウツギの品種
  5. 5.まとめ

バイカウツギとは

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バイカウツギ(梅花空木)は、6月〜7月に白い花をたくさん咲かせる落葉低木です。丈夫な植物で耐寒性もあり、公園樹や庭木として日本では古くから利用されてきました。漢字では「梅花」「空木」と書きますが、梅の仲間でも空木の仲間でもありません。

バイカウツギの基本情報

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名称 バイカウツギ(梅花空木)
学名 Philadelphus satsumi
分類 アジサイ科バイカウツギ属 落葉低木
分布 本州、四国、九州
樹高 2m
開花時期 6月〜7月

バイカウツギは、本州~九州までの山地の明るい林などにブッシュ状に生えています。丈夫で耐寒性があり、北海道でも南部であれば地植えで育てられるでしょう。日本にはニッコウバイカウツギ、シコクウツギなどのいくつかの種類があります。バイカウツギ属は英名ではmock-orangeと呼ばれ、おもに北半球の温帯地域に約70種ほど分布しています。

バイカウツギの名前の由来

「バイカウツギ」は漢字で「梅花空木」と書きます。名前の由来は、梅に似た芳香のある白い花を咲かせることからです。「空木」は、幹や枝の中が空洞になっていることからつけられた名前ですが、バイカウツギの枝や幹の中は空洞ではありません。学名のsatsumiの由来は薩摩(鹿児島)ですが、バイカウツギは鹿児島での自生はないです。

バイカウツギと梅の花との見分け方

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バイカウツギと梅の花は、白い花弁と中心に黄色い雄しべがあることが似ています。見分け方は開花する季節の違いや大きさに注目することです。バイカウツギの開花時期は6月〜7月で3cm〜4cmの花をつけます。一方、梅の花の開花時期は2月後半〜3月前半で、1cm〜2cmの花が、葉が芽吹く前に咲きます。

バイカウツギの特徴

特徴①花

バイカウツギは枝先から花序を伸ばし、5輪〜10輪の花を咲かせます。花弁は4枚、直径3cm~4cmの白色でほのかな芳香があります。雄しべは20本程度で、先端が4つに分かれているのが特徴です。一重咲き、半八重咲き、八重咲きなど種類は豊富です。半日陰で咲く白い花は「和」を感じさせる美しさがあり、切り花は茶花として扱われます。

特徴②葉

バイカウツギの葉っぱはツヤのない緑色で、3本〜5本の葉脈が目立ちます。枝から対になってついていて長さは5cm〜10cm、幅は2cm〜3cmほどで先端が尖った形です。葉の縁には細いギザギザが入っています。

特徴③匂い

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バイカウツギにはほのかな香りがあり、香水の材料として利用されてきました。園芸種として改良された品種には、開花する季節に庭中に香りを漂わせる品種もあります。また、葉を揉むときゅうりのような香りがしますよ。

特徴④樹高・樹形・幹

バイカウツギは樹高が2m程度の大きさの低木で、成長が早くよく枝分かれして株立ち状に鬱蒼(うっそう)と繁ります。花後に枝が伸び花芽は8月に分化します。年数が経つと樹皮は灰褐色になり、縦に筋が入るのが特徴です。

バイカウツギの育て方

育て方①用土と肥料

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バイカウツギを庭植えする場合は、水はけのよい土壌を選んでください。根鉢の2~3倍程度の穴を掘り、掘り返した用土に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んで植え付けます。株が落ち着くまでは支柱を立てるとよいでしょう。鉢植えの場合は、赤玉土2:腐葉土1などの配合土を使います。肥料は1月~2月に緩効性化肥料を株元に与えます。花後にも同様の肥料を与えると生育がよくなるでしょう。

育て方②栽培場所

植え付ける場所や鉢植えの置き場は、日当たりと風通しのよい場所を選んでください。半日蔭でも育ちますが少し花つきが悪くなるので、できればよく日の当たる場所で育てましょう。ただし、真夏の西日は葉焼けを起こすなど樹勢が弱ることがあるので注意が必要です。ヨシズなどを利用して半日陰をつくったり、夕方に葉水を与えて全体の温度を下げたりする必要があります。

育て方③水やり

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バイカウツギの水やりは庭植えの場合は自然にまかせておいてかまいません。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらい水を与えましょう。

育て方④植え替え

バイカウツギを植え替える場合は、葉がすべて落ちた冬〜芽出し前の季節に行います。2月~3月が適期です。鉢植えの場合は2年〜3年に1回は植え替えて、土をすべて入れ替えてください。

育て方⑤剪定の時期と方法

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バイカウツギを庭植えした場合は、自然にまかせておいてもよく花を咲かせます。ただし、成長が旺盛なので樹形を保つためにも、1年に1回は剪定しましょう。切り戻し剪定する時期は花が終わった後、6月半〜7月半です。それ以降になると翌年の花芽がつくので気をつけましょう。また花つきが悪くなった古い枝や徒長する枝は切り落とし、株の内側が混み入ってきたら風通しをよくするために強剪定します。

育て方⑥増やし方

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増やし方:挿し木

バイカウツギを挿し木で増やすには、剪定と同時に行うのがよいでしょう。適期は剪定と同じ6月半~7月半です。挿し木にする枝は、その年に伸びた枝を切り戻した部分を使います。枝の先端から10cmくらいの長さを切り、発根促進剤に30分ほど浸けた後に挿し木用の用土にしっかり挿しましょう。水を切らさないように明るい日陰で育ててください。

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増やし方:株分け

バイカウツギを株分けで増やすには、植え替えのときに行うのがよいでしょう。適期は葉がすべて落ちた冬〜芽出し前までです。用土を丁寧に落とし、無理のないところで分けます。地植えの大きな株は分けるのが難しいので、鉢植えにおすすめの増やし方です。

増やし方:種まき

バイカウツギは種まきでも増やせます。花後に実ができ、9月~10月頃になるとくすんだ緑色に熟し、4つに割れて2mmくらいの褐色種子を風で飛ばします。これを採取してまきしましょう。比較的よく発芽して育ちますが、花をつけるまでに数年かかります。

育て方⑦病害虫

バイカウツギは丈夫な樹種のため、特に気をつける病気や害虫はありません。春先にアブラムシがつくようなら、根元に殺虫剤を散布しましょう。カイガラムシやうどん粉病の被害にあわないように、風通しのよい場所に置き剪定してください。

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バイカウツギの育て方!挿し木での増やし方や庭木の管理方法をご紹介!
香水の原料にもなっている素敵な香りの花木、バイカウツギ。初夏に、枝垂れるように清楚な白い花を咲かせる落葉低木です。バイカウツギの育て方は初心者にもやさしいため、庭木としても人気です。バイカウツギの育て方や増やし方について紹介します。

バイカウツギの品種

品種①ベルエトワール

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ベルエトワールは、セイヨウバイカウツギに北米原産とメキシコ原産のバイカウツギを交配して作られました。花弁の奥の部分が赤くなり、華やかな印象が特徴です。香りも強く「香りバイカウツギ」とも呼ばれています。丈夫でよく育ち花つきがバイカウツギに比べてとてもよいため、株全体に花をつける開花時期は見応えがあります。剪定で樹形を作ることができ、生垣やブッシュ仕立て、トピアリーなども楽しめるでしょう。

品種➁スノーベル

スノーベルは花が下垂してベル状に咲く品種です。一重咲き、八重咲きなどがあり透明感のある白い花で風情があります。枝いっぱいに花をつけ、開花時期にはよい香りを庭に漂わせるでしょう。株は小さく育てられ、剪定にも強いので庭木として扱いやすいです。ブッシュ仕立て、生垣、トピアリー仕立て、懸崖風(けんがいふう)など庭にあった樹形を楽しめます。

品種③セイヨウバイカウツギ

セイヨウバイカウツギはイタリア、トルコなどが原産といわれるバイカウツギの近縁種です。バイカウツギよりやや花が大きめで、香りが強いのが特徴です。バイカウツギと同一種とする見解もあり、バイカウツギとして市販されているものの中には、セイヨウバイカウツギも含まれている可能性があります。樹種としての特徴や育て方などはバイカウツギと変わりません。

まとめ

Photo by nyanchew

バイカウツギは6月〜7月に白いよい香りのする花を咲かせます。半日陰でも育ち、土質を選びません。枝を好みの樹形に剪定して観賞したり、花の季節には庭に漂う香りを楽しんだりできます。庭に花木を植えたい方は候補のひとつとして覚えておいてくださいね。

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ライター

green baggage

マンションのベランダでミニ盆栽を20数年育てています。日本の春夏秋冬のイメージが地球温暖化で変わってきていると実感しています。そんな状況を乗り越え一緒に年月を過ごしてきた盆栽たちは人生の伴走者と思えます!

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