ウメモドキは、葉の形や樹姿が「梅」に似ているため「梅擬(ウメモドキ)」と呼ばれている植物です。放任でもすくすくと育つため、学校や公園などにもよく植えられています。春は白色や紫色のかわいらしい花を咲かせ、秋は赤色や白色の実をつけるのが特徴です。
園芸部類 | 花木、庭木 |
形態 | 落葉性低木 |
樹高・草丈 | 1m〜3m |
花の色 | 白、紫、薄紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性、耐陰性がある、盆栽、生垣 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ウメモドキは、日本や中国の山林に分布している植物で、9月〜12月にかけては「実の観賞期」として親しまれている植物です。庭のシンボルツリーや盆栽として育てる以外にも、ドライフラワーやリースのアクセントなどに利用されています。
風鈴ウメモドキ(メス木)
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風鈴は、秋が近付くと真っ赤な実をたくさんつけるのが特徴です。垂れ下がるように実をつける様子から「風鈴」と名付けられました。
実の色 | 赤 |
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樹高(苗木) | 10cm〜30cm |
【ハナヒロバリュー】 ウメモドキ 初雪 メス木 3.5号ポット苗
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ウメモドキは赤色の実をつける品種がほとんどですが、初雪は秋に白色の実をつける珍しい品種です。切り花や、床の間に飾る生け花にも利用されています。
実の色 | 白 |
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樹高(苗木) | 30cm |
植え付け時期 | 2月〜3月、10月〜11月 |
植え替え時期 | 2月〜3月、10月〜11月 |
肥料の時期 | 2月〜3月 |
剪定の時期 | 12月〜3月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜6月 |
ウメモドキは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えの場合は、庭のシンボルツリーや生垣など、さまざまな育て方ができるのが魅力です。鉢植えにする場合は、鉢が倒れてしまわないように重みのある鉢を使用しましょう。小さく剪定すれば、盆栽としても育てられます。
ウメモドキは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。耐陰性があるため、ほかの植物が育ちにくいような半日陰でも育てられます。しかし、日光が全く当たらないと下葉から枯れ込んでくるので注意が必要です。室内で育てる場合も、窓辺などのやわらかく日光が差し込む置き場所で管理しましょう。
ウメモドキは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土を使用して育てます。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。地植えにする場合は、堆肥をすき込んでから植え付けましょう。
地植えでウメモドキを育てている場合は、しっかりと根付いてしまえば降雨のみで十分です。根付くまでは、水切れを起こすと枯れてしまうため、朝と夕方の2回水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水やりをします。
室内で育てている場合の水やりは?
室内で盆栽や観葉植物として育てている場合は、定期的に葉水を行うのがおすすめです。エアコンを使用すると葉の表面が乾燥しやすくなるため、葉の水分を補給しながら管理してください。
肥料は、2月〜3月に寒肥(かんごえ)として、油かすや鶏糞などの有機質肥料を施します。植え付けの用土に、あらかじめ緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおくのもおすすめです。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こす原因となるため、規定の分量を守ってください。
カイガラムシは、風通しの悪い環境で育てていると発生しやすい害虫です。ウメモドキの成長に必要な栄養分を吸汁するため、ウメモドキが枯れる恐れがあります。また、カイガラムシは名前のとおり、貝殻のように硬い甲羅で守られており、殺虫剤が効きにくいのが特徴です。発見したら、歯ブラシなどを使用して株から払い落として駆除しましょう。
うどんこ病は、カビが原因で発生する病気です。感染した葉の表面が、うどん粉をまぶしたように白色の粉をふくのが特徴で、光合成が妨げられます。感染した部分は、薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分してください。
ウメモドキをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽のたくさんついている苗を選びましょう。
樹形を整える「強剪定」は休眠期にあたる12月〜3月に行います。盆栽として育てている場合は、伸びすぎた枝や葉が込み入っている部分を剪定する程度ならば、いつ剪定しても構いません。花後の花がら摘みもかねて、こまめに剪定すると樹形をコンパクトに保てます。
耐寒性が強いため、冬越しに必要な作業はとくにありません。
挿し木は、新芽が出たばかりの柔らかい茎を使用するのがポイントです。5月〜6月に、若くて健康な茎を5cm〜10cmほどの長さで切り取って「挿し穂」を作り、1週間ほど水に挿しておきます。赤玉土などの挿し木用の用土を鉢に入れ「挿し穂」を挿していきましょう。発根するまでは、水切れを起こさないように日陰で管理します。
花後に種子をつけるため、種を採取する場合は立ち枯れるまでそのまま育てます。種子が黒くなり完全に立ち枯れたら、花茎から切り取って軽く振り、種を採取してください。種が乾燥すると発芽率が下がるため、すぐに種まきをしましょう。
出典:写真AC