ツルウメモドキの特徴
特徴1:ツルウメモドキは落葉蔓性低木
ツルウメモドキは冬に落葉する蔓性の低木で、秋から冬にかけて黄色や赤色に変化する鮮やかな実が特徴的な植物です。日本の山地や野原に自生するツルウメモドキは、植木鉢や盆栽で栽培することができます。
育てて観賞する家庭園芸としての楽しみ方だけでなく、ツルウメモドキの蔓や実は生け花やリース作りの材料などに利用され親しまれています
ボタニ子
ツルウメモドキの蔓をくるくる丸めるだけで、ナチュラルでおしゃれなリースが作れますよ!
特徴2:栽培は簡単?難しい?
ツルウメモドキは寒さや暑さに適応する性質をもち、栽培もそれほど難しくはありません。低木とはいえ手を加えないでいると樹高が5m以上にもなり旺盛な成長をみせるので、栽培の際は剪定や植え替えなどの定期的な手入れ作業をおこないます。
ツルウメモドキの栽培カレンダー
剪定は樹高や樹形を整え、芽摘みは翌年の花芽のつきをよくする役割をはたします
ボタニ子
どちらも成長や丈夫に育てるためにかかせない作業ですね
ツルウメモドキの育て方1:日当たり
日当たりと注意点
日当たりがよい場所を好みますが、半日陰でも栽培可能です。日陰で育てると花や実のつきが悪くなるので、植木鉢や盆栽のツルウメモドキを日陰になるベランダや窓際などで育てる場合は、日のあたる場所に移動してしっかり日光浴させましょう。
夏の強い日差しをあびると、蔓や葉が日焼けすることがあります
ボタニ子
夏の直射日光には注意しましょうね!
ツルウメモドキの育て方2:水やり
水やりの仕方
表土が乾いたら水やりします。鉢植えや盆栽は鉢の底から水がでてくるまで与え、受け皿に落ちた水をそのままにしておくと根ぐされの原因になるので捨てましょう。
水やりの回数
- 春…1日(1回~2回)
- 夏…1日(2回~3回)
- 秋…1日(1回~2回)
- 冬…2~3日(1回)※乾いているとき
ツルウメモドキの育て方3:肥料
時期と与え方
肥料は新しい芽をだしたあとの4月と、開花後の7月から実をつける10月まで、月に1回程度与えます。与える肥料は油かすや骨粉などの有機肥料を用意し、根元近くに置き肥しましょう。肥料を与えすぎると徒長や実のつきかたが悪くなるので、与えすぎには注意し1回の量を控えめにします。
ツルウメモドキの育て方4:用土
用土の選び方
栽培には水はけがよい用土を選びましょう。水はけが悪いと根ぐされをおこす場合があるので、水はけがよくない用土を使うときは腐葉土を混ぜて使います。水はけのよい山野草用土を使うこともできます。
ツルウメモドキの育て方5:芽摘み
芽摘みのやり方
4月~5月にかけて、今年新しく伸びた枝を2~3節摘んで新しい枝を増やし、花芽の先の枝を摘んで翌年の花芽がつきやすい状態にします。
ツルウメモドキの育て方6:植え替え
植え替えの時期はいつ?
植え替えの時期は3月~4月。新しい芽がでてくる前に植え替え作業をします。
用意と手順
用意する物
- 植木鉢や盆栽鉢(一回り大きいもの)
- 用土(水はけがよいもの)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 土入れ
- 棒(割り箸など)
- ジョウロ
植え替えの手順
- ツルウメモドキの根元と鉢植えの底を持って、株をゆっくりと引き抜く。
- 根についた古い土をほぐして落とし、傷んだ根や伸びすぎた根を切り落とす。
- 一回り大きな鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れる。
- 土入れや移植べラを使って鉢底石が隠れるくらい土を入れ、ツルウメモドキの株を入れて高さを確認し残りの土を株の周りに入れていく。
- 土が全体にいきわたるよう棒などでつつき、株がぐらつかないよう土を安定させる。
- ジョウロでたっぷりと水やりする。
1年~2年に1回植え替えをすると、根づまりが防げますよ!
ボタニ子
つぎのページでは、剪定方法について紹介していきます
ツルウメモドキの剪定方法
剪定の時期
植物全体の剪定は落葉後の11月下旬~12月と、芽をだす前の2月中旬~3月上旬が適し、徒長枝の剪定は8月~9月上旬が適しています。
剪定のやり方
剪定が必要な枝とは?
剪定が必要な枝には、つぎのようなものがあります。
- 絡まりすぎた枝
- 伸びすぎた枝
- 徒長した枝
切る場所は?
絡まった枝や伸びすぎた枝、徒長枝ともに枝の付け根部分から切り落とします。
ツルウメモドキの増やし方1:種
実生苗で増やす
ツルウメモドキは種から実生苗で増やせます。種は開花後にできる種を収穫するか、インターネットなどで購入できます。(インターネットでは実生株の購入も可能)
種の収穫時期
種の収穫は、完熟後の11月からできます。
収穫の仕方
しっかりと完熟した実を選んで収穫し、中から種をだします。取りだした種は水洗いし、乾燥しないように濡れたガーゼなどに包んで種まきまで保存しておきます。
種のまき方
種のまき方は以下の通りです。
- プラスチックポット、または植木鉢に種まき用の土を入れます。
- 種をまいてうっすらと土をかぶせ、発芽まで土が乾燥しないよう水やりします。
- 発芽後、実生苗が大きく成長したら、プラスチックポットの苗は鉢植えなどに植え替えして育てましょう。
ツルウメモドキの増やし方2:挿し木
挿し木にする枝の選び方
ツルウメモドキは挿し木でも増やすことができます。ツルウメモドキの木には実ができる雌の木と、実ができない雄の木があり、挿し木には前の年に実ができた木質化している雌の木を選び、葉がついている部分を挿し木に使用します。
木質化した枝(蔓)から、新しい葉がでてきたころが挿し木の適時です
挿し木のやり方
挿し木のやり方は以下の通りです。
- 枝(蔓)を長めに切ります。
- 枝先は使わず、葉がついている中央部分の枝を、長さ5cmほど斜めにカットします。(たくさん葉がついているときは、1枚残してほかは切り取る)
- カットした枝はすぐに水が入ったコップなどへ挿し、1~2時間ほど水揚げします。
- プラスチックポットやプランター、鉢植えなどに挿し木用の土か水はけのよい土を入れ、土全体を水で湿らせておきます。
- 湿らせた用土に、挿し木枝を枝の半分くらいまで挿しこみます。
- 挿し木後は水を与え、風のよく通る日陰で管理しましょう。
用土が乾燥するとうまく根づかないので、土の乾きに気をつけ適度に水やりします
ボタニ子
根がしっかり張るまでは枝を執拗にさわったり、ひっぱらないようにしましょうね
鉢植えのコツ1:針金かけ
針金かけで樹形を整える
蔓を伸ばしたままにすると樹形が乱れ、鉢植えとのバランスや鉢の転倒につながります。6月~7月にかけて新しく伸びはじめた蔓に針金をかけ、古い蔓に固定してあるていど樹形を整えてあげましょう。針金の跡が蔓に残りやすいので、1~2ヶ月したら取りはずします。
鉢植えのコツ2:凍結
冬の凍結には注意
冬季、鉢内の土が凍結すると根にダメージを与えてしまうので、冬のあいだは暖かなベランダや縁側などに鉢植えを移動して管理するようにします。
まとめ
ツルウメモドキは園芸初心者にもおすすめ!
地植えはもちろん、鉢植えや盆栽で育てることができる植物ツルウメモドキ。開花した花の美しさ、よく伸びる蔓、鮮やかに色づいていく実など、1年を通して変化が楽しめ、暑さや寒さに強く比較的育てやすいことから、家庭園芸として初心者にもおすすめしたい植物です。
出典:写真AC