園芸部類 | ラン |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 40cm~1m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 観賞用 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ガンゼキランとは、日本や東南アジアが原産のランの一種です。大型の見ごたえのある大きな黄色い花を咲かせるのが特徴で、開花時期には草丈が1mほどに成長します。球茎がゴツゴツと岩のようであることから「岩石蘭」と名付けられました。本種のほかに、日本には「カクチョウラン」と呼ばれる品種も自生しています。
カクチョウランは、日本では種子島以南の暖かい地域に自生しているガンゼキランの一種です。現在では非常に貴重で、環境省によって「絶滅危惧種Ⅱ類」に分類されています。花色は暗褐色のほかに、白色のものもあります。
植え付け時期 | 4月~5月 |
植え替え時期 | 6月 |
開花時期 | 5月~6月 |
ガンゼキランは暖かい気候を好む植物なので、春~秋にかけての成長期に向けて、4~5月には植え付けをすませましょう。大ぶりの花を次々に咲かせ、花後は球根に栄養を蓄えるので、開花前の4月頃~休眠に入る10月頃まで肥料を与える必要があります。
ガンゼキランは鉢植えがおすすめです。暑さや寒さには強い植物ですが、夏の直射日光や冬の霜は苦手なため、季節によって移動させる必要があるのが理由です。冬でも霜が降りない暖かい地域では、地植えでも問題ありませんが、一年中直射日光が当たらない場所に植え付けてください。
ガンゼキランは直射日光を好みません。通年で明るい日陰で管理しましょう。暑さには強いですが、直射日光に当てると葉焼けを起こすため注意が必要です。寒さに強く0℃まで耐えられますが、苗を弱らせないためにも、5℃以上を確保できる環境で育てるのがおすすめです。
ガンゼキランは、水はけと水持ちのよい用土を好みます。日向土(中)を使用するか、軽石砂7:腐葉土3の割合で混ぜて準備しましょう。
ガンゼキランは春~秋にかけての成長期に水をたくさん必要とするため、この期間は土表面が軽く湿った状態をキープするように水やりしましょう。冬は休眠に入り、水はあまり必要ありません。11月~3月にかけては乾燥気味に管理してください。
ガンゼキランは、肥料不足になると成長や翌年の花付きが悪くなるため、春~秋にかけての成長期には2週間に1回液体肥料を与えましょう。花後の6月頃には、地下茎を育てる意味をこめて、油粕や固形肥料などを株元に施してください。
ガンゼキランにつきやすい害虫は、ハダニとカイガラムシです。いずれも増えると枯れる原因になります。見つけ次第取り除いてください。ハダニは乾燥した環境を好む傾向があるため、霧吹きなどで葉の裏側を湿らせておくと予防効果が期待できます。
ガンゼキランがかかりやすい病気はウイルス病です。ウイルス病は次々に感染するため、見つけ次第患部をすぐに取り除いてください。植え付けや植え替え時に使用する道具を消毒すると菌の繁殖を防げて、ウイルス病予防につながります。
道具の消毒はどうしたらよいですか?
ハサミやナイフを消毒する際は、ライターなどで熱するかアルコールを使用しましょう。熱する場合は、かなり厚くなるため、手袋などして火傷に気をつけてください。植木鉢などのそのほかの道具は、アルコールか熱湯消毒がおすすめです。
ガンゼキランは、いくつもの花が連なって咲くため、花後は枯れたらすぐに花の付け根から摘み取りましょう。花が咲きすぎてかさばる場合には、枯れる前に剪定も兼ねて摘み取っても構いません。
ガンゼキランの苗を購入する際は、乾燥や病害虫に強い大きめのものを選びましょう。葉が上向きでハリとツヤがあるものがよい苗の特徴です。葉が黄色く変色しているものは、弱っている可能性があるため避けましょう。
ガンゼキランは、2~3年に1回を目安に植え替えましょう。花後の6月頃が最適期です。根詰まりを防ぎ、劣化した用土を取り除くためにも、気をつけて植え替えてください。
ガンゼキランは、次々と花を咲かせるため、剪定が必要です。花がある程度咲いた状態になったら、ランの茎の根元から2~3節残して剪定してください。花付きが悪い場合は、1シーズン株を休ませましょう。その際は、ランの茎のなるべく根元近くを剪定してください。株を休ませることで、次年度以降の花付きがよくなります。
ガンゼキランは暑さに強く、特別な夏越し対策は必要ありません。直射日光には弱いので、夏場は特に日の当たらない場所で管理しましょう。
ガンゼキランは寒さに強いため、特別な冬越し対策は必要ありません。ただし、0℃以下や霜が降りる環境では枯れる可能性が高まるため、冬場は室内で育てることをおすすめします。地植えの場合、霜が降りそうなときは、藁などで株元をマルチングして対応しましょう。
ガンゼキランの増やし方は2種類あります。いずれも最適期は花後の6月頃です。
ガンゼキランの1つめの増やし方は「株分け」です。古いバルブ(球茎)を2つ以上つけた状態で株を切り分け、植え付けたら完了です。茎が細すぎるものは成長がよくない場合が多いので、太い茎のものを選んでください。
ガンゼキランの2つめの増やし方は「バックバルブ吹き」です。株から古いバルブ(球茎)を外し、湿らせた水苔にバルブの1/3が埋もれるように植え付けましょう。バルブを株から外す際は、大きければ1つ、小さければ2つペアにしてください。スカスカの状態のバルブは芽吹かないため、元気なバルブを選びましょう。
バルブって何ですか?
バルブとは、ランが根元に付ける球根に似た塊の部分を指します。水分や養分を蓄える重要な役割を持っています。
出典:写真AC