園芸部類 | 草花 |
形態 | 宿根草 |
樹高・草丈 | 30~100cm |
花の色 | 赤・青・紫・白・橙・ピンク・緑・ボルドー・複色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花期間が長い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
サルビアは一般的に宿根草タイプが多いものの、品種によって日本での冬越しが難しく一年草として扱われることもあります。全体的に耐寒性は弱いですが中には比較的強いものもあるため、地域や環境、目的にあった品種選びをしましょう。
サルビアは別名「セージ」とも呼ばれ、900以上の品種があります。多くは宿根草ですが一年草や低木に分類されるものもあります。花姿が美しいだけでなく、赤や白、青、ボルドーなど花色が豊富な点も魅力です。日本ではサルビアというと真っ赤な花を咲かせるスプレンデンスを指すことが多く、ほかの植物との相性がよいことから寄せ植えにもおすすめです。
寄せ植えしたいのですが、サルビアと相性のよい植物を教えてください。
サルビアはさまざまな植物との相性がよく、あまり相手を選びません。マリーゴールド、ダリア、デイジー、バーベナ、ペチュニア、ニチニチソウなどは特に相性がよいとされています。サルビア同士の相性もとてもよく、品種の異なるサルビアを一緒に寄せ植えするのもおすすめです。
ボタニ子
サルビア・エレガンス
参考価格: 440円
サルビアエレガンスはメキシコ原産の多年草です。葉をこすると甘酸っぱいよい香りがすることから、別名パイナップルセージとも呼ばれています。サルビアの中でも耐寒性に強く-3℃まで耐えられ、日本でも冬越しが難しくありません。開花時期が9月下旬ごろと遅く、冬が始まる11月ごろまで咲き続けます。150cmと大ぶりで1株でも見ごたえ十分です。
花色 | 緋色 |
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草丈 | 100~150cm |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
トーチライト
参考価格: 330円
サルビア・トーチライトは、白色のガクに緋赤色の花をつけるツートンカラーが美しいスプレンデンス種のサルビアです。ガクも花も真っ赤なサルビアとは雰囲気が異なり、庭やベランダのおしゃれ感をアップしてくれます。ガクの日焼けを防ぐためにも、真夏の強い日差しには当てないように注意が必要です。控えめな色合いでほかの植物との相性がよく、寄せ植えに人気があります。
花色 | 緋赤色 |
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草丈 | 40cm |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
サルビア ホットリップス
参考価格: 330円
サルビアホットリップスは、白と赤のコントラストが目を引くメキシコ原産のサルビアです。イヤリングのような愛らしい花姿が魅力で、葉から甘い香りがするのも特徴的です。日が長くなると赤色の、日が短くなると白色の範囲が広くなる性質を持っており、季節によって異なる花の雰囲気を楽しめます。耐寒性に優れており-10℃まで耐えられます。
花色 | 赤・白 |
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草丈 | 60~90cm |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
植え付け時期 | 5月~7月 |
種まきの時期 | 4月~6月 |
剪定(切り戻し)の時期 | 5月~10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月~11月 |
サルビアの開花時期は?
品種によって多少のずれはありますが、いずれも開花時期は長いものが多く、5月~11月ごろまで楽しめます。春、夏、秋で咲き続けるサルビアの特徴を生かし、それぞれの季節の花を一緒に植えておくことで季節の移り変わりを感じられるでしょう。
サルビアは発芽適温が高温であり、種まきや植え付けの時期は温暖地と寒冷地で異なります。種まきは温暖地であれば4月~5月、寒冷地であれば5月~6月を目安にしましょう。植え付けの適期は温暖地であれば5月~6月、寒冷地であれば6月~7月です。
丈夫なサルビアは、鉢植えはもちろん地植えでも楽しめます。ただし耐寒性に弱い性質を持っており、寒冷地では鉢植えでの管理をおすすめします。温暖な地域であれば地植えでも冬越しできますが、花後に切り戻し剪定するなどの対応が必要です。
サルビアの栽培適温は15℃~25℃で、日当たりのよい暖かな場所を好みます。耐暑性には優れていますが、株を弱らせないように真夏の直射日光や強い西日が当たる場所は避けてください。また乾燥を苦手としますが、水やりの際に蒸れを起こさない通気性のよい場所が適しています。
サルビアは、水はけと保水性のバランスがよく保肥性に優れた用土を好みます。自作する場合は赤玉土(または鹿沼土)6:腐葉土4の割合で混ぜて使いましょう。開花時期が長いため、元肥として緩効性化成肥料を与えてください。自作するのが大変であれば市販の草花用培養土やハーブ用の土が便利でおすすめです。肥料入りタイプを使う場合は元肥を与える必要はありません。
サルビアは酸性土壌をあまり好みません。地植えする際に庭の土の酸性度が気になるようであれば、苦土石灰を混ぜ込んで中和しましょう。苦土石灰は土に馴染むのに時間がかかることもあり、植え付けの1週間前には作業を終わらせてください。長い開花時期を乗り越えられるように、地植えの場合も緩効性化成肥料をすき込みましょう。
土の中和に有機石灰を使ってもよいですか?馴染ませるのに時間はかかりますか?
土の中和に有機石灰を使っても大丈夫です。また、苦土石灰と異なり使用後すぐ植物の植え付けができるので、馴染ませる時間は必要ありません。注意すべきは、有機石灰はアルカリ度がとても弱く酸性度が強い土壌ではうまく中和できない点です。土の酸性度にあわせて苦土石灰と有機石灰を使い分けることをおすすめします。
サルビアの水やりは基本的に朝か夕方の涼しい時間に済ませましょう。水が土中で温まると根が蒸されて株や葉が枯れる原因になります。涼しい時期はそれほど気にしなくて構いませんが、夏の暑い時期は蒸れないように水やりのタイミングに気をつけてください。
基本的には土表面が乾いたタイミングで水を与えましょう。ただしサルビアは乾燥が苦手で、水切れを起こすと「花や蕾が落ちる」「葉が枯れる」などのトラブルを引き起こすこともあり注意が必要です。気温が高い時期や湿度が低い季節は、土の様子を観察し状況に応じて水やりしましょう。
地植えは、植え付け後にたっぷりと水を与えておけば基本的に降雨のみで大丈夫です。ただし、気温が高い時期や雨が極端に少ない際は水やりしてください。
サルビアの赤い花をきれいに咲かせるには、開花期間中の追肥が大事です。肥料切れを起こすと花つきが悪くなるだけでなく「葉が枯れる」「成長が鈍くなる」などのトラブルを引き起こします。緩効性化成肥料を月に1回か、液肥を10日に1回与えましょう。追肥期間は5月~11月で、真夏に肥料を与えると株が弱る原因になるため8月は避けてください。
肥料の窒素分が多いとアブラムシが発生しやすくなります。アブラムシは吸汁加害や病気の媒介をする厄介な害虫です。増殖しやすい性質があり、見つけ次第すぐに捕殺しましょう。大量発生した場合は取り除くのが難しく、効率よく駆除するには薬剤散布がおすすめです。
春~初秋にかけてはコナジラミが発生しやすいです。葉の裏に群生し、幼虫も成虫も吸汁加害を繰り返します。栄養分を吸われた葉は色素が抜けて白く透けた状態になり、「葉が枯れる」「成長が悪くなる」だけでなく美観を損ねるのも厄介な点です。蒸れたときに発生しやすく、通気性の確保が予防のカギです。発生した場合は薬剤散布で対応しましょう。
ハダニは体長0.3mm~0.5mmのとても小さな害虫で暖かい時期に発生します。葉や茎にくっついて吸汁加害し茎を弱らせるだけでなく、葉が枯れる原因にもなりかねません。少数であれば被害は少ないですが、繁殖力が高くすぐに増えるため注意が必要です。水に弱く、葉裏にこまめに葉水するだけでも高い予防効果が期待できます。大量発生した場合は薬剤散布して駆除してください。
サルビアは比較的病気にかかりにくいですが、うどん粉病には気をつけましょう。うどん粉病は糸状菌と呼ばれるカビが原因の病気で、5月~11月にかけて発生しやすいです。葉に白い斑点がぽつぽつ現れる初期であれば薬剤塗布で治療できますが、広範囲に広がると切り取るしかありません。寄せ植えなどで近くに植物があるとうつることもあり、見つけ次第すぐの対応が大切です。
サルビアの発芽適温は20℃~30℃と高めで、温暖地なら4月~5月、寒冷地なら5月~6月が種まきの適期です。昼間は暖かくても夜間に気温が下がる場合があり、直まきより箱やプランターにまくことをおすすめします。直まきする場合や夜間の気温低下が気になる際は、種まき後に土表面に新聞紙を置き上からビニールで覆って保温しましょう。
種はなるべく重ならないように条まきかばらまきにします。好光性の種子のため、軽く5mmほど覆土しましょう。種が流れないように優しく水をかけ、明るく風通しのよい場所で管理してください。品種や気候にもよりますが約10日で発芽します。発芽したら(新聞紙やビニールで覆っている場合ははずして)日当たりのよい場所に移動させましょう。
苗から育てる場合は、茎がしっかりとしていて葉の緑色が鮮やかなものを選びましょう。病気の症状が見られないか、虫がついていないかもしっかりと確認してください。下の葉がしおれているものは水切れを起こして弱っている可能性もあり、避けたほうが無難です。
種まき後は日当たりのよい場所で管理しつつ、徒長しているものや成長がよくないものを間引きましょう。本葉が3~4枚になったらポットに植え替えてください。週に1回を目安に液体肥料を与えると成長がよくなります。本葉が6~7枚ほどになりしっかりと根が張ったころが植え付けのタイミングです。
花壇やプランターに植える場合は、成長後の日当たりと通気性の確保のためにも株間を適切にとります。草丈が低いタイプなら25cm、高いものなら30cmほどを目安に調整してください。品種によって草丈や広がりが異なるため、植え付ける場所にあったタイプを選ぶことをおすすめします。小さめの植木鉢であれば1鉢に1株、6号ほどの大きさがあれば3株ほど一緒に育てられます。
サルビアは根の成長がよく鉢やプランターに植えたままでは根詰まりを起こすことがあり、1年に1回植え替えることをおすすめします。植え替えの適期は4月~5月ごろです。株を取り出したら根についた土を軽くもみほぐし、一回り大きめの鉢やプランターに植え替えましょう。
寄せ植えしてても植え替えしたほうがよいですか?
地植えや花壇のような広い場所に寄せ植えしている場合は植え替えの必要はありません。植木鉢やプランターなど根を伸ばす範囲が限られる場所に寄せ植えしている場合は、植え替えたほうが成長を促せるだけでなく赤い花をきれいに咲かせられます。植え替え時にはほかの植物の根を傷つけないように気をつけて作業しましょう。
夏の暑さで弱り気味のときに花を咲かせ続けると株が疲れて秋に花を咲かせにくくなるため、花が咲いていたとしても夏に一度切り戻し剪定をしましょう。全体の半分の高さで切り戻しすることで、秋に向けてエネルギーを温存できます。9月以降に切り戻すと秋の開花に成長が間に合わないため、切り戻し剪定は8月中に済ませてください。
赤い花をきれいにたくさんさかせるためにも摘心は大切な作業です。本葉が6~7枚付いたタイミングで主枝の先端部分を摘心しましょう。苗の成長具合にもよりますが、摘心の適期は5月~8月です。摘心することで脇芽が伸び、枝数が増えて大株に育ちます。
花後はそのままにしておくと見栄えが悪いだけでなく株の成長が鈍くなることもあり、花後も摘心することをおすすめします。花茎の付け根をハサミなどで切り落としましょう。咲き終わった花を摘心することで栄養がほかのつぼみに行き渡り、きれいな花を咲かせてくれます。
宿根草タイプのサルビアは暖地であれば冬越しできるものが多いです。耐寒性が弱いタイプが多いですが品種によっては-10℃まで耐えられるものもあり、冬越しさせたい場合は種や苗を購入する前に調べましょう。冬越しさせる際はほとんどの花が咲き終わったあと、地際でばっさりと切り戻してください。切り戻すことで栄養が根に蓄えられ、冬越しの成功率が上がります。
どのタイプのサルビアも挿し芽で増やせます。20℃以上あり、湿度が保てる6月~7月と暑すぎない9月~10月ごろが成功しやすいです。花が咲いていない元気な枝を切り取り10cmの挿し穂を作ります。根元近くの葉を全て切り落として水に挿し、20~30分ほど水揚げしましょう。あとは清潔な土に挿して完了です。
宿根草タイプなら株分けも相性のよい増やし方で、適期は4月~5月です。株を掘り上げたらナイフなどで数個に分けましょう。株分け後の傷ついた根は、水を与え過ぎると弱る場合があるため要注意です。
サルビア スプレンデンス
参考価格: 1,980円
サルビアスプレンデンスは、サルビアを代表する人気の品種です。燃えるような赤色は美しくメインとしてはもちろん、ほかの花との相性もよく寄せ植えにもピッタリです。開花期間は春~秋と長く、庭やベランダを華やかに彩ってくれます。
花色 | 赤 |
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個数 | 8個 |
品種 | スプレンデンス |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
さまざまな花色があるけど、この記事は代表的な品種「スプレンデンス」のように赤色の花を咲かせるサルビアの育て方を紹介するよ!