コナジラミとは?
野菜や花に元気がなくなり、葉から白い虫がたくさん飛立ったらコナジラミが考えられます。世界中に分布する繁殖力旺盛な害虫で、放置すると被害が大きくなります。はじめにナジラミの基本情報や生態、そして種類を見ていきましょう。
基本情報
学名 | コナジラミ科(Aleyrodidae) |
分類 | 昆虫綱有翅亜綱カメムシ目 |
分布と種類 | 世界中で1,550種類以上、日本では60種類以上 |
ボタニ子
ボタ爺
まずはコナジラミの生態を説明しておく。防除対策には相手を知ることが大事じゃ。
生態
体長 | 1〜3mm |
変態 | 卵⇒幼虫⇒蛹⇒成虫 |
発生時期 | 4~10月 |
発育適温 | 20~24℃ |
寄生する植物 | 野菜、花、観葉植物、樹木 |
生息場所 | 温室、農地、庭 |
天敵 | ツヤコバチ、テントウムシ、タバコカスミカメ |
コナジラミは飛ぶ害虫ですから、被害が広範囲に及びます。生態を知って確実に駆除対策をしましょう。
種類
コナジラミの代表的な種類を紹介します。見た目や寄生する植物を知っておくと、発生時にスピーディに駆除できます。コナジラミの種類を5つご紹介します。虫メガネが必要なほど小さい白い虫ですが、少しずつ違うことがおわかりいただけます。
オンシツコナジラミ(学名:Trialeurodos Vaporariorum)
北米から侵入し、日本全域で見られる外来種で、トマト、キュウリ、メロン、キクに寄生します。温暖な地域では屋外でも越冬でき、成虫は体長1mmほどです。静止していると白い羽が重なり合って胴体は見えません。飛ぶので、キュウリの黄化病を広い範囲に伝播させます。
キュウリの黄化病
- コナジラミが媒介するキュウリ黄化病ウィルスは、ビートシュードイエロースウィルス(BPYV)です。
- まず葉脈間の緑が薄くなり、やがて葉全面が黄色になります。最悪の場合、収穫量が半減します。
タバココナジラミ(学名:Bemisia Tabasi)
世界中に分布し、形状の区別がつかないバイオタイプが存在します。体長0.8mm、胴体は淡い黄色で白い羽の小さい虫です。羽を立てて葉にとまり、胴が羽の間から見えるのが特徴です。カボチャの葉が白くなったり、トマトの実に色素異常が起こったりします。
コナジラミのバイオタイプ
- 外見は同じでも遺伝子が違うコナジラミが現れ、農薬への耐性が高くなり防除が困難になりました。
- 特にタバココナジラミのバイオタイプQは、ナスやキュウリ、バラやユリなど80種類以上の寄生植物があり、問題視されています。
シルバーリーフコナジラミ(学名:Bemisia Argentifolii)
アメリカで発生当初、タバココナジラミの新系統だと考えられていました。のちにタバココナジラミとは別分類され、Silverleaf Whitefly(英名)と名付けられました。成虫は体長1~1.5mm、卵は洋ナシ形です。春と夏に増殖してカボチャやトマトに寄生し、農作物の成長に不均一が生じます。
チャトゲコナジラミ(学名:Aleurocanthus camelliae Kanmiya & Kasai)
お茶をつくる茶木(チャノキ)、サザンカなどツバキ科の植物に寄生します。雌の体長は1.3mmと他のコナジラミよりやや大きめです。卵から孵化した幼虫が葉裏に寄生し、すす病を発生させます。飛ぶ害虫のため茶園一帯がすす病にかかることもあり、徹底駆除には地域での対策が必要になります。
タマナコナジラミ(学名:Aleyrodes Proletella)
日本への輸入検疫で見つかる種類です。タマナコナジラミは全体的に丸みを帯び、目が赤く、羽に灰色の斑点があるのが特徴です。2000年前後にニュージーランド、オーストラリアのキャベツから発見され、英名はCabbage whiteflyといいます。ブロッコリーやキク科の植物も好みます。
ボタ爺
ブドウ、イチゴ、ミカンなどに寄生するコナジラミもあるから油断できぬ。次の頁でコナジラミ被害の症状を説明する。
育てている植物の葉っぱにつく白い虫がコナジラミのようです。駆除方法を教えてください。