アンスリウムは南国の香りを感じさせるトロピカルフラワーとして、切り花も鉢植えも人気があります。赤やピンクなどに色づいた花はとても持ちがよく、長く楽しめるのも特徴です。近年の品種改良によって、小型で花付きのよい種類が増えています。アンスリウムはグリーン系や黒みがかった褐色系など、独特な花色も魅力です。
園芸部類 | 観葉植物、鉢花、切り花 |
形態 | 常緑性多年草、熱帯植物、着生植物 |
樹高・草丈 | 30〜70cm |
花の色 | 白、ピンク、オレンジ、赤、紫、緑、褐色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 開花期間が長い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アンスリウムの花は大きくて丸みを帯びたハートの形が特徴ですが、ややスリムで先が尖ったチューリップ系や花全体が波打つような曲線を描いたバタフライ系もあります。花びらのように見える部分は、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉が変形したものです。本当の花は仏炎苞の根元から伸びた肉穂花序(にくすいかじょ)というところに、ごく小さな花を無数に咲かせます。
アンスリウムという名前は、ギリシャ語の「花」と「尾」を意味する言葉に由来しています。和名の大紅団扇も学名のアンスリウムも、独特な花のフォルムにちなんだ名前ですね。
アンスリウム・アンドレアナムは鉢花の代表品種で、程よい大きさと花付きのよさが人気があります。花色も豊富にあり、丈夫で育てやすい品種です。
アンスリウム・リリィ
父の日ギフト2020 アンスリウム「リリー」
参考価格: 6,325円
アンスリウム・リリィは、小型で優しいピンク系の花色が特徴の新しい品種です。花が細長く尖ったチューリップ系で花付きがよく、テーブルフラワーとしても注目されています。
レア度 | ★★☆ |
---|
サイズ | 5号鉢(直径15cm)高さ45cm |
---|
アンスリウム・スカンデス
参考価格: 2,750円
アンスリウム・スカンデスは果実を鑑賞するタイプの、とても希少な品種です。花色はグリーン系で薄紫色のぶどうのような、小さな実がなります。
レア度 | ★★★ |
---|
サイズ | 3号ポット(直径9cm) |
---|
おしゃれ 観葉植物:アンスリウム クラリネルビウム*プラポット
参考価格: 3,800円
アンスリウム・クラリネルビウムは葉を鑑賞するタイプのアンスリウムです。やや小型の原種系で、葉脈がキラキラと光って見えます。
レア度 | ★★★ |
---|
植え付け時期 | 5〜8月 |
花が咲く時期/開花期間 | 5〜10月 |
肥料を与える時期 | 5〜10月 |
休眠時期 | 11〜3月 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
● | ● | ● | ● | ||||||||
開花期間 | ○ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
肥料 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
休眠期 | ● | ● | ● | ● | ● |
アンスリウムの栽培適期は春から秋です。春5月ごろから花付きの鉢が出回るようになります。アンスリウムは花が咲いている期間が肥料の与え時です。室内の明るい場所に置いて、たくさん咲かせて長く花を楽しみましょう。
アンスリウムは鉢植えで育てます。アンスリウムの苗はプラスチック製の鉢に植わっているものが多いですが、陶器鉢やテラコッタなどに鉢替えも可能です。他の観葉植物と寄せ植えにするのもいいでしょう。
アンスリウムを育てる場所は室内のレースのカーテン越しに日が当たる、明るく暖かい場所が最適です。特に春から秋までは日当たりが悪いと、花芽の出が悪くなります。アンスリウムの生育適温は、18〜30℃です。冷暖房の風が当たらない場所で、冬は室温を10℃以上に保って育てます。
アンスリウムは初夏から秋にかけては、屋外でも育てられます。ただし葉焼けや根腐れの心配がない、雨の当たらない屋根下(軒下)で30〜50%の遮光ネットを使って育てましょう。熱帯性のアンスリウムは最低気温が15℃ぐらいになったら、室内に移動します。
アンスリウムを育てる用土は赤玉系の観葉植物の土か、アク抜き済みのヤシガラチップ(ココナッツハスク)が最適です。ブレンドする場合は、赤玉土の中粒3:鹿沼土3:pH調整済みピートモス3:パーライトの小粒〜中粒1の配合をおすすめします。アンスリウムは通気性と水はけがよく、適度に肥料の持ちがよい用土で育てましょう。
アンスリウムの水やりは春から秋の開花時期は、たっぷりと与えます。通気性をよくするため受け皿には水を溜めず、風通しよく管理します。アンスリウムは葉水(葉に霧吹きする)を与えるのも効果的です。薄めに溶いた活力液を葉水として、霧吹きすると葉の色ツヤがよくなります。冬の休眠期は水やりの量も頻度も控えめにします。
アンスリウムの肥料は観葉植物の肥料ではなく、花の肥料を与えます。固形肥料は1〜2ヶ月に1回、液体肥料は1週間〜10日に1回を目安に適量を与えます。与える期間は5〜10月で、固形肥料は有機質肥料・化成肥料、どちらでも大丈夫です。真夏は活力液でミネラル補給をしましょう。
アンスリウムを室内で育てるときには、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシの発生に気をつけます。屋外で育てるときは、ナメクジやダンゴムシの食害に注意が必要です。葉水をしたり殺虫剤や忌避剤を使ったりして、害虫の予防と対策をしましょう。
アンスリウムを育てるときに、心配な病気は特にありません。
アンスリウムの花後の管理は、花茎の剪定です。赤やピンクなどの花が咲き進むと、中心から伸びたひものようなところが、白から緑色に変化していきます。緑っぽくなったら花が咲き終わった合図なので、早めに花茎を根元近くで切り取りましょう。
アンスリウムの樹液には強くはありませんが、毒性があるため刺激を感じることがあります。剪定作業のときはビニール手袋をつけ、子どもやペットには注意しましょう。
アンスリウムの選び方は、花や葉の色ツヤがよく大きく充実した葉が付いている株が最適です。葉の裏や新芽に病気や害虫の発生していない、元気な株を選びます。入手した株の茎や根が混み合って窮屈そうなら、すぐに一回り大きいサイズに鉢替えしましょう。
アンスリウムの冬越しは、室温を10℃以上に保ちます。天気のよい昼間は、レースのカーテン越しに日が当たる場所が最適です。観葉植物と同じように時々葉水をして、葉にホコリをためないようにします。
アンスリウムの植え替え時期は5〜8月、タイミングは2〜3年に1回です。株の混み具合によって、株分け・挿し芽も同時に行えます。用意するものは、用土・鉢底石・鉢底ネット・鉢です。用土をヤシガラチップにする場合は、鉢底石は不要です。
アンスリウムの気根が伸びて株元が乱れてきたら、仕立て直しと植え替えがおすすめです。時期は植え替えと同様、5〜8月に行います。用意するものは消毒したハサミと用土・鉢底石・鉢底ネット・鉢です。
アンスリウムの増やし方は株分けか挿し芽です。挿し芽は5〜6月が最適ですが、株分けは8月まで可能です。株分けのやり方は植え替えと同様で、親株のわきから出た子株を取り分けて、新しい鉢と用土で植え付けます。
アンスリウムの挿し芽は伸びすぎているところを、10cmほど切り取ります。葉を2〜3枚に整理して、挿し芽用の土にさし明るい日陰で管理します。
出典:写真AC