桜の挿し木のやり方
作業自体はとても簡単な増やし方の挿し木ですが、1つ1つの丁寧な作業がソメイヨシノやしだれ桜をはじめとする、桜を増やす成功の秘訣となります。
用意するもの
- 育苗ポット
- 小粒の赤玉土か市販の挿し木用の土
- 桜の切り枝
- 発根促進剤
- よく切れるナイフ
- 割り箸
挿し木の仕方
挿し木のポイントは土にしっかり水を与えてから植えることです。それでは、挿し木の仕方を順を追って紹介します。
1.切り枝から挿し穂を作る
挿し穂に新芽や新葉が残るように、10~15cmの長さに切ります。また、枝が水を吸い上げやすいよう、水中で切り口を斜めに切りますが、切り枝を痛めないように切れ味が良く清潔な刃物を使いましょう。その後、切り口を2時間ほど水に浸け、水上げを行います。
2.育苗ポットに土を入れる
ポットの水はけを良くするために、底から1~2cmの深さまで砂利を入れます。その次に、上からポットの半分ぐらいまで培養土を入れます。入れ終わったら水をかけて土を十分湿らせましょう。
3.挿し穂の葉を整える
6月~7月に挿し木を行う場合、挿し穂に付いている葉は2~3枚残してすべて取り除きます。また、残した葉は半分ぐらい残るようにカットします。実は、根が出る前の枝は水分を満足に吸収することができません。そんな状態で葉が大きかったら、水分がどんどん蒸発してしまい弱ってしまいます。それを防ぐために、あらかじめ葉を整えるのです。
4.挿し穂に発根剤を塗る
挿し穂の斜めにカットした面に発根剤を塗ります。塗る量や塗布の仕方は発根剤の容器に書かれているので、確認してください。また、発根剤には粉末タイプや液体タイプのものなど、いろいろあるので、扱いやすいものを選ぶといいでしょう。
5.土に穴を開ける
割り箸などを使って、深さ6cmほどの穴を開けます。ここに挿し穂を植え付けるのですが、穴は土に対して垂直でも斜めでも、発根のしやすさに影響はありません。
6.挿し穂を植え付ける
挿し穂を6~10cmほど開けた穴に植え付けます。このとき、カットした面が傷つかないように優しく差し込んでください。数本いっしょに植えるときは、4cmぐらいの間隔を空けて植えるようにします。
7.たっぷりの水やり
植え付けが終わったら、鉢底から水が流れ出るぐらい水を与えます。細口の水差しなどで、ポットの周りからゆっくり回しかけると、植えたばかりの挿し穂が倒れませんよ。
8.明るい日陰で育てる
植え終わった鉢は、土が乾かないように水やりをしながら、室内などの明るい日陰で育てます。北側の窓辺や西側の部屋などがいいですね。
挿し木後の管理の仕方
直射日光の当たらない明るい日陰で育てる事が大切です。水やりは最初の4日ほどは鉢底から水が出てくるまで与え、徐々に少なくしていきますが、乾燥は厳禁です。芽が成長して2ヶ月ほど枯れなかったら、成功と思っていいでしょう。
根っこを見たくてもグッと我慢
ところで、育てていると根が出たかどうか見たくなりますが、不用意に挿し穂を引き抜くと、せっかく出た根を傷つけることになりますので、鉢に植え替えるまではグッと我慢しましょう。3ヶ月目辺りから徐々に日光に当てるようにして、陽の光に慣れさせます。鉢上げの時期は、株が十分大きくなる半年を目安に鉢に植え替えてください。その後、肥料を与えていきます。
ペットボトルでも桜の挿し木ができる?
育苗ポットや鉢を用意するのが難しい時におすすめなのが、挿し木にペットボトルを利用する増やし方です。耐水性が高く頑丈なので挿し木のポットに向いてますし、なんと言っても、どこでも手に入るのが魅力ですよね。さいごに、ペットボトルを用いた挿し木の仕方を紹介するので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
用意するもの
- ペットボトル(2リットル)
- カッター
- キリ(穴を開ける時に使用)
- ガムテープ
ポットの作り方
1.横半分にカット
空のペットボトルを真ん中で横半分にカットします。このとき、刃で手を怪我しないように気をつけてくださいね。
2.水抜き穴を作る
カットしたペットボトルの底に、キリなどで水抜き用の穴を3~4ヶ所開けます。水が抜けやすいように、気持ち大きめに開けても大丈夫です。キャップが付いている上部はそのまま使うので、加工はしません。
挿し木に用意するもの
- ペットボトルで作ったポット
- 鉢小粒の赤玉土か市販の挿し木用の土
- 桜の切り枝
- 発根促進剤
- よく切れるナイフ
- 割り箸
挿し木の仕方
挿し木の仕方は、育苗ポットの方法と基本は同じですが、挿し穂を斜めに植え付けるのは難しいと思いますので、垂直に植えることになります。
1.切り枝から挿し穂を作る
育苗ポットに植える場合と同じく、挿し穂に新芽や新葉が残るように10~15cmの長さに切ります。枝が水を吸い上げやすいように水中で切り口を斜めに切って、切り口を2時間ほど水に浸けましょう。
2.ポットに土を入れる
水やりをしたときポットから土が溢れないように、3cmほどのウォータースペースを作りながら培養土を入れます。入れ終わったら水をかけて土を十分湿らせてください。
3.挿し穂の葉を整える
6月~7月に挿し木を行う場合、挿し穂に付いている葉は2~3枚残してすべて取り除きます。また、残した葉は半分ぐらい残るようにカットしてください。
4.挿し穂に発根剤を塗る
挿し穂の斜めにカットした面に発根剤を塗ります。ペットボトルで育てる場合でも、発根剤は粉末・液体どちらを使っても差はありません。
5.土に穴を開ける
割り箸などを使って、深さ6cmほどの穴を開けます。植え付け終わったらペットボトルを密閉するので、垂直に穴を開けてください。
6.挿し穂を植え付ける
挿し穂を6~10cmほどの深さで植え付け、枝がぐらつかないように土を寄せます。また、数本一緒に植える場合は4cmぐらいの間隔を空けて植えましょう。
7.水をやってから蓋をする
植え付けが終わったら、ポット底から水が流れ出るぐらい水を与えます。その後、カットした上部を下部と合わせてガムテープなどで密閉します。
8.明るい日陰で育てる
植え終わったポットは、育苗ポットと同じように土が乾かないように水やりをしながら、室内の明るい日陰で育てます。
挿し木後の管理の仕方
ペットボトルポットは密閉することで乾燥を防げるので、水やりの時以外は上部をテープなどで密閉させます。最初の4日間はポット底から水が出てくるまで与え、徐々に少なくしましょう。容器が透明なので、根が生えてきたら見えると思います。3ヶ月目ぐらいから少しずつフタを開けて、外気に慣れさせてください。鉢上げの時期は、株が十分大きくなる半年を目安にするといいでしょう。明るい日陰でしっかり管理すれば、育苗ポットよりもこちらの方が1ヶ月ほど早く発根したケースもあるようです。
まとめ
ほかの植物と比べて、桜は挿し木でも接ぎ木でも、発根する確率が低いといわれています。時期を見極め焦らず、気長に桜と向き合うことが桜を増やす1番の成功方法なのかもしれません。草花のように育て始めてすぐ花が咲くことはありませんが、気長にお世話をすれば、自宅であなただけのお花見が楽しめるはずです。ぜひ、楽しんで桜の木を育ててくださいね。
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