ギョイコウサクラとは?緑の桜ともいわれる花の特徴や開花時期を紹介!

ギョイコウサクラとは?緑の桜ともいわれる花の特徴や開花時期を紹介!

緑色の花を咲かせるギョイコウは、別名「緑の桜」といわれる珍しい桜です。希少種ですが、現在では沖縄を除く全国各地に約100カ所の名所があります。そこで緑の桜・ギョイコウの花の特徴を、おすすめの名所10選とあわせて紹介します。

記事の目次

  1. 1.ギョイコウとは?
  2. 2.ギョイコウの花の特徴
  3. 3.ギョイコウの代表品種・種類
  4. 4.ギョイコウの育て方
  5. 5.ギョイコウの名所10選
  6. 6.緑色の桜・ギョイコウで一味違った花見を楽しもう

ギョイコウとは?

Photo by e_haya

ギョイコウ(御衣黄)は、花の色が珍しいことで有名な桜です。桜の花といえばピンクが主流ですが、ギョイコウは緑色をしています。国内で栽培される桜の中では希少な品種ですが、育て方や管理は一般的な桜と変わりません。開花時期には地域差がありますが、平均的な開花のピークは4月下旬です。

基本情報

園芸部類 樹木
形態 落葉高木
樹高・草丈 5~10m
花の色 淡黄色、黄色、黄緑、緑、赤
特性・用途 花木
栽培難易度 ★★★☆☆

日本原産の栽培品種

ギョイコウは、江戸時代に栽培品種として作られた緑の桜です。日本固有のオオシマザクラから作られたため、親の特徴も受け継いでいます。特に成長が早い点は、オオシマザクラのDNAによるものです。樹高20mを超えるオオシマザクラに対し、ギョイコウは樹高5~10mで、管理がしやすいことも特徴に挙げられます。

花言葉

ギョイコウの花言葉は「心の平安」「精神美」「優美」です。花の特徴である緑色は「安定・安全・調和を表す色」といわるため、緑の桜と呼ばれるギョイコウらしい花言葉といえます。ギョイコウには「永遠の愛」という花言葉もあるため、ブライダルブーケにも人気です。

ギョイコウの花の特徴

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ギョイコウの「御衣」は、平安時代の貴族の衣装を意味します。春を表現する伝統色の萌黄色に似ていることが、名前の由来です。緑の桜と呼ばれるギョイコウの花は、色だけでなく大きさや花弁にも、ほかの栽培品種とは異なる特徴があります。

花の色

ギョイコウの花が緑色なのは、花の色素に葉緑体が多く含まれているからです。ギョイコウの場合、緑色のクロロフィルの含有量が多いため、濃い緑の花が咲きます。薄い黄緑の花も咲きますが、これは黄色カロチノイドの含有量が原因です。カロチノイドがクロロフィルよりも多いと、濃い緑ではなく薄い黄緑になります。

ボタニ子

ボタニ子

ギョイコウの花は、開花のピークを過ぎると、緑色から赤色に変わるんだよ!

ボタ爺

ボタ爺

よく知っておるな!これは花の中心から広がる紅色の条線が、花弁全体に広がっていくからなのじゃよ。

開花時期

ギョイコウは、栽培地によって開花時期が異なります。ソメイヨシノより開花が遅いのが共通の特徴で、開花時期のピークは4月中旬~5月下旬です。名所が多い東京都、京都府京都市、石川県白山市では、4月下旬に開花時期を迎えます。北海道松前町で栽培されるギョイコウは、5月下旬が開花のピークです。

花の大きさ

ギョイコウは、オオシマザクラと京都にある仁和寺のヤエザクラから作られた栽培品種です。日本全国で栽培されるようになりましたが、栽培地によって花の大きさは異なります。京都では直径2~2.5cmですが、北海道では京都の約2倍の直径4~4.5cmです。

花弁

ギョイコウはヤエザクラの一種なので、花弁は八重咲です。一輪につき10~15枚の花弁がつくため、ボリュームのある花が特徴です。満開の花弁には、紅色の条線がはっきり見えます。ところが満開を迎えるまでの花弁は、条線があまり目立ちません。ギョイコウ見物は、条線がはっきり見える時期がおすすめです。

ギョイコウの代表品種・種類

Photo by yto

江戸時代に栽培品種として誕生したギョイコウは、珍しい花が魅力の桜として、その後も理化学研究所で品種改良が続けられました。その結果、ギョイコウからも複数の栽培品種が誕生し、いずれも全国各地で栽培される人気種となっています。

①ニシナザオウ

ニシナザオウは、ギョイコウの枝に放射線を照射し突然変異を誘発したことで誕生した品種です。ギョイコウと同じく淡い黄緑色の花が咲きます。花弁は7~10枚あり、縁に不規則な切れ込みがあるのが特徴です。満開でも半八重咲なので、見た目の印象がギョイコウと異なります。

②ケイオウザクラ

ケイオウザクラも、ギョイコウに放射線を照射した結果生まれたものです。ピンク色の花弁が5枚しかない一重咲きで、一見するとギョイコウとの共通点は見られません。花に立体感があるため、ギョイコウの特徴である華やかさがあります。開花のピークは3月です。栽培地では、季節の訪れを知らせる花として知られています。

ギョイコウの育て方

Photo by ryumu

オオシマザクラを母に持つギョイコウは、観賞用の栽培品種として誕生したため、管理がしやすいです。栽培地域も北海道~九州と広く、一般的な桜の育て方とほとんど変わりません。庭のシンボルツリーにする場合は、栽培カレンダーを参考にしながら管理してください。

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
土づくり
植え付け
肥料
剪定
開花時期

栽培のポイント

ギョイコウの育て方のポイントは、土づくりと剪定です。植え付け前の土づくりは、季節をまたいで行います。腐葉土を混ぜ込む作業は植え付け前年の冬から始め、春までに柔らかくふかふかした土に仕上げてください。剪定は、紅葉の季節が終わってからです。剪定のし過ぎは、枝の成長や花付きに影響するのでやめましょう。

ボタ爺

ボタ爺

植え付けから1週間は、苗の半径1m以内に足を踏み入れないことも重要じゃよ。

ボタニ子

ボタニ子

柔らかい土に植え付けるから、苗が安定するまではそっとしておくのがポイントなんだね!

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ギョイコウの名所10選

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