クラリンドウとは?
どんな植物?
クラリンドウは、クマツヅラ科クサギ属の常緑低木で、インド、ヒマラヤが原産の植物です。正式名称はクレロデンドルム・ウォリキー。地植えで環境が気に入れば、樹高は1〜2mまで伸びます。他のクレロデンドルムの仲間には、青い蝶のような花の形のクレロデンドルム・ウガンデンセ(ブルーエルフィン)などがあります。
クラリンドウの特徴
魅力的な花
クラリンドウは何と言っても、花の形がユニークです。葉っぱの間から伸びた20cmほどの花茎に、可愛らしいしずくの形のつぼみがつき、4cmほどの白い花が開きます。花の中央から雄しべと雌しべがスーッと長く、カーブを描いて伸びているのが特徴で、可憐でありながらどこかモダンなフォルムをしています。垂れさがった花茎に、藤のように集まって花を咲かせる姿が、白い蝶が舞い踊っているようで、とても優美です。
開花時期
クラリンドウは10月〜12月頃、秋から冬にかけて花を咲かせます。開花期間が比較的長く、見ごたえのある花があまり咲かないこの時期に、可憐な彩りをそえてくれます。まだ咲かないかな?もうすぐかな?と開花を待つ楽しみが、肌寒くなってくる季節をあたたかくしてくれます。
ふんわりと甘い香り
クラリンドウの花は、夜になるとかすかに甘く香りを漂わせます。バニラを思わせる香りと、花が集まって垂れさがる様子がぶどうの房に似ていることから「グレープバニラ」、また、花のモチーフの刺繍が繊細な、ウェディングベールを思わせる可憐な花姿から「ブライダルベール」という英名がついています。
光沢のある葉
クラリンドウの葉は幅広で大きくツヤツヤしています。長さは20cm〜25cmほどあり、波をうったようなラインを描いています。光沢のある鮮やかなグリーンが、花の咲かない時期も観葉植物として目を楽しませてくれます。
鮮やかな実
クラリンドウは花だけでなく、実もとても個性的です。12月頃になると、緑色だったガクが赤くなっていき中に実がつきます。星のように開いた赤いガクと、中心の緑から黒に変わっていく実のコントラスがユニークで、まるで子供が絵に描いた花を見ているようです。
クラリンドウの名前の由来
属名のクレロデンドルム(Clerodendrum)は、ギリシャ語の「cleros(運命)+dendron(樹木)」がつながったものです。スリランカにあった同じ仲間の2種が「幸運の木」「不運の木」とそれぞれ呼ばれたことからきています。クラリンドウという和名は、リンドウとは関係がなく、学名のクレロデンドルムが発音しやすいように訛ったもののようです。
クラリンドウの花言葉
クラリンドウの花言葉は「大きな希望」です。とまっている蝶たちが、いっせいに青い空へひらひらと飛んでいきそうな雰囲気によく似あっています。これからの日々に希望を感じさせてくれる花言葉ですね。