ナイロンカッター使用時の注意点
ナイロンでできた紐とはいえ、高速で回転させれば大変危険なものです。使い方のポイントを押さえることはもちろん、適切な服装を準備し、安全を確保して作業を行いましょう。
ナイロンカッター使用時の服装
長袖・長ズボン
日焼けや草によるかぶれ、擦り傷を防止するために長袖長ズボンで作業するようにしましょう。また雑草が繁茂している場所には虫がいることも多いので、虫刺されからも身を守ることができます。
フェイスガード
草刈り作業では砂や小石が飛散することがよくあります。中には飛んできた石で失明してしまうケースもあるので、フェイスガードは必ず装着しましょう。ゴーグルでもかまいませんが、顔全体をカバーできるフェイスガードの方がおすすめです。
草刈り用エプロン
草刈りをすると、刈った草が付着したり汁が飛び散ったりして作業服が汚れてしまいます。草刈り機を使用するときは作業用のエプロンをしておくと、作業服への汚れの付着を防げます。
手袋
草刈り機による作業は振動が大きいので体に負担がかかってしまいます。振動を軽減する手袋を着用することで、体への負荷を小さくすることができます。
周囲の安全確認を徹底しよう
草刈り作業中の負傷事故は毎年発生しています。中には近づいてきた子供に気づかず、ケガをさせてしまったというケースも。とくに人通りのあるところでは安全確認を徹底してください。
作業前に傾斜や段差を確認
雑草が茂っていると、傾斜や段差に気づかず転倒してしまうことがあります。作業前に雑草の上を歩いてみて、確認しておくとよいでしょう。ただし歩きすぎると草を踏み倒してしまい刈づらくなるので注意が必要です。
障害物は取り除いておこう
瓶や缶などの障害物は、作業前にできるだけ回収しておきましょう。踏んで転倒したり、破損して飛散したりすることもあります。
歩行者や車に注意
道路のそばで作業するときは、歩行者や車に注意が必要です。作業中は草刈り機の音で周囲の音が大変聞こえづらくなります。こまめに周囲の状況を確認するか、2人1組で作業し、1人が安全確認できるようにしておくのがおすすめです。
ナイロンカッターの使い方
ナイロンカッターの取り付け
まずナイロンカッターを草刈り機の先端に取り付けます。差し込み式以外のナイロンカッターは、取り付ける前にカッター内にコードを巻き付けておきましょう。草刈り機のネジ位置とナイロンカッターのネジ位置を合わせ、草刈り機の回転方向とは逆向きに回してしっかりと固定します。
ナイロンカッターの使い方
ナイロンカッターも金属刃も基本的な使い方は同じです。ナイロンカッターがしっかりと固定できたら、近くに人がいないことを確認してエンジンをかけます。エンジンがかかったら肩掛けバンドを着用して、草刈り機本体が体の右側にくるようにもち、右から左に振るようにして草を刈っていきます。
刈幅は1.5mを目安に
広い場所で草刈りをする場合に大きく体を振って一度に広範囲の雑草を刈ろうとすると、作業者への負担も大きくかえって効率がおちてしまいます。1.5mくらいの刈幅で往復して刈っていくとよいでしょう。刈りながら前進するときは右足から踏み出すようにすると、足先に機械があたりケガをするリスクも低くなります。
ナイロンカッター使用後のメンテナンス
ナイロンコードの取り替え
ナイロンコードは摩耗して短くなったら取り替える必要があります。差し込み式の場合は、短くなったコードをナイロンカッターから外し、新たなコードを差し込むだけです。それ以外のタイプはナイロンカッターの中に新たな紐を巻き付ける必要があります。各ナイロンカッターの説明書にしたがって紐を補充しましょう。
ナイロンカッターの取り替え
ナイロンカッターを使用した後は、亀裂や破損がないか必ずチェックしましょう。そのまま使い続けているとケガにもつながり大変危険です。商品や使い方によっては1日で交換になる場合もあります。
コードやカッターの処分
コードやカッターを処分する場合、農家であれば産業廃棄物として処理します。家庭菜園であれば自治体のルールにしたがい、適切に分別して処分してください。
まとめ
暖かくなるとすぐに伸びてしまう雑草。手や鎌で駆除するのは本当に手間がかかりますよね。ナイロンカッターの草刈り機を使えば、金属刃よりも安全で簡単に広範囲の草を刈ることができます。コードの種類や交換方式などを比較して自分に合ったものを選び、基本的な使い方や安全に作業するためのポイントをしっかりおさえて使用しましょう。
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農業機械による農作業負傷事故の機種別割合。動力刈払機(草刈り機)による事故が多く発生しています。
出典:農作業安全情報センター