みかんの白い筋の栄養と働き
白い筋に含まれる栄養素
みかんのオレンジ色の皮の下の繊維状の白い層と筋である「アルベド」にも栄養素が含まれています。アルベドには、ビタミンPやペクチンなどの栄養素がしっかり含まれています。アルベドに含まれる栄養素の働きをみてみましょう。
ビタミンP
ビタミンPはポリフェノールの1種です。なかでもヘスペリジンと呼ばれるポリフェノールが体によいと注目をあびています。アルベドにはみかんの果実の約100倍ものビタミンPが含まれます。ビタミンPは、ビタミンCの働きを助けてしっかり機能させる作用があります。毛細血管強化、抗アレルギー、免疫力アップなどの効果もあります。
ペクチン
ペクチンは食物繊維の1種です。ジャムなどの食品に粘度を増すために加えられることもあります。アルベドにはペクチンも豊富です。ペクチンは、腸の中の善玉菌を増やします。お腹の調子を整える、便秘解消の他、高血圧や動脈硬化の予防にも効果があります。
みかんの筋は食べてもだいじょうぶ?
みかんの白い筋を取るか取らないか、ぼんやりとわかってきたのではないでしょうか。維管束(いかんそく)という名前の白い筋には体にうれしい栄養素も豊富だということも理解できました。では、この白い筋は食べてもよいのか、食べたほうがよいのか考えてみましょう。
みかんの白い筋は食べたほうがよい
これまでの通り、白い筋にも食物繊維などの栄養が豊富です。ビタミンPは果実に豊富に含まれるビタミンCの働きをうながしてくれる働きもあるので、やはり白い筋は食べた方が健康にはよいのです。免疫力アップや風邪予防効果がアップしますから。口のなかで少しモソモソしますが、よく噛んで食べましょう。
みかんの皮の上手なむき方
そうは言っても、口に残るような食感が好きじゃないという方もいらっしゃいます。白い筋を取ってから食べたいこともあるのではないでしょうか。そんなときに役立つみかんの白い筋を上手に取る方法をご紹介します。
お湯につける
熱湯にみかんを皮ごと浸します。煮立たせる必要はないので、ボールなどに熱湯をいれ、皮ごとみかんをつけます。約1~5分つけたらとりだします。取り出すときにやけどをしないように注意してください。みかんが冷めたら皮をむきます。驚くほどきれいにむけますよ。
皮ごともむ
みかんの皮をむかず、そのままの状態でもみます。力をいれず軽くもみもみしてみてください。そうすると、果実と皮がはがれて、間に隙間ができるので筋をとりやすくなります。力がはいると実をつぶしてしまうのでご注意ください。
ヘタ側からむく
みかんの白い筋はヘタから下に向かって全体に伸びています。なので、ヘタ側から下に向かって皮をむくと白い筋を簡単にはがすことができます。上部に比べると下の部分ははがれにくいという特徴があります。
その他のむき方
みかんの大産地である和歌山県には「正統和歌山むき」というみかんのむき方があります。みかんを数回から数十回軽くもみます。次にヘタの反対側に指をさしこみ、3つくらいにわります。産地ならではのむき方にも挑戦してみたいものです。むき方でみかんの味が変わるかもしれません。
みかんの皮も捨てないで!
みかんの薄皮
みかんの果肉を包む薄い皮、中袋ともよばれたりしますが、この皮にも名前があります。みかんの薄皮は「瓤嚢膜(じょうのうまく)」という名前をもっています。読むのも書くのも難しいですね。この薄皮にもペクチンやヘスペリジンが豊富です。便秘に悩む方には、果実だけを食べるより、薄皮や白い筋も一緒に食べることをおすすめします。
みかんの外皮
オレンジ色のみかんの外皮にもビタミンP(ヘスペリジン)やペクチンが含まれています。この皮を乾燥させたものは「陳皮(ちんぴ)」として漢方薬の生薬として使用されています。七味やお屠蘇(とそ)の材料として使用したり、風邪薬や胃薬に使われたりすることもあります。
みかんの皮のお風呂
みかんの皮には、血流を促進したり、香り成分「リモネン」にはリラックス効果があるため、乾燥したみかんの皮をお風呂にいれるのもおすすめです。みかんの皮をむいてしっかりと乾燥させます。水分が残るとカビの原因になりますので、保存する場合は十分な乾燥が必要です。
まとめ
みかんの白い筋を取るかそのまま食べるかご理解いただけたでしょうか。みかんの特徴、各部位の名称、白い筋の名前、役割、栄養、効能などをまとめました。冬を健康に過ごすためのみかんの食べ方をぜひ実践してみてください。食べすぎには注意しましょう。
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出典:筆者撮影