「四季なりイチゴ」の育て方
イチゴは年数をかけて育てる果樹とは異なり、毎年苗を植え付け育てる野菜です。日当たりのよい場所に置き、しっかり日光を当てて実が甘くなるようにしましょう。地植えにするよりもプランターで育てるほうが、夏越しと冬越しの対策が行いやすいです。初心者でも始めやすいプランターを使った育て方をご紹介します。
用意する物
観賞用にも楽しめる四季なりイチゴは、育てるときのプランターも重要です。ストロベリーポットはイチゴと他の草花との寄せ植えができ、洋風の雰囲気を醸し出してくれます。かわいらしいチュラルなハンキングバスケットもおすすめです。培養土や肥料は「野菜用」と書かれたものを選びましょう。イチゴは種まきからも育てられますが、発芽が難しいため苗植えから始めることをおすすめします。
四季なりイチゴ栽培で用意するもの
- 四季なりイチゴの苗
- プランター
- 野菜用培養土
- 野菜用肥料
育て方①用土
プランター栽培には市販の野菜用培養土が便利です。市販のものには、赤玉土(小粒)に腐葉土や成長に必要な肥料が混ぜ込まれているため手軽に使用できます。プランターの底穴から土が流失しないように鉢底ネットを敷き、土の水はけをよくする鉢底石を敷き詰めてから培養土を入れましょう。培養土はプランターの縁から2~3cm下あたりまで入れ表面を平らにします。
ボタニ子
育て方②植え付け
四季なりイチゴの苗は、10~11月と3~4月が植え付け適期です。この時期になると園芸店やホームセンターなどで苗が出回り始めます。気になる品種を入手しましょう。苗同士の間隔を15~20cm空けたほうがよいです。小さなスコップで育苗ポットと同じ大きさに穴を掘り、根を傷つけないように苗を穴に入れます。株の根元にある王冠の形をした成長点を土で埋めないように気をつけましょう。
育て方③水やり・肥料
苗を植え終わったら、プランターの底から流れるくらいたっぷり水やりを行います。その後は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。肥料は培養土に含まれていますが、1カ月ほど経つと効果が薄れてきます。リン酸を多く含んだ液体肥料や粒状の固形肥料を追肥しましょう。花や実が付き始めたころに肥料をきらすと、実が大きく育たないため注意が必要です。
ボタニ子
収穫が終わる時期まで追肥を続けます。追肥の量と頻度は製品パッケージに記載されている通りに行いましょう。
育て方④人工授粉
イチゴは雌しべに雄しべの花粉が付き、受粉することで実がなります。大きくておいしいイチゴを収穫するためには、開花したら人工授粉しましょう。花粉がたくさん出る朝に行うのがポイントです。花の中心にポンポンとやさしく雄しべの花粉を付けます。柔らかい毛筆や綿棒を使うと便利です。
育て方⑤病害虫
イチゴの病気や害虫は発生しないように予防することが大切です。アブラムシやハダニは、霧吹きで勢いよく水をかけると払い落せます。うどんこ病や灰色かび病は、葉が密集しないように間隔を空けて植え付け風通しをよくすると防げます。プランターを置く場所や管理方法を工夫して防ぐようにしましょう。
育て方⑥夏越しと冬越し対策
暑い時期は風通しのよい場所に移動させて夏越しさせます。特に35℃を超える猛暑日は受粉が上手くいかず、いびつな形の実が付きます。プランターの下にブロックやレンガを置いて地面から遠ざけたり、よしずなどで日光を遮ったりするようにしましょう。また、寒い時期は枯葉を取り除き、株の根元にビニールや藁(わら)を敷いて冬越しします。
次のページで、「四季なりイチゴ」の収穫と増やし方を紹介します。
鉢底がメッシュになっているプランターには鉢底ネットは不要です。