秋海棠の育て方
通常ベゴニアの仲間は耐寒性がなく、暖地でもなければ戸外で越冬することはできません。しかし秋海棠は、日本各地に自生するほど耐寒性があるため、地植えして楽しむこともできる品種です。秋海棠の育て方をご紹介します。
育て方①基本の手入れ
秋海棠は環境さえあっていれば、地植えでも問題なく育てられます。ではどのような環境を用意してあげればよいのでしょうか?まずは秋海棠に適した場所などの基本的なことからみていきましょう。
日当たり・置き場所
秋海棠は強い日差しにさらされると葉焼けをおこすため、明るい日陰か半日陰に置くようにします。風通しのよい乾燥した場所に置くと生育が悪くなるため、湿り気のある落葉広葉樹の下などが最適です。冬の季節には地下の塊根に栄養を移して地上部は枯れるため、冬場の日当たりや乾燥は気にする必要はありません。地植えでも環境があっていれば、季節を問わず手間がかからない植物です。
水やり
秋海棠は乾燥が苦手です。そのため鉢植えの場合は、表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまで、たっぷりと水やりをします。地植えの場合は基本的に放置で大丈夫ですが、夏の季節に晴天が続いて土が乾いてきてしまった場合は、こちらもしっかりと水やりをして、湿らせてあげるようにしましょう。特に植えつけたばかりのときは、根付くまで湿度に注意するようにします。
肥料
秋海棠は肥料をあげすぎると肥大化してしまい、せっかくの雰囲気が台無しになってしまいます。そのため、鉢植えにするときは緩効性の肥料を元肥として混ぜ込んでおけば、追肥の必要はありません。地植えの場合も、腐葉土をはじめとした腐植質の肥料を元肥としてすき込んでおけば、植えつけ後の追肥は基本的に必要としませんが、春か秋の季節に株元に腐葉土を混ぜ込むとよいでしょう。
育て方②用土・植え付け
秋海棠が毎年美しい花を咲かせるためには、植えつける用土が適していることが大切です。秋海棠は湿った環境を好むため、土の保水性は大切な要素になります。秋海棠に適した用土と、植えつけ方法についてみていきましょう。
地植えの場合
秋海棠の好む保水性のある土にするため、植えつける前に腐葉土をすき込んでおきます。塊根の植え付けは、暖かくなってくる春の4月ごろが最適です。地植えの場合でも土の状態が悪くなってきている場合には、春に掘りおこして土づくりをしなおしてから植えなおすとよいでしょう。塊根を植えつける深さは土に隠れる程度が最適で、あまり深く植えすぎないように注意します。
鉢植えの場合
秋海棠を鉢植えにする場合に適した用土も、水はけと保水性にこだわった土が最適です。赤玉土(小粒)6、腐葉土3、軽石1の割合で配合した土がよいでしょう。植えつけ後はたっぷりと水やりをして土を湿らせます。冬は掘りあげずにそのまま越冬させましょう。春になって土の状態を確認して問題があるようなら、新しい土で植え替えます。
育て方③増やし方
秋海棠は塊根が分球することはないため、種や葉のわきにできるむかご、挿し芽で増やします。地植えにしている場合、落としたむかごで自然に増えることも珍しくありません。むかごを収穫しておいて鉢にまき、軽く覆土して越冬させ、春に水やりを始めると簡単に芽がでます。
育て方④病害虫
秋海棠は病害虫に強く、通常は放置していて問題ありません。ただし、害虫のアザミウマには注意が必要です。開花期に花につくと、花が茶色く変色して奇形花になったり、つぼみのまま開かなかったりします。葉についても発育異常や奇形葉になるため対応が必要です。咲きおわった花を摘みとったり、農薬をまいたりして防除します。
まとめ
秋海棠はほかのベゴニアにはない雰囲気と、日本の気候風土にあった育てやすい花です。環境さえ整っていれば、庭木の下に植えてもよく映えます。秋の庭のアクセントとして、少し和風の要素を添えたいときに秋海棠の花はピッタリです。また意中の相手へのプレゼントとして、その花言葉に思いをこめて贈ってみてください!
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出典:写真AC