パッションフルーツの育て方!誘引の方法や効率的な肥料の与え方 | 植物図鑑

学名Passiflora edulis
和名果物時計草(クダモノトケイソウ)
別名マラクジャ、グラナディリャ、リリコイ
英名Passionfruits
科・属名トケイソウ科トケイソウ属
原産地アメリカ大陸亜熱帯地域
花言葉聖なる愛、宗教、信仰、宗教的情熱、信心

パッションフルーツの特徴

Photo by Wakana K

基本情報

園芸部類 果樹
形態 つる性多年草
樹高 0.5m~3m
花の色 青紫・白・赤・緑
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
耐陰性 普通
栽培難易度 ★★★☆☆

パッションフルーツの特徴

Photo byL0nd0ner

パッションフルーツは、トケイソウによく似た特徴的な花を咲かせる熱帯植物です。種は黒くて周りを半透明のゼリー質が包んでおり、果肉は黄色で果汁も多く含まれています。香りは芳醇で、味は甘酸っぱく、種まで全て食べられます。つる性でよく育つため、夏の暑さを和らげるグリーンカーテンとしても人気です。

名前の由来

パッションフルーツの名前の由来は、ラテン語の「Passi(キリストの受難)」からきています。花の形がキリストの磔(はりつけ)のシーンを思わせることから名づけられました。トケイソウはラテン語で「Passion flower」と表記され、両者の花がよく似ていることから、日本では「クダモノトケイソウ」と呼ばれるようになりました。

パッションフルーツの代表品種・種類

①エドゥリス

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日本で栽培されているパッションフルーツの多くは「エドゥリス」です。皮は黄色と赤紫色の2種類がありますが、耐寒性に優れ1本でも実がなる赤紫色の品種がおすすめです。育てやすく味もよいため、とても人気があります。

②ルビースター

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ルビースターは、在来種よりも大きい紫色の果実が特徴の、鹿児島県産の品種です。甘みはもちろん、しっかりとした酸味も楽しめます。

パッションフルーツの育て方①時期

Photo bybobanmk

植え付けから収穫までの時期

植え付け・植え替え時期 4~6月
花が咲く時期 5~7月
実がなる時期 6~8月
収穫時期 7~9月

栽培スケジュールカレンダー

栽培スケジュール
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け・植え替え
開花時期
収穫時期
肥料
成長期
休眠期

栽培適期は?

パッションフルーツは南国フルーツです。栽培の適温は20~30℃で、栽培適期は5月~10月です。20℃以下または35℃以上になると成長が止まるため、冬と8月の猛暑時は休眠状態になります。春から夏にかけては葉と花を、夏から秋にかけては果実を楽しめます。

パッションフルーツの育て方②栽培環境

Photo byFelipeAugusto

栽培方法

パッションフルーツは種まきではなく、苗から育てるのが一般的です。冬越しが可能ですが、寒さに弱いため冬場は室内に入れるほうが安心です。高温化では実が落ちやすくなるため、真夏は涼しいところに置く必要があります。地植えでも育ちますが、定期的に移動させられる鉢植えかプランターのほうが向いています。

育てる場所

パッションフルーツは猛暑や寒さに弱いため、北風が当たらず、日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。西日や日陰の中でも比較的成長しやすいですが、状況に応じて移動させるのがベストです。地植えで育てたい場合は、水はけのよい用土を使用し、日当たりのよい場所に植えましょう。

用土

プランターや鉢植えの場合は、鉢底に水はけ用の鉢底石や大粒の赤玉土などを敷き、上から有機質を多く含む培養土などを入れましょう。地植えの場合は、腐葉土を使用してください。Phは気にする必要はありません。

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元肥の必要性

パッションフルーツを植え付ける際には、たい肥や緩効性肥料、油粕をベースに配合された肥料などを与えましょう。つるが伸びてから実をつけるまで、長い時間を必要とするため、元肥はとても大事です。肥料焼けを起こさないために、元肥は根に直接当たらないように気をつけましょう。

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パッションフルーツの育て方③管理のポイント

出典:写真AC

水やり

パッションフルーツは水切れに弱いため、基本的には1日に1回、夏の暑い時期には1日に2回水やりをしましょう。特に果実がついている時期は、水切れを起こしやすい傾向があります。土が乾燥していないか観察しましょう。

支柱の有無・誘引

支柱の必要性

成長中のパッションフルーツは、強い風にさらされると、つるの伸びがとても悪くなります。つるがしっかりと伸びきるまでは、支柱を使用し固定し管理しましょう。

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誘引の仕方

パッションフルーツは、つるがグングン伸びていくため、あんどん支柱やネットにはわせるように誘引しましょう。初めは水平方向に、主幹から1mほどになったら上方向に絡ませていきます。以降は自分で支柱やネットに巻き付いていきます。周りの植物に巻き付いてしまう恐れもあるため、伸びる方向には注意してください。

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肥料

パッションフルーツは生育期間が長いため、追肥が重要です。新しい巻きつるが伸び始めたタイミングで、1週間に1回ほど液肥か窒素系肥料をあげましょう。ある程度育ったら、花と実を育てるために窒素系肥料をやめ、リン酸肥料に変えてください。頻度は月に1回が目安です。

肥料の与えすぎによるトラブル

パッションフルーツの実がならい、または大きくならない場合、窒素肥料の与え過ぎが原因の可能性が高いです。実がつく時期に窒素肥料が多すぎると、葉っぱやつるばかりが大きくなってしまうため注意しましょう。

病気対策

パッションフルーツがかかりやすい病気は、疫病と立枯病です。発見次第すぐに取り除きましょう。通気性と水はけをよくしておくことが、病気予防につながります。必要があれば剪定して多湿状態を回避しましょう。

代表的な病気
疫病 葉に水が染みたような灰緑色の斑点ができ、やがて暗褐色になる。
立枯病 病原は糸状菌と呼ばれるカビ。下葉から黄化し、しおれ、やがて株全体が倒れる。

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害虫対策

パッションフルーツは新芽の時期にはアブラムシ、それ以降はカイガラムシの被害に注意が必要です。すぐに増えてしまうため、見つけ次第除去しましょう。

注意する害虫
アブラムシ 小さな虫が葉やサヤに群生して吸汁加害する。モザイク病を媒介するため注意。
カイガラムシ 大きさ1mm~3mmほどの小さな虫が葉や茎に群生し吸汁加害する。さまざまな病気の原因になるため注意。

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パッションフルーツの育て方④詳しい栽培方法

Photo bysagive

苗の選び方

パッションフルーツの苗は、春から夏にかけて流通します。紫色の実がつくものは甘みが強く生食向きです。寒さに強い性質をもっています。黄色の実がつくものは果汁が多く加工向きで、寒さに弱い性質です。品種が豊富なため、好みの味わいのものを選びましょう。

植え替え

パッションフルーツは、1~2年に1回植え替えが必要です。植え替えの適期は4~6月です。根が詰まってしまうと、成長が悪くなったり、実がつきにくくなったりするため注意しましょう。根腐れ防止のために、地植えの場合は深植えせずに浅めに植えるのがポイントです。

夏越し

パッションフルーツは暑さに強いため、高温多湿の状態にならないように管理できれば、夏越しは特に問題ありません。

冬越し

パッションフルーツの耐寒温度は、品種によって異なりますが「5℃~10℃」です。温暖な地域では地植えでも冬越しが可能です。霜にはとても弱く、霜に当たると枯れてしまう可能性が高まります。寒冷な地域で地植えで育てる場合は、冬だけ鉢に移し替えて屋内で管理すると枯れる心配がなく安心です。

増やし方

パッションフルーツは挿し木で増やせます。挿し木の適期は湿度の高い6月か、猛暑が過ぎた8月中旬~9月頃です。挿し木後に気温が上がるほうが成長が早いため、おすすめは6月です。挿し木後1週間ほどで発根します。ある程度大きくなったら、好みの場所に移し替えましょう。

挿し木の方法

  1. つるを節が2つ以上ついた状態で10cmほど切る(挿し穂)
  2. 2節目についている葉やつるを取り除く
  3. 1節目に葉が多い場合は、1枚を残して全て切り落とす
  4. 水に浸け1時間ほど水揚げする
  5. 専用の土や鹿沼土に挿す
  6. 強風に当たらない明るい日陰で管理する
  7. 発根したら、培養土に移し替え、日当たりのよい場所で管理する

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