園芸部類 | 果樹 |
形態 | つる性多年草 |
樹高 | 0.5m~3m |
花の色 | 青紫・白・赤・緑 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
パッションフルーツは、トケイソウによく似た特徴的な花を咲かせる熱帯植物です。種は黒くて周りを半透明のゼリー質が包んでおり、果肉は黄色で果汁も多く含まれています。香りは芳醇で、味は甘酸っぱく、種まで全て食べられます。つる性でよく育つため、夏の暑さを和らげるグリーンカーテンとしても人気です。
パッションフルーツの名前の由来は、ラテン語の「Passi(キリストの受難)」からきています。花の形がキリストの磔(はりつけ)のシーンを思わせることから名づけられました。トケイソウはラテン語で「Passion flower」と表記され、両者の花がよく似ていることから、日本では「クダモノトケイソウ」と呼ばれるようになりました。
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日本で栽培されているパッションフルーツの多くは「エドゥリス」です。皮は黄色と赤紫色の2種類がありますが、耐寒性に優れ1本でも実がなる赤紫色の品種がおすすめです。育てやすく味もよいため、とても人気があります。
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ルビースターは、在来種よりも大きい紫色の果実が特徴の、鹿児島県産の品種です。甘みはもちろん、しっかりとした酸味も楽しめます。
植え付け・植え替え時期 | 4~6月 |
花が咲く時期 | 5~7月 |
実がなる時期 | 6~8月 |
収穫時期 | 7~9月 |
パッションフルーツは南国フルーツです。栽培の適温は20~30℃で、栽培適期は5月~10月です。20℃以下または35℃以上になると成長が止まるため、冬と8月の猛暑時は休眠状態になります。春から夏にかけては葉と花を、夏から秋にかけては果実を楽しめます。
パッションフルーツは種まきではなく、苗から育てるのが一般的です。冬越しが可能ですが、寒さに弱いため冬場は室内に入れるほうが安心です。高温化では実が落ちやすくなるため、真夏は涼しいところに置く必要があります。地植えでも育ちますが、定期的に移動させられる鉢植えかプランターのほうが向いています。
パッションフルーツは猛暑や寒さに弱いため、北風が当たらず、日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。西日や日陰の中でも比較的成長しやすいですが、状況に応じて移動させるのがベストです。地植えで育てたい場合は、水はけのよい用土を使用し、日当たりのよい場所に植えましょう。
プランターや鉢植えの場合は、鉢底に水はけ用の鉢底石や大粒の赤玉土などを敷き、上から有機質を多く含む培養土などを入れましょう。地植えの場合は、腐葉土を使用してください。Phは気にする必要はありません。
パッションフルーツを植え付ける際には、たい肥や緩効性肥料、油粕をベースに配合された肥料などを与えましょう。つるが伸びてから実をつけるまで、長い時間を必要とするため、元肥はとても大事です。肥料焼けを起こさないために、元肥は根に直接当たらないように気をつけましょう。
パッションフルーツは水切れに弱いため、基本的には1日に1回、夏の暑い時期には1日に2回水やりをしましょう。特に果実がついている時期は、水切れを起こしやすい傾向があります。土が乾燥していないか観察しましょう。
成長中のパッションフルーツは、強い風にさらされると、つるの伸びがとても悪くなります。つるがしっかりと伸びきるまでは、支柱を使用し固定し管理しましょう。
パッションフルーツは、つるがグングン伸びていくため、あんどん支柱やネットにはわせるように誘引しましょう。初めは水平方向に、主幹から1mほどになったら上方向に絡ませていきます。以降は自分で支柱やネットに巻き付いていきます。周りの植物に巻き付いてしまう恐れもあるため、伸びる方向には注意してください。
パッションフルーツは生育期間が長いため、追肥が重要です。新しい巻きつるが伸び始めたタイミングで、1週間に1回ほど液肥か窒素系肥料をあげましょう。ある程度育ったら、花と実を育てるために窒素系肥料をやめ、リン酸肥料に変えてください。頻度は月に1回が目安です。
パッションフルーツの実がならい、または大きくならない場合、窒素肥料の与え過ぎが原因の可能性が高いです。実がつく時期に窒素肥料が多すぎると、葉っぱやつるばかりが大きくなってしまうため注意しましょう。
パッションフルーツがかかりやすい病気は、疫病と立枯病です。発見次第すぐに取り除きましょう。通気性と水はけをよくしておくことが、病気予防につながります。必要があれば剪定して多湿状態を回避しましょう。
代表的な病気 | |
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疫病 | 葉に水が染みたような灰緑色の斑点ができ、やがて暗褐色になる。 |
立枯病 | 病原は糸状菌と呼ばれるカビ。下葉から黄化し、しおれ、やがて株全体が倒れる。 |
パッションフルーツは新芽の時期にはアブラムシ、それ以降はカイガラムシの被害に注意が必要です。すぐに増えてしまうため、見つけ次第除去しましょう。
注意する害虫 | |
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アブラムシ | 小さな虫が葉やサヤに群生して吸汁加害する。モザイク病を媒介するため注意。 |
カイガラムシ | 大きさ1mm~3mmほどの小さな虫が葉や茎に群生し吸汁加害する。さまざまな病気の原因になるため注意。 |
パッションフルーツの苗は、春から夏にかけて流通します。紫色の実がつくものは甘みが強く生食向きです。寒さに強い性質をもっています。黄色の実がつくものは果汁が多く加工向きで、寒さに弱い性質です。品種が豊富なため、好みの味わいのものを選びましょう。
パッションフルーツは、1~2年に1回植え替えが必要です。植え替えの適期は4~6月です。根が詰まってしまうと、成長が悪くなったり、実がつきにくくなったりするため注意しましょう。根腐れ防止のために、地植えの場合は深植えせずに浅めに植えるのがポイントです。
パッションフルーツは暑さに強いため、高温多湿の状態にならないように管理できれば、夏越しは特に問題ありません。
パッションフルーツの耐寒温度は、品種によって異なりますが「5℃~10℃」です。温暖な地域では地植えでも冬越しが可能です。霜にはとても弱く、霜に当たると枯れてしまう可能性が高まります。寒冷な地域で地植えで育てる場合は、冬だけ鉢に移し替えて屋内で管理すると枯れる心配がなく安心です。
パッションフルーツは挿し木で増やせます。挿し木の適期は湿度の高い6月か、猛暑が過ぎた8月中旬~9月頃です。挿し木後に気温が上がるほうが成長が早いため、おすすめは6月です。挿し木後1週間ほどで発根します。ある程度大きくなったら、好みの場所に移し替えましょう。
出典:写真AC