マイヤーレモンはレモンとマンダリンの自然交雑種で、果皮はオレンジがかった黄色で苦味が少ないのが特徴です。通常のレモンよりも樹高が低く実付きがよいので、家庭菜園や鉢植えでも育てやすく使い勝手のいいおすすめの果樹です。
園芸部類 | 果樹、柑橘類 |
形態 | 常緑低木 |
樹高 | 2〜3m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
マイヤーレモンは果肉の酸味がマイルドで皮の苦味や渋みが少ないため、皮ごと使う調理やデザート・マーマーレードなどの加工にも向いています。八丈島や小笠原で栽培されている菊池レモンや、丸い実のグラントレモンもマイヤーレモンの一種で、ラフマイヤーはラフレモンとマイヤーレモンの交配種です。
マイヤーレモンの苗木は接木の果樹苗や、実付きの苗が販売されています。果樹苗の入手時期は春と秋がおすすめですが、柑橘類の実付き苗は秋に多く出回ります。病気や害虫の発生していない、左右バランスよく枝葉がある葉色の濃い苗を選びましょう。
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マイヤーレモンの実付き苗は果樹を初めて育てる方にもおすすめです。最初の実は青いうちに収穫して、しっかりと充実した枝葉を育てれば2〜3年目から実が収穫できるようになります。
おすすめ度 | ★★★ |
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サイズ | 6号鉢(直径18cm) |
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植え付け時期 | 4〜5月 |
花が咲く時期 | 5〜11月(四季咲き) |
剪定・整枝 | 冬・夏・秋 |
肥料 | 春〜秋 |
収穫時期 | 11〜12月頃 |
マイヤーレモンの栽培適期は春〜秋です。花は四季咲き性ですが、春の一番花を実らせて冬に収穫します。低温期の12〜3月には休眠させて、成長サイクルをキープしましょう。鉢に植え付けて2〜3年の幼木は毎年の植え替えで、鉢の大きさをサイズアップするのがポイントです。鉢植えでも3〜4年目から収穫できるようになりますよ。
マイヤーレモンの栽培方法は、温暖な地域では庭植え(露地栽培)や鉢植え、寒冷地では鉢植えがおすすめです。マイヤーレモンはー3℃までは寒さに耐えられますが、冷たい北風で葉を傷めないように、寒冷地では室内で管理して冬越しさせましょう。
マイヤーレモンを育てる場所は風通しがよく、日当たりのよい屋外です。特に柑橘類は成長期に暖かな日差しの当たる、水はけのよい場所で管理しましょう。
マイヤーレモンを鉢植えで育てる用土は、市販の果樹の土が最適です。庭植えの場合は水はけをよくする赤玉土と、土をふかふかにする堆肥を混ぜ込みましょう。マイヤーレモンはpH5.0〜6.0の中性に近い弱酸性土で育てます。酸性土壌は有機石灰でpHを調整しましょう。
マイヤーレモンの植え付けには元肥が必要です。果樹の花芽の付きをよくして実のなりをよくするには、有機質肥料がおすすめです。元肥は肥料を用土に適量混ぜ込んで与えます。植え付けに果樹の土を使う場合は、元肥が含まれているので不要です。
マイヤーレモンの植え付け時期は、春植えが最適ですが温暖地では秋も可能です。水はけの悪いところでは土を10〜15cmほど盛って、高めに植え付けると水の管理が楽になります。果樹を庭植えする場合は、他の植物から2〜3m離しましょう。若い苗木は特に寒さに弱いため、春先の遅霜への対策が欠かせません。
マイヤーレモンを庭植えする場合は、支柱を立てて主枝を誘引します。植え付けてすぐの若い苗木は強風の影響を受けて、折れやすいからです。鉢植えの場合も適度な長さの支柱を立てて管理しましょう。
春植えのマイヤーレモンには遅霜対策のマルチングが必要です。株元を敷きわらで覆ったり、苗カバーで囲ったりして、苗を保温して乾燥から防ぎます。寒冷地では鉢植えにして、霜の影響のない屋根下で管理しましょう。
マイヤーレモンの水やりのコツは、メリハリのある水やりです。開花から収穫前までは日数の間隔を空けて、やるときは鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。雨の少ない時期は、庭植えでも水やりが必要です。真夏は薄めた活力液や液体肥料を枝葉にスプレーして、暑さを和らげる工夫をしましょう。
マイヤーレモンの追肥のタイミングは、早春の寒肥・実なりをよくする初夏の追肥・秋のお礼肥の3回です。鉢植えの場合は3〜11月の奇数月に1株あたりの適量を守って、定期的に追肥を与えるのがポイントです。肥料は花芽の付きをよくして、生理落下を防ぎ、病気や害虫に負けない丈夫な株に育てます。夏は固形肥料から液体肥料に切り替えても大丈夫です。
芽かきや摘果を行う意味は、風通しと日当たりの確保・病気や害虫の発生を抑える・果実を成熟させるために数を調整することです。芽かきや摘果のタイミングは実のついた6〜7月に、枝によく日が当たるように混み合った新芽を取り除きます。若い株は1枝に実が1個になるよう、摘果して果実をしっかりと成熟させましょう。
剪定や整枝は花実のつかないシュート(新梢)を整理して、樹形を整える鉢植えの管理に欠かせない大切な作業です。夏枝の整枝は新枝の展開が落ち着いた10〜11月に、全体を整える剪定は2〜3月上旬に行います。植え付けて2〜3年は混み合った枝や大きなトゲだけの、ポイント剪定でも大丈夫です。
ボタ爺
柑橘類の鋭いトゲは動物や害虫から果実を守るためのもの。カットしても成長には問題なし!
マイヤーレモンの葉が黄色くなるのは、日照不足や肥料不足の影響が考えられます。レモンは微量栄養素の中でも特にマグネシウムやマンガンなどの、ミネラル不足になりやすい性質があります。ミネラル類を含む活力液や珪酸塩白土のソフトシリカを溶かして、葉の表裏や茎にスプレーするのが効果的ですよ。
マイヤーレモンの実が落ちてしまうのは、栄養不良による生理落下が考えられます。適切なタイミングでの追肥で実を落とさず、収穫期まで管理しましょう。栄養不要以外には根詰まりや根腐れの可能性もあります。鉢植えは少なくても2〜3年に1回の植え替えが必要です。
マイヤーレモンは木の勢いが強すぎると枝葉ばかり成長して、果実が成熟しないことがあります。成長に合わせた剪定や整枝・摘果などの作業で、バランスよく整えて果実を成熟させましょう。
鉢植えのマイヤーレモンを上手に管理するポイントは?
かいよう病は柑橘類に発生する菌が原因の病気です。葉・茎・実に黄色や茶色の斑点が発生し、やがて落葉します。害虫に食害された傷口から感染することが多いので、害虫を見つけたら捕殺して剪定しましょう。
その他の病気 | |
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うどんこ病 | 葉や花芽に白く粉をはたいたような病斑がでる。他の植物にもうつるため、早めに取り除く。 |
蛾や蝶の幼虫がイモムシです。柑橘類によく発生し、葉を食害します。実がついている間は殺虫剤の使用を控えたいので、見つけたら捕殺します。開花前に殺虫殺菌剤で予防するのがおすすめですよ。
その他の害虫 | |
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アブラムシ | 小さな虫が葉や新芽に群生して吸汁加害する。モザイク病を媒介するため注意が必要。 |
アザミウマ(スリップス) | 成虫が葉やつぼみ・果実に寄生して吸汁する。小さな斑点状の跡が残る。 |
ミカンハモグリ | 幼虫は葉に線を描くような跡を残す。見つけたら葉を取り除く。 |
鉢植えの植え替え時期は、花芽が動き出す前の3〜4月上旬がよいでしょう。植え付けてから2〜3年は毎年植え替えて、木を大きくします。鉢のサイズが10号以上(直径30cm)になったら、タイミングは2年に1回で大丈夫です。
マイヤーレモンの植え替えのポイントは、根の成長を確認することです。鉢植えでもしっかりと収穫するには、健康な根の成長が欠かせません。
出典:Unsplash