スズメウリ(雀瓜)は、日本の本州~九州の原野や水辺などに生えている山野草です。夏に開花し、秋に小さな白い実をつけます。一般には雑草扱いされており、種苗が流通することはあまりありません。茎の節から葉と対生状に出る巻きひげで、ほかの植物に絡みつく性質を持っています。
園芸部類 | 山野草 |
形態 | つる性一年草 |
花の色 | 白 |
特性・用途 | 雌雄同株 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
スズメウリは茎が細いうえに花も葉も実も小さく、繊細な印象を与えます。花は直径約6mm、葉は長さ3cm~6cmで幅4cm~8cm、実は直径1cm~2cmほどです。実は、はじめは緑色ですが、熟すと灰白色に変わります。「雀瓜(スズメウリ)」という名前も、白く小さい実がスズメの卵を連想させることから名づけられました。
スズメウリの実は食べられる?
スズメウリの実には毒はないので、食べても大丈夫です。しかし実が小さ過ぎるため食用にはされていません。また、名前が似ていて間違われることが多いオキナワスズメウリの実には毒があります。スズメウリと間違えて食べないように注意しましょう。
オキナワスズメウリの種(20粒)
参考価格: 800円
オキナワスズメウリ(沖縄雀瓜)は、沖縄に自生しているつる性植物です。暑さに強くグリーンカーテンに利用できることと、緑と赤のかわいい実をつけることから、園芸品種としても人気が出ています。ただし、実には毒があるので注意しましょう。スズメウリと名前が似ているため混同されやすいですが、スズメウリがウリ科スズメウリ属なのに対して、オキナワスズメウリはウリ科オキナワスズメウリ属と、植物学上は別種の植物です。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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種数 | 20粒 |
(山野草)カラスウリ(烏瓜)実生苗 2.5~3号(1ポット)
参考価格: 926円
カラスウリ(烏瓜)はウリ科カラスウリ属のつる性多年草で、雌雄異株の植物です。夏に開花する雌花は夜に咲き、花びらの縁が細い糸となって周囲に広がります。その様子はレースをかぶせたようで、とても幻想的です。夜明けにはしぼんでしまうのも、幻想的なイメージを高めているでしょう。開花後につける果実は直径5cm~7cmの卵型です。熟するにつれて緑色~鮮やかなオレンジ色に変わります。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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ポット苗のサイズ | 2.5号~3号 |
スズメウリの種苗の購入方法は?
スズメウリは園芸の世界では雑草扱いされている植物です。このため種苗はほとんど流通していません。自生している野生種、もしくは自家栽培している株から種を採取するのが入手方法の基本です。メルカリなどのフリマサイトで探してみるのもよいでしょう。
植え付け時期 | 4月下旬~6月上旬頃 |
剪定の時期 | 必要なし |
花が咲く時期/開花時期 | 8月~9月頃 |
スズメウリの植え付け時期は4月下旬~6月です。しかし寒さが残る時期では発芽しにくく、植え付け時期が遅れると今後の生育に悪影響を与えます。寒さが戻る可能性がない5月中旬頃が最適でしょう。スズメウリは雑草として扱われているため、種苗がほとんど流通していません。自家栽培した株から翌年用の種を採取するのが入手法の基本となります。
スズメウリはつる性植物なので、鉢植えでも地植えでも支柱やネットなどのつるを絡ませるアイテムが必要です。スズメウリは雌雄同株で1株にたくさんの実をつけますが、小さいため目立たず、あまりうるさい印象を与えません。
スズメウリは林縁や水辺など、やや湿り気のある半日陰の場所で育つ植物です。栽培する場合も半日陰の場所が理想でしょう。鉢植えも地植えも、乾燥し過ぎないように注意します。特に鉢植えは水切れを起こしやすいので、土の状態などを観察しながら管理しましょう。
スズメウリは山野草なので、水はけのよい用土を好みます。水はけがよければ土質は問いません。鉢植えなら草花用の培養土で十分でしょう。地植えの場合は植え付け前に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、水はけをよくします。
つる性植物のスズメウリは成長が早く、生育期はグングンつるを伸ばしていきます。そのぶん水の消費量が上がるので、生育期、特に高温期で乾燥しやすい夏場は水切れに注意しましょう。鉢やプランター栽培の場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水がしみ出すくらいたっぷりと与えます。地植えの場合は、根付いた後は水やり不要です。ただし夏場は乾燥がひどいので、土の状態をみて水やりしましょう。
山野草であるスズメウリは生命力が強いので、肥料はそれほど必要ありません。元肥として緩効性肥料を植え付け時に、その後は生育期間中に月に1回のペースで緩効性肥料を置き肥しましょう。肥料は窒素分が多いと葉やつるばかりが成長してしまい、花や実がつきにくくなってしまいます。花や実のつきがよくないときは、窒素分の多い肥料は控えましょう。
スズメウリの栽培で、特に注意すべき病気や害虫はありません。しかし油断は禁物です。普段からこまめに株や用土の様子を観察し、異常を発見したら早急に対応しましょう。
スズメウリは雌雄同株の植物なので、開花後にたくさんの実をつけます。種を採取したい場合、スズメウリの実は直径1cm~2cmと非常に小さいので、見落とさないように注意しましょう。
スズメウリの植え付けは、栽培した株から採取した種をまくのが基本です。発芽するまで安定した環境で管理するために、育苗ポットに種をまきましょう。発芽したら根鉢を崩さないようにして、鉢や地面に植え替えます。
スズメウリは一年草なので、植え替える必要はありません。
スズメウリはつる性植物なので、剪定の必要はありません。
一年草であるスズメウリの増やし方は種まきが一般的です。植え付け時と同じ要領で管理します。発芽してしっかり根付くまで、水切れしないように管理しましょう。
出典:写真AC