イワタバコは、ジメジメと湿った岩場や崖に多く生息している多年草の植物です。北日本を除く日本各地に多く分布しており、高温多湿になりやすい日本の環境に適しているため、初心者にも栽培しやすい植物です。
園芸部類 | 山野草、草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 5~20cm |
花の色 | ピンク、白、紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 日陰でも栽培可能、落葉性がある |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
イワタバコは、6~8月頃に星の形に似た花を咲かせます。冬には枯れてしまいますが、多年草なので春頃に再び成長をはじめます。葉は胃の調子を整えたり、食欲の増進に効果的といわれており、苦みがありますが天ぷらなどで食用可能です。
ヒメイワタバコは小型のイワタバコで、主に紀伊半島で自生しています。株の大きさは一般的なイワタバコの半分ほどで、やや栽培が難しいといわれている品種です。
ケイワタバコは中部~近畿地方に分布している、花や葉が毛で覆われているイワタバコです。早咲きタイプのものが人気で、ヒメイワタバコに比べると育てやすい品種です。
植え付け時期 | 2~3月 |
肥料の時期 | 3~6月 |
葉挿しの時期 | 6月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月頃 |
イワタバコの植え付けは、2~3月の間に行います。この時期は休眠期にあたるため、手入れがしやすく春先に向けて新芽が出てくるタイミングでもあるからです。夏の暑さが苦手なので、夏はできるだけ日陰から動かさないで栽培しましょう。
イワタバコはプランターや鉢で栽培できます。この場合は、土の上や芝の上に鉢を置きましょう。人工芝を取り入れるのもおすすめです。コンクリートの上に直接置くと、熱がこもりやすくなり根が傷むので避けてください。
地植えの場合は、ジメジメしていて常に湿り気がある場所を選んで栽培管理をしてください。ウェットウォールを作るのもよいでしょう。また、風通しがよいと乾燥してしまいます。イワタバコは乾燥が苦手なので、風通しが悪いくらいがちょうどよいでしょう。
イワタバコは屋外の日陰で栽培します。日にあたると葉焼けを起こす可能性があるので、注意してください。また、空中の湿度が高くジメジメしている環境を好みます。乾燥に気をつけて、日陰で管理しましょう。
イワタバコを栽培する用土は、市販されている野草用の用土が便利です。自分で土を配合する場合は、小粒の赤玉土と鹿沼土と軽石を3:2:2で混ぜて、山ゴケを3割ほど加えてください。水はけがよすぎる場合は軽石を減らして調整しましょう。イワタバコは盆栽でも栽培できます。盆栽として楽しむ場合は、ケト土を使うとよいですよ。
イワタバコは乾燥が苦手なので、常に土壌が湿っている状態が好ましいです。土の表面が乾燥してきたら、忘れずに水やりをしましょう。夏場は1日2回、朝と夕の涼しい時間帯に水やりをしてください。水を張ったバケツなどに鉢ごとつけるのも効果的です。
肥料は、緩効性化成肥料を元肥として植え付けの時に施します。量は5号サイズの鉢に対してひと掴み程度がよいです。追肥はなくても大丈夫ですが、生育状態に不安があるときは液体または緩効性化成肥料を施してください。液体肥料を使う場合は、2000倍に薄めて使います。夏場は3000倍に薄めて使いましょう。
イワタバコは害虫がつきにくい植物ですが、ナメクジの被害に遭うことがあります。ナメクジは放っておくと葉や花を食べつくしてしまうので、発見次第、退治しましょう。
イワタバコは病気に強いですが、枯れた花や葉をそのままにしておくとカビが生える原因になります。また、株が混みあっていても、カビが生える可能性があります。枯れた花や葉は早めに取り除きましょう。カビが生えてしまった場合は、2000倍に薄めた薬剤を散布してください。
開花後は、こまめに花がらを摘み取ってください。花がらが落ちるとカビがはえる可能性があるためです。花がすべて咲き終わる頃には、花茎も切り取って冬の休眠に備えましょう。
イワタバコは、開花後の花から採種できます。黒く熟した種を4月頃に、日陰に植えてみましょう。乾燥に気をつけて管理してくださいね。
イワタバコの苗は、葉が2~3枚出ていて、しっかりした緑色のものを選びます。すぐに花を楽しみたい場合は、花芽がでているものを選ぶとよいですよ。
イワタバコを鉢植えで育てている場合は、1年に1回植え替えをしてください。時期は2~3月が適期です。植え付けた時と同じ用土に植え替えたら、乾燥に気をつけて管理をしましょう。
剪定は必要ありませんが、冬が近づくと枯れはじめます。枯れた部分は、切り取ってください。
イワタバコは、12~2月頃までは休眠期に入ります。葉が落ちて枯れてしまいますが、根は再び成長するので抜き取らないように大切に育ててください。地植えは水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。
株分けによる増やし方は、2~3月の間に植え替えのときに行うのがおすすめです。株が十分大きく成長していることを確認して行いましょう。茎元をていねいに切り分けて防腐剤を塗ったら、栽培用の土に植えてください。
葉挿しは6月頃に行います。十分に成長した葉を切り取ったら、土に挿してみましょう。乾燥しないように気をつけて、根が出るのを待ってくださいね。
葉挿しの手順
ウェットウォールとは、常に水気がある人工的に作られた壁のことをいいます。ロックガーデンの定番です。