ミモザの育て方!枯れる原因と花を咲かせる管理のポイントを解説 | 植物図鑑

学名Acacia baileyana
和名銀葉アカシア(ギンヨウアカシア)
別名ミモザアカシア
英名mimosa
科・属名マメ科・アカシア属
原産地オーストラリア
花言葉優雅、感謝、友情、堅実、豊かな感受性

ミモザの概要

Photo by coloredby

ミモザとは、マメ科アカシア属の植物の俗称です。本来「ミモザ(mimosa)」というのはオジギソウの学名ですが、アカシアの葉や花の形がオジギソウに似ていることから誤用されました。今では、ミモザというと一般的にはギンヨウアカシアを指します。ミモザの花粉にはアレルギー症状を引き起こす可能性があり、シンボルツリーにするときは注意が必要です。

基本情報

園芸部類 庭木・花木
形態 高木
樹高・草丈 3m~10m
花の色 黄色
耐寒性 普通
耐暑性 強い
特性、用途 常緑性
栽培難易度 ★★★☆☆

特徴

ミモザは、春先に黄金色の房状の花を咲かせる半落葉~常緑の高木です。銀色がかった葉と花とのコントラストが美しく、切り花やフラワーアレンジメントにもよく使われます。ミモザはやせた土でも成長できる樹木ですが、若木のうちは枝が折れやすく、根付くまでの管理がやや難しいため中級者向きです。しかし、しっかりと根付かせられればよく成長しますよ。

ミモザの代表品種・種類

①ギンヨウアカシア

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日本国内でミモザといえば、一般的にギンヨウアカシアをさします。ギンヨウという名のとおり、銀色の葉が特徴です。ミモザの中でも比較的寒さに強いほうなので、管理しやすいです。

②プルプレア

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プルプレアはギンヨウアカシアの一種で、枝元の若葉が赤紫色になる品種です。通常のギンヨウアカシアよりも花つきが少なく、大きさも小型です。葉だけでも観賞価値が高く、葉色の変化でも季節感を楽しめます。

③ブルーブッシュ

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ミモザの中でも大型なブルーブッシュは、シンボルツリーとして親しまれている品種です。大きなものは、5m以上の高木に育ちます。葉の面積が大きいため、花後の姿も存在感があります。

④パールアカシア

パールアカシアはほかの品種とは異なり、ユーカリのような丸型の葉がつきます。葉には小さなうぶ毛がはえていて、その質感が真珠のようになめらかなので、パールアカシアという名がつけらました。別名は「シンジュバアカシア」です。

⑤スペクタビリス

スペクタビリスは、大ぶりの花が美しい品種です。花つきがよく、花からは甘い香りがします。樹形がしなやかで、こぼれるように花をつける姿が人気です。

ミモザの育て方①時期

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 4月~9月
植え替え時期 4月~9月
剪定の時期 5月~6月
開花時期 3月~4月
種まきの時期 3月~4月、(とりまきの場合)9月~10月

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
剪定
開花時期
肥料
種まき

栽培適期は?

ミモザは、暑さが落ち着いた秋ごろの植え付けがおすすめです。ミモザは若木のうちは幹が細く、強い風に当たると倒れたり枝が折れたりしてしまいます。台風や強風が発生しにくい秋ごろに植え付けをすると、しっかり根付いてから開花期を迎えられます。

ミモザの育て方②栽培環境

Photo byHans

栽培方法

ミモザは鉢植え、地植えのどちらでも栽培可能です。しかしミモザは風が強い場所だと倒れてしまう可能性があります。そのため、室内に移動できる鉢植えの方がおすすめです。地植えの場合は、強風対策としてしっかりした支柱を使うなどして工夫してください。

育てる場所

ミモザは、日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。基本的には、玄関やベランダなどで問題ありません。日当たりのよい場所で管理すると、花つきがよくなります。関東以西の地域では、屋外でも冬越しができます。しかし寒さに弱い品種や寒冷地では、冬の間は室内に移動させるとよいでしょう。

用土

ミモザはやせた土でも育つので、用土はこだわらなくてもOKです。ただし、根腐れを防ぐために水はけのよい用土で栽培してください。根腐れで根が傷ついてしまうと、栄養が吸収できずに枯れてしまいます。

ミモザの育て方③管理のポイント

Photo by coniferconifer

水やり

地植えの場合は、植え付けて1年未満の若木は用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。1年以上経って根付いているものは、降雨だけで十分です。ただし、夏に雨が降らない日が続いて乾燥しているようなら水を与えましょう。鉢植えは、用土の表面が乾いてから水やりをします。冬は成長が止まるので、根腐れをしないように乾燥気味に管理します。

肥料

ミモザはやせた土でも成長できるので、ほとんどの場合肥料は必要ありません。花つきが悪いと感じたら、花後に速効性の化成肥料をごく少量施しましょう。

害虫対策

ミモザは、カイガラムシがつきやすい植物です。特に、日当たりや風通しが悪い場所では害虫が発生しやすくなります。風通しを確保するために、花後に剪定をしましょう。もしカイガラムシが発生したら、専用の薬剤を散布するか、こすり落とすなどして対処しましょう。

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病気対策

問題になる病気はありません。ただし、風通しが悪い場所で管理するとうどんこ病を発生することがあります。うどんこ病は、湿度の高い時期や剪定ができていない葉に特に発生しやすいです。対策として、風通しに気を付けて管理しましょう。

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花後の管理

花つきが悪くなってきたと感じたら、花後に少量の肥料を施します。開花後の4月~5月頃は、花を咲かせるためにエネルギーを使い果たし、栄養が不足している状態です。この時期に肥料を施すことで養分がたくわえられ、翌年の花つきがよくなります。

ミモザの育て方④詳しい栽培方法

Photo by kanonn

種まき

ミモザの種まきの適期は、春の3月~4月です。しかしミモザの種は乾燥すると発芽しにくくなるので、サヤからとった種をとりまく場合は、9月~10月ごろの採取後すぐにまいても問題ありません。採取した種を春まで保管する場合は、湿らせた砂と一緒に密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管するとよいでしょう。

苗の選び方

ミモザは、若木のうちは幹が細く折れやすいです。しっかりと安定させるために、できるだけ幹が太くしっかりしたものを選びます。枝が細かったり少なかったりするものは、すぐに枯れてしまう可能性があります。枝の付きがよいものを選びましょう。

植え替え

鉢植えで栽培している場合、鉢底から根が見えるくらい根がいっぱいになってきたら一回り大きい鉢へ植え替えをします。あまり大きな鉢へ植え替えすると、花つきが悪くなることがあるので注意しましょう。植え替えの適期は、4月~9月です。このとき根が傷つくと、枯れる原因になります。植え替えのときは根を傷つけないように、根の周りの土はほぐさないでそのまま植え替えましょう。

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支柱

若木のうちは幹が細く弱いので、苗を植え付けたら支柱や添え木をします。強い風が当たらないように管理し、鉢植えの場合は深い鉢を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。

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剪定

剪定は、花後の5月~7月までに行ってください。風通しを確保するために、伸びすぎてしまった枝や混みあっている部分を剪定します。ミモザの花芽は夏以降に出てくるので、剪定の時期が遅れると翌年に花が咲かない可能性があります。

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夏越し

ミモザは暑さに強く、対策をしなくても夏越しできます。

冬越し

関東より西の地域では、屋外でも冬越しできます。ただし、寒さに弱い品種や寒冷地では屋内に移動させましょう。ミモザは-5℃以下になると枯れてしまうので、寒冷地での地植えは避けたほうがよいです。

増やし方

ミモザの増やし方は、種まきです。種まきの適期は春ですが、花後に採取した種は秋にまいてもOKです。発芽温度は15℃~25℃で、種まきの前にあらかじめ70℃くらいの熱湯に浸しておくと、発芽しやすくなります。その後用土に種をまいて、霧吹きなどで水やりをしてください。

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