ミモザとは、マメ科アカシア属の植物の俗称です。本来「ミモザ(mimosa)」というのはオジギソウの学名ですが、アカシアの葉や花の形がオジギソウに似ていることから誤用されました。今では、ミモザというと一般的にはギンヨウアカシアを指します。ミモザの花粉にはアレルギー症状を引き起こす可能性があり、シンボルツリーにするときは注意が必要です。
園芸部類 | 庭木・花木 |
形態 | 高木 |
樹高・草丈 | 3m~10m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性、用途 | 常緑性 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ミモザは、春先に黄金色の房状の花を咲かせる半落葉~常緑の高木です。銀色がかった葉と花とのコントラストが美しく、切り花やフラワーアレンジメントにもよく使われます。ミモザはやせた土でも成長できる樹木ですが、若木のうちは枝が折れやすく、根付くまでの管理がやや難しいため中級者向きです。しかし、しっかりと根付かせられればよく成長しますよ。
日本国内でミモザといえば、一般的にギンヨウアカシアをさします。ギンヨウという名のとおり、銀色の葉が特徴です。ミモザの中でも比較的寒さに強いほうなので、管理しやすいです。
プルプレアはギンヨウアカシアの一種で、枝元の若葉が赤紫色になる品種です。通常のギンヨウアカシアよりも花つきが少なく、大きさも小型です。葉だけでも観賞価値が高く、葉色の変化でも季節感を楽しめます。
ミモザの中でも大型なブルーブッシュは、シンボルツリーとして親しまれている品種です。大きなものは、5m以上の高木に育ちます。葉の面積が大きいため、花後の姿も存在感があります。
パールアカシアはほかの品種とは異なり、ユーカリのような丸型の葉がつきます。葉には小さなうぶ毛がはえていて、その質感が真珠のようになめらかなので、パールアカシアという名がつけらました。別名は「シンジュバアカシア」です。
スペクタビリスは、大ぶりの花が美しい品種です。花つきがよく、花からは甘い香りがします。樹形がしなやかで、こぼれるように花をつける姿が人気です。
植え付け時期 | 4月~9月 |
植え替え時期 | 4月~9月 |
剪定の時期 | 5月~6月 |
開花時期 | 3月~4月 |
種まきの時期 | 3月~4月、(とりまきの場合)9月~10月 |
ミモザは、暑さが落ち着いた秋ごろの植え付けがおすすめです。ミモザは若木のうちは幹が細く、強い風に当たると倒れたり枝が折れたりしてしまいます。台風や強風が発生しにくい秋ごろに植え付けをすると、しっかり根付いてから開花期を迎えられます。
ミモザは鉢植え、地植えのどちらでも栽培可能です。しかしミモザは風が強い場所だと倒れてしまう可能性があります。そのため、室内に移動できる鉢植えの方がおすすめです。地植えの場合は、強風対策としてしっかりした支柱を使うなどして工夫してください。
ミモザは、日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。基本的には、玄関やベランダなどで問題ありません。日当たりのよい場所で管理すると、花つきがよくなります。関東以西の地域では、屋外でも冬越しができます。しかし寒さに弱い品種や寒冷地では、冬の間は室内に移動させるとよいでしょう。
ミモザはやせた土でも育つので、用土はこだわらなくてもOKです。ただし、根腐れを防ぐために水はけのよい用土で栽培してください。根腐れで根が傷ついてしまうと、栄養が吸収できずに枯れてしまいます。
地植えの場合は、植え付けて1年未満の若木は用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。1年以上経って根付いているものは、降雨だけで十分です。ただし、夏に雨が降らない日が続いて乾燥しているようなら水を与えましょう。鉢植えは、用土の表面が乾いてから水やりをします。冬は成長が止まるので、根腐れをしないように乾燥気味に管理します。
ミモザはやせた土でも成長できるので、ほとんどの場合肥料は必要ありません。花つきが悪いと感じたら、花後に速効性の化成肥料をごく少量施しましょう。
ミモザは、カイガラムシがつきやすい植物です。特に、日当たりや風通しが悪い場所では害虫が発生しやすくなります。風通しを確保するために、花後に剪定をしましょう。もしカイガラムシが発生したら、専用の薬剤を散布するか、こすり落とすなどして対処しましょう。
問題になる病気はありません。ただし、風通しが悪い場所で管理するとうどんこ病を発生することがあります。うどんこ病は、湿度の高い時期や剪定ができていない葉に特に発生しやすいです。対策として、風通しに気を付けて管理しましょう。
花つきが悪くなってきたと感じたら、花後に少量の肥料を施します。開花後の4月~5月頃は、花を咲かせるためにエネルギーを使い果たし、栄養が不足している状態です。この時期に肥料を施すことで養分がたくわえられ、翌年の花つきがよくなります。
ミモザの種まきの適期は、春の3月~4月です。しかしミモザの種は乾燥すると発芽しにくくなるので、サヤからとった種をとりまく場合は、9月~10月ごろの採取後すぐにまいても問題ありません。採取した種を春まで保管する場合は、湿らせた砂と一緒に密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管するとよいでしょう。
ミモザは、若木のうちは幹が細く折れやすいです。しっかりと安定させるために、できるだけ幹が太くしっかりしたものを選びます。枝が細かったり少なかったりするものは、すぐに枯れてしまう可能性があります。枝の付きがよいものを選びましょう。
鉢植えで栽培している場合、鉢底から根が見えるくらい根がいっぱいになってきたら一回り大きい鉢へ植え替えをします。あまり大きな鉢へ植え替えすると、花つきが悪くなることがあるので注意しましょう。植え替えの適期は、4月~9月です。このとき根が傷つくと、枯れる原因になります。植え替えのときは根を傷つけないように、根の周りの土はほぐさないでそのまま植え替えましょう。
若木のうちは幹が細く弱いので、苗を植え付けたら支柱や添え木をします。強い風が当たらないように管理し、鉢植えの場合は深い鉢を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。
剪定は、花後の5月~7月までに行ってください。風通しを確保するために、伸びすぎてしまった枝や混みあっている部分を剪定します。ミモザの花芽は夏以降に出てくるので、剪定の時期が遅れると翌年に花が咲かない可能性があります。
ミモザは暑さに強く、対策をしなくても夏越しできます。
関東より西の地域では、屋外でも冬越しできます。ただし、寒さに弱い品種や寒冷地では屋内に移動させましょう。ミモザは-5℃以下になると枯れてしまうので、寒冷地での地植えは避けたほうがよいです。
ミモザの増やし方は、種まきです。種まきの適期は春ですが、花後に採取した種は秋にまいてもOKです。発芽温度は15℃~25℃で、種まきの前にあらかじめ70℃くらいの熱湯に浸しておくと、発芽しやすくなります。その後用土に種をまいて、霧吹きなどで水やりをしてください。