ミモザの育て方!鉢植えから庭木への植え替えの方法や剪定の仕方をご紹介!

ミモザの育て方!鉢植えから庭木への植え替えの方法や剪定の仕方をご紹介!

春の訪れを告げる花として人気のミモザは、南半球原産の植物です。比較的環境になじみやすく、育て方も難しくないといわれています。ミモザと同じアカシア属の種類や特徴、種まきの仕方から植え替えの注意点を紹介します。剪定のコツ等の基本的な育て方もチェックしましょう。

記事の目次

  1. 1.ミモザとは
  2. 2.ミモザの育て方①基本の育て方
  3. 3.ミモザの育て方②鉢植えから庭木への植え替え
  4. 4.ミモザの育て方③定植後のお手入れ
  5. 5.まとめ

ミモザとは

出典:写真AC

花が少ない冬の季節を終えるころ、たわわに咲くミモザの花に心奪われたことはありませんか。遠く離れた南半球原産ですが、日本の気候に順応し丈夫で育てやすい性質から街路樹としても利用されています。特徴を理解し適した環境で育てれば、比較的手がかからない樹木です。育て方と併せてご紹介します。

基本情報

分類 マメ科・アカシア属
原産国 オーストラリア(タスマニア)
形態 常緑小高木
耐寒性 普通
樹高 4~5m
花期 2~3月

ミモザは1cm程の黄色くふわふわとした小花を枝いっぱいに咲かせ、春の到来を告げる樹木として親しまれています。ヨーロッパでは「ミモザ」と呼ばれていますが、和名では「房アカシア」と言います。アカシアの仲間は南半球を中心に600種以上も存在しており、白花や四季咲きなど特徴もさまざまです。日本では「銀葉アカシア」「房アカシア」「三角葉アカシア」が多くみられます。

特徴

ミモザは花を房状につけるため「房アカシア」と呼ばれており、見た目の華やかさだけでなく優しい香りも魅力的な品種です。「銀葉アカシア」や「三角葉アカシア」の香りは控えめですが、シルバーがかった葉色や個性的なギザギザの三角葉を四季を通して楽しめます。枝張りが旺盛でボリューム感が長所ですが、折れやすいため成長に合わせた剪定や支柱たてが必要です。

ミモザの育て方①基本の育て方

出典:写真AC

ミモザを育てるにあたり、まずは基本的な育て方をチェックしていきましょう。

環境

ミモザの耐寒性はやや弱く、日当たり良好の暖地が適しています。関東より以西の地域では戸外の越冬が可能ですが、寒い季節でも冷たい風が当たらず、霜のおりない場所に植えましょう。寒冷地域での越冬は困難なため庭木には不向きです。鉢植えで育てて寒い季節には、軒下に移動します。多湿を嫌い水はけのよい土壌を好みます。浅根性で枝張りが旺盛のため、広いスペースが必要です。

水やり

出典:写真AC

ミモザは乾燥に比較的強く多湿を嫌うため、過度な水やりは不要です。庭木として根付いてからは、ほぼ降雨のみで大丈夫でしょう。鉢植えは水やりが必要です。特に幼苗の時期は水切れしやすいため、土表面の様子に注意します。頻回に少量の水を与えるのではなく、土の表面が乾いてから鉢底から水が染み出てくるまで根元にたっぷり水をあげましょう。

肥料

マメ科の植物には、空気中の窒素を栄養源として貯蓄できる「根粒菌」という土壌微生物が根元に住み着いており、肥料いらずといわれています。そのため、ミモザなどのマメ科に属しているアカシア類も、普通の土質の庭に根付いていれば肥料は不要です。苗木の頃や葉色が悪く生育が遅いときには、花期を終えた5~6月に緩効性の化成肥料を株周りの土に混ぜておきます。肥料過多は害虫のつく原因になるため、過度に与えすぎないようにしましょう。

増やし方

出典:写真AC

ミモザなどのアカシア類は、挿し木には不向きですが種まきで増やせます。花が咲き終えたあとに豆果ができます。鞘が茶色くなったら、種子を採取し冷暗所で保管しておきましょう。翌年の4~5月が種まきに適した時期です。

種まきの仕方

  1. 保管しておいた種子を布袋に入れ熱湯に5分浸します
  2. 30分ほど常温で冷ました後にポット容器に点蒔きします
  3. 発芽までは土が乾かないよう水やりを行いましょう
1~3週間で発芽します。ポット容器で発芽させ、幼苗のうちに大きな鉢や庭へ定植しましょう。開花までは2~3年かかります。

ミモザの育て方②鉢植えから庭木への植え替え

出典:写真AC

鉢の中で育ったら、広い場所に植え替えしましょう。ここでは、ミモザに適した植え替えについて解説します。

植え替えに適した時期

ミモザの植え替えは、花期を終えた4~6月の暖かい季節に行います。寒さをやや苦手とするため、寒い季節に向けての植え替えは避けましょう。大苗になると根が張り過ぎてしまい、移植が難しくなります。幼苗のうちに植え替えを済ませましょう。

植え替えに適した場所

移植を嫌う性質

大きく成長したミモザは移植を嫌い根付きにくいといわれています。根や枝が張ることを考慮して、あらかじめ広いスペースを確保します。特徴に適した定植場所をよく検討し、移植後は移動の必要がないようにしましょう。

寒さと風対策

根が浅く、強風で倒木しやすいため、風当りの強い場所は避けるか風よけで保護します。風が当たる場所や霜がおりる場所も避けましょう。東から南向きの日当たりのよい場所が適しています。

水はけのよい場所を好む

多湿を苦手とし、水はけのよい土壌を好みます。植え付け場所が水はけの悪い土質の場合は、周辺の土を掘り起こし、腐葉土と赤玉土を混ぜ込むことで排水性が高められます。

植え替えの仕方

ミモザの植え替えの手順

  1. 植え付ける場所に根鉢の2倍程度の大きさの穴を掘っておきます。水はけの悪い土質の場合は、周囲を掘り起こし培養土と赤玉土(4:6の割合)を混ぜあわせておきましょう
  2. 鉢の周りを軽くたたきながら根鉢を鉢から取り出します
  3. 根鉢は崩さないまま掘っておいた穴に植え付けます

注意点

  • ミモザは根を傷つけると根付きにくくなります。根鉢は崩さず丁寧に取り扱いましょう
  • 移植後の水切れは根付きを悪くします。土の表面をよく観察し乾いていたらたっぷり水をあげましょう
  • 樹冠の広がりに対し根が浅く強風で倒れやすいです。枝張りの成長が早いため植え付けの際に幹に支柱を添え、成長に合わせて支柱の形状を変えましょう

ミモザの育て方③定植後のお手入れ

Photo byCarlottaSilvestrini

ミモザの植え替えが成功したら、選定作業を行いましょう。ここでは、選定についてチェックしていきます。

剪定

剪定のメリット

ミモザは枝が広範囲に張り出すと風で倒木しやすくなり、そのまま枯れてしまうことがあります。枝は細く剪定は容易なため、樹形を整えておき倒木や枝折れを予防しましょう。込み合った枝の間引きは害虫予防や風通しをよくするために重要です。

剪定に適した時期

花が咲き終えた4~5月が剪定に適した時期です。夏から秋にかけて来年の花芽の分化が始まるため、その前に剪定は終えておきましょう。

剪定の仕方

剪定位置は枝の分岐点から4~5cm上で切ります。切り戻した脇から新梢が出てきますが、1年目の新しい枝には花芽がつかず3年目の枝に開花するのです。来年も美しいミモザの花を楽しむには1~2年目の細い小枝は残し、今年度開花した古い枝を切り戻します。古い枝がわかりにくい場合は、花がらがついた状態で剪定を始めるとわかりやすいでしょう。

病害虫対策

ミモザなどのアカシア類は丈夫で病気や害虫に強いといわれていますが、アブラムシやカイガラムシ、テッポウムシなどが発生することがあります。害虫がついた場合は、それぞれに合った駆除や薬剤散布を行います。

アブラムシ

体長1.5~3mmほどの小さな虫で、新芽や葉裏につきやすいです。目視できるサイズで、少量の場合は手や粘着テープでの駆除が可能ですが、広範囲に発生した場合は薬剤散布が有効です。

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カイガラムシ

体調1~3mmほどの小さな虫で葉や枝につきやすいです。成虫は貝殻のような白や茶色の殻を被っており、薬剤に強いため専用の薬剤を散布します。広範囲でなければブラシ等でこそぎ落とすことも可能です。

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テッポウムシ

カミキリムシの幼虫をテッポウムシと呼びます。成虫が幹の中に産卵し、幹内で孵化した幼虫が幹を食い荒らします。根元におが屑状の虫糞が溜まっていたら、幹の内部にテッポウムシがいる可能性が高いです。幹にできた穴から内部に向けて薬剤を噴霧し駆除します。また、予防用に幹に塗布する樹脂フィルムも販売されています。

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まとめ

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ミモザは剪定や支柱たてなど年に数回の手入れは必要です。しかし、適した環境で育て方を間違えなければ、日常的な手入れが少なく病気にも強い手のかからない樹木です。春先の開花時期だけでなく、年間を通して美しい樹形が楽しめるミモザは、お洒落な庭を演出してくれるシンボルツリーとなるでしょう。

tajima naoko
ライター

tajima naoko

生物や生化学が好きで植物、食物、身体のしくみに興味があります。栄養士として病院給食の調理に携わっていましたが、植物への興味が止められず花屋に転職し8年ほど勤めました。その後栄養士職に復帰し、管理栄養士の資格を取得後は高齢者の在宅栄養管理支援に携わってきました。

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