ミモザとは
黄色の小さな花がかわいらしいミモザは、正式名称をフサアカシアといいます。本来「ミモザ」はオジギソウを始めとしたマメ科オジギソウ属の植物の総称ですが、オジギソウとフサアカシアがよく似ていたことから、フサアカシアの花もミモザという俗称で呼ばれるようになりました。日本で「ミモザ」と言う場合は、たいていフサアカシアの花を指しています。
園芸分類 | 庭木、花木 |
形態 | 高木 |
原産地 | オーストラリア |
開花の時期 | 3月から4月 |
花の色 | 黄色 |
暑さ / 寒さ | 強い / 普通 |
優しい香りが人気
ひかえめで優しいミモザの花の香りは、世界中で広く愛されています。クチナシやユリのような艶っぽさも、バラの花のような華やかさもありませんが、春のはじめに花を咲かせるミモザらしい、やわらかく優しい香りです。特にヨーロッパの人々に親しまれているミモザの香りは、たくさんの香水のモチーフにも使われています。奥ゆかしいミモザの香りをまとうと、女性らしさがアップするような心地がしますね。
ミモザの楽しみ方
飾った部屋をパッと明るい印象にしてくれるミモザは、生花やリース、ドライフラワーなどで楽しめます。
生花をそのまま
まずは生花を飾る場合です。ミモザを花瓶に生けるときは、水に浸かる部分の花や葉は取り除きましょう。茎の根元にはさみで切り込みを入れておくと、水を吸いやすくて長持ちします。乾燥が苦手なので、水はたっぷりめに入れてあげましょう。背の高い花瓶との相性が抜群です。枝を長めに残して生けると、ボリューム感が出て華やかです。グリーン系の植物と一緒に生けても、ナチュラルな雰囲気がとても素敵ですよ。
ドライフラワーにして
茎が丈夫で乾燥しやすいミモザは、ドライフラワーに適しています。ふわふわとした黄色い小花は、ドライフラワーになってもしっかりとした存在感を発揮します。生花からだんだん退色してドライフラワーになっていく様子も、見る人を楽しませてくれますよ。
リースにして
ミモザの小ぶりの花とくっきりとした黄色は、リースにしてもよく映えます。ミモザだけで贅沢に、他の植物と組み合わせて賑やかにと、アレンジによって印象もさまざまです。雑貨店やインターネット通販なら完成品を購入できますし、この後ご紹介するように、自分で作るのもおすすめです。
ミモザのドライフラワーの作り方
ミモザをドライフラワーにする方法を見ていきましょう。ミモザを壁や天井に吊るしておくと、部屋が一気におしゃれな雰囲気になりますね。
逆さに吊るして乾かすだけ
ミモザをドライフラワーにするのはとっても簡単です。風通しがよくて湿気が少ない場所に、逆さに吊るして乾かしましょう。2週間ほど放置すれば、ドライフラワーの完成です。ほろほろと崩れやすいので、丁寧に取り扱ってくださいね。
綺麗なドライフラワーにするポイント
ミモザのドライフラワーを綺麗な状態で仕上げるためのポイントは、「新鮮なうちに乾燥させる」ことです。花瓶に飾って楽しんでから…と思いがちですが、購入したらすぐドライフラワーにする作業を施した方が、色も形も美しい仕上がりになりますよ。
ミモザのリースの作り方
ビーズのようなころころとした形の花がかわいらしいミモザは、リースにして飾るのがとても人気です。ミモザだけで作っても素敵ですし、他の植物と組み合せればアレンジ次第でいろいろなリースが楽しめます。ドライフラワーになったミモザは生花よりも少しくすみのある黄色で、お部屋をシックな雰囲気に彩ってくれますよ。材料も100円ショップや雑貨店で揃えられますし、手順も簡単ですので、ぜひ挑戦してみましょう。
リースの作り方(基本編)
まずはミモザの花だけをふんだんに使った、贅沢なリースの作り方です。
必要な材料
・ミモザ(生花、5本から8本ほど) |
・麻ひも(リースの直径の4倍程度の長さを用意) |
・リースの土台(直径20センチくらいのもの) |
・花ばさみ |
土台の大きさや花のつき方によって、必要な花の量は変動します。お好きなボリュームで作ってくださいね。花ばさみやリースの土台は100円ショップや雑貨店、花屋さんでも入手できますよ。
作り方の手順
まず、ミモザの花を切ります。長さは15センチあるといいでしょう。リースの土台が見えなくなるようにミモザの花を配置して、茎の部分を麻ひもで土台にくくりつけます。その手順をくりかえして土台を1周したら完成です。全体のバランスを見て、ボリュームが足りなかったり土台が見えていたりする部分に花を足してくださいね。
ボタニ子
続いて、アレンジリースの作り方をご紹介
アレンジリースの作り方
「ミモザの花だけでは味気ない…」「さらにシックな雰囲気にしたい!」という場合は、グリーンや他のお花を加えたアレンジリースもおすすめです。こちらも基本のリースと同じように、簡単な手順で素敵なリースができますよ。
必要な材料
・ミモザ(生花、5本から7本ほど) |
・デイジー、ポポラスベリーなど(バランスを見て数本ずつ) |
・麻ひも(リースの直径の4倍程度の長さを用意) |
・リースの土台(直径20センチくらいのもの) |
・花ばさみ |
ミモザ以外の植物も使うので、土台はもう少し大きくてもバランスがいいです。花の量や大きさも合わせて、お好きなボリュームで作ってくださいね。ミモザ以外の植物は、ユーカリやプルメリアでもかわいいですよ。
作り方の手順
こちらも手順は簡単です。まず、花材をカットします。花の種類によって、茎を残したり花の部分だけにしたりと、土台にくくりつけやすいように準備してください。お花の用意ができたら、基本のリースと同じように、土台をぐるりと花で埋め、麻ひもでくくりつければ完成です。
リースを上手に作るポイント
麻ひもをぎゅっと巻くこと
ミモザの茎部分を麻ひもで巻くときは、力を入れて土台にしっかりくくりつけましょう。あとからお花を足していけるので、見た目が綺麗に整っていなくても問題ありません。
花はたっぷり使うこと
ドライフラワーになるにつれて全体的に萎んでいくので、作るときにはお花はたっぷり使いましょう。少し多すぎるかな?と思うくらいで大丈夫です。リースの土台の3倍くらいの大きさを目安とするといいでしょう。
リースを飾るときのポイント
素敵なリースが完成したら、すぐに飾りたいと思いますよね。けれど飾る前にほんのひと手間を加えるだけで、リースの持ちがぐっとよくなります。そのポイントは、1週間ほど平置きすることです。生花には水分が含まれているので、作ってすぐに飾ると重力で下に引っ張られて形が崩れてしまうのです。花から完全に水分が抜けるまで、しばらく風通しのよい場所に平置きするのがおすすめですよ。
3月8日は「ミモザの日」
ところでイタリアでは、「FESTA DELLA DONNA」と呼ばれる日があるのをご存知ですか?「女性の日」と訳されるこの日は毎年3月8日で、男性が女性にミモザの花を贈る風習があります。恋人や奥さんだけでなく、お母さんやおばあちゃん、近所に住んでいるお姉さんなども対象です。この時期になるとイタリアの街はミモザの黄色一色に染まり、花売りがミモザを売る光景も見られるそうです。日本ではあまり有名なイベントではありませんが、日ごろの感謝を込めて、身近な女性にミモザをプレゼントするのも素敵ですね。
まとめ
ぽんぽんと丸い形がかわいらしいミモザの花は、生花として飾るのはもちろん、リースにして部屋の壁にかけてもとても素敵です。作り方も簡単で、材料も一般的な雑貨店で集められるものばかりですので、ぜひオリジナルのミモザリース作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。春らしいやわらかな色合いで、お部屋の印象を一気におしゃれなものにしてくれますよ。
出典:写真AC