ダイヤモンドリリーは、10月〜12月にかけて、鮮やかなピンク色やオレンジ色の花を咲かせる球根植物です。花が少なくなる季節に、花壇に彩りを添えてくれる植物としても親しまれています。
園芸部類 | 球根植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 30cm〜40cm |
花の色 | 白、赤、ピンク、オレンジ、紫、複色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、落葉性 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ダイヤモンドリリーは花弁に光沢があり、名前のとおりダイヤモンドのような咲き姿を楽しめます。日光が当たるとキラキラと輝いてみえるのが魅力で、花壇の寄せ植えだけでなく、切り花としても人気の植物です。夏が近づくと葉が黄色く変色し、地上部が枯れた状態で夏越しします。
サルニエンシス・ピンクは、優しいピンク色の花を咲かせる品種です。水もちがよく、切り花やフラワーアレンジメントにも利用されています。
ベルジャンは、真っ赤な花を咲かせるダイヤモンドリリーの品種です。花弁の先端が反りかえっているのが特徴で、ヒガンバナの咲き姿とよく似ています。
植え付け時期 | 8月〜9月 |
植え替え時期 | 6月〜9月 |
分球の時期 | 8月〜9月 |
剪定の時期 | 10月〜1月 |
花が咲く時期/開花時期 | 10月〜12月 |
ダイヤモンドリリーは関東以西に限り、地植えでも鉢植えでも育てられます。耐寒性が弱いため、寒冷地での地植え栽培は難しいといわれています。そのため、寒冷地の場合は鉢植えで管理し、冬が来る前に軒下や室内の寒さをしのげる場所へ移動させてください。関東以西で地植えで冬越しさせる場合は、ビニールやバークチップでマルチングをしておくと安心です。
ダイヤモンドリリーは、日当たりと風通しのよい場所で管理します。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花付きが悪くなります。ジメジメとした湿度の高い場所で管理すると、病害虫被害を受けて枯れやすくなるので、風通しのよい場所を選んでください。
ダイヤモンドリリーは、排水性の高い用土を使用して育てましょう。球根植物のため、多湿の環境で育てると球根が腐って枯れてしまいます。市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土をよく混ぜこんだ用土を使用してください。地植えにする場所の水はけが悪いようならば、川砂を加えてから植え付けましょう。
地植えでダイヤモンドリリーを育てている場合は、降雨のみで十分なため水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききってから水やりをしてください。冬は土が乾きにくく、水を与えすぎると球根が腐って枯れる恐れがあります。冬は水やりを控えめにして、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。
ダイヤモンドリリーは、12月〜2月にかけて1カ月に1回の割合で肥料を与えます。寒肥として「カリ」を多く含んでいる肥料を与えましょう。肥料の与えすぎは肥料やけの原因になるため、規定の分量をしっかりと守ってください。
ナメクジは、梅雨時期などの雨が続く季節に発生しやすい害虫です。ダイヤモンドリリーの葉や茎を食害するため、発見したらすぐに橋などを使って引き剥がして駆除します。ナメクジに塩をかけて駆除するイメージがあるかもしれませんが、塩をかけても小さくなるだけで駆除はできないので注意してください。
白絹病はカビの菌糸が原因で発生する病気です。名前のとおり、感染した部分が白い絹がかかったように変色するのが特徴で、放っておくと悪臭を放つようになります。感染した部分は薬剤を散布しても治せないので、他の部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分してください。
ダイヤモンドリリーは花弁が大きく、次々と開花させるのが特徴です。そのため、花後は花がら摘みをして、新芽の成長を促しましょう。花がらを放置するとカビが発生しやすくなるため、こまめな花がら摘みは病害虫被害を防ぐ役割もあります。
球根の状態で購入する場合は、球根を手に乗せて、ずっしりとした重みのあるものを選ぶのがポイントです。球根全体を確認し、腐敗していたりカビが生えていたりしないかチェックしてください。
ポット苗の状態でダイヤモンドリリーを購入する場合は、葉につやがあり、茎が太くてしっかりとした苗を選んでください。花芽がたくさんついている苗や、葉が黄色く変色していない苗を選ぶのがおすすめです。
10月〜1月にかけてこまめに剪定をしながら育てましょう。多湿が苦手なため、葉が混み合っている部分を剪定し、風通しのよい環境を整えます。
球根植物に分類されるため、ダイヤモンドリリーは挿し木では増やせません。8月〜9月に球根を掘り起こし、親球についている子球を取り外す「分球」という方法で増やしましょう。植え付けに適した時期は8月〜9月のため、分球したらすぐに新しい用土に植え付けても構いません。
出典:写真AC