ネリネとは
ネリネは1本の花茎に彼岸花に似た花を多くつける多年草です。色の種類が豊富で花もちがよいことから、切り花や鉢植えなどで重宝されます。ネリネという名前はギリシャ神話の海に住む水の女神たち「ネーレーイス(ネレウス)」が由来です。球根類で植え方も簡単で一度植えたら数年植え替えずにおくとよく花をつけます。肥料や植え替えもほとんど必要ありません。
ネリネの由来
南アフリカが原産のネリネは17世紀にイギリスへ渡ります。そこで栽培と品種改良が繰り返され、日本に輸入された時期は大正時代末期、1925年です。しかし、死人花、幽霊花、地獄花などと呼ばれ縁起がよくないとされていた彼岸花に似た花をつけることから人気がでず、そのときは広がりませんでした。ネリネとして普及し始めたのは昭和時代初期です。
基本情報
学名 | nerine saniensis |
科属 | ヒガンバナ科ネリネ属(ヒメヒガンバナ属) |
別名 | ダイヤモンドリリー ヒメヒガンバナ |
原産国 | 南アフリカ |
形態 | 多年草 半耐寒性球根類 |
草丈 | 30cm~60cm |
開花時期 | 10月~11月 |
耐寒性 | 弱い |
耐湿性 | 弱い |
耐乾性 | 強い |
花言葉 | また会う日を楽しみに、幸せな思い出、華やか、輝き、箱入り娘、忍耐、無邪気 |
ネリネの特徴
ネリネは球根で育ち、1本の花茎にたくさんの花をつけるのが特徴です。花の色は淡いピンク色、ピンク色、紅色、濃紅色、黄色、白、紫色など多くあり、すじの入ったものもあります。寒さにあまり強くないので管理しやすい鉢植えがおすすめです。開花期間が長いのも特徴で1カ月ほど楽しめます。色が多いので品種名で呼ばれるより色名で呼ばれることが多いです。
花
1本の花茎に直径4cm~5cmの花を5個~12個ほどつけます。花弁は6枚~8枚で反り返り、波打つものもあります。太陽の光を受け、光沢のある花びらがキラキラと光るので「ダイヤモンドリリー」という別名がつきました。花茎は30cm~50cmで日光にしっかり当てて育てると固くなり、複数の花の重みにも耐えられるようになりますし、花の色も鮮やかになります。
葉
葉は線状で花が咲くのとほぼ同時か、咲いたあとに土から芽吹き、下の方で広がります。花が咲いたあとに葉が枯れる種類と、そのまま常緑で残る種類があります。花が終わって梅雨の頃に葉が枯れても心配はいりません。球根は生きていて夏場は休眠期に入るので水分を与えないようにしましょう。そのまま次の秋に花茎がでてくるまで湿度の低い状態にしておきます。
ネリネの育て方
ネリネは球根から育てる植物で植え方は簡単です。乾燥に強く、湿度に弱い特徴があります。秋から冬にかけて花を咲かせる種類が主ですが、耐寒性や耐湿性はあまり強くありません。そのため、水やりのタイミングと量、管理場所に気を付ける必要があります。暖かく、水分や栄養分の少ない土地で育っていた植物なので、冬凍らない場所で乾燥気味に育てるとよいでしょう。
ネリネの育て方①土づくり
球根を植える土は水はけがよいものが好まれます。庭で育てることもできますが長雨に弱いので、加湿から守るためにも移動が可能な鉢植えがおすすめです。土は中性~弱アルカリ性を好みます。草花用培養土が簡単ですが、自分で土を配合するときは赤玉土が7割、川砂などの砂が1割、腐葉土が2割に緩効性化成肥料をまぜたものを使います。肥料は少なくて大丈夫です。
ネリネの育て方②球根の植え方
ネリネの根はあまり深くまで張らないので、植え方は浅植えにします。土から3分の1程度頭が見えるように植えましょう。3号の植木鉢なら球根は1個、5号なら3~4個くらいです。球根は一度植えたら植え替えせずに数年植えたままにしておくと、より花を多く咲かせますし根も傷付きません。植木鉢の底から害虫が入り込まないように鉢底ネットをひくのがおすすめです。
ネリネの育て方③水やり
植え付けたあと最初はたっぷり水やりをします。2~3週間は日陰の涼しい場所で管理し水やりしなくても大丈夫です。肥料もいりません。4週間たち土が完全に乾いたら少しだけ水やりをして発根を促します。乾燥気味をこころがけましょう。花芽が出てきたら晴れた日の午前中に水やりをします。多湿を嫌いますので土が乾いてからが基本ですが1週間に1回くらいです。
続いて、ネリネの肥料や植え替えなどについて説明しますね。
出典:flickr