クリサンセマムはキク科クリサンセマム属の総称ですが、かつてこの属に分類されていた、クリサンセマム・パルドサム(カンシロギク)が、今でもクリサンセマムの名前で親しまれています。ノースポールとも呼ばれている、フランスギク属の白い花です。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 一年草 |
樹高・草丈 | 15cm~30cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 花壇、鉢植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
クリサンセマムの花は、中心の黄色い管状花と花びらのような白い舌状花で構成される一重咲きです。よく似たマーガレットの舌状花よりやや丸みがあります。枝分かれしてボール状に繁り、茎の先端に花が咲きます。フランスギクより草丈が低いのが特徴です。互い違いに付く葉は縁にギザギザがあり、春菊の葉に似ています。
クリサンセマムは冬から初夏にかけて咲く花期の長い植物です。耐寒性があって冬越しは比較的容易ですが、日本の暑さに弱く、ほとんどの地域では夏に枯れてしまうため、越年草または一年草として扱われます。
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クリサンセマム・ノースポールは草丈が低く、直径2~3cmの白い花が咲きます。花を多く付ける種類です。北極を意味するノースポールは品種の商品名でしたが、クリサンセマム・パルドサム全体を指す名前として使われることもあります。
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クリサンセマム・スノーランドもよく流通している種類で、ノースポールより1回り大きな、直径4cmほどの白い花を咲かせます。こちらも草丈は20cm~30cmと低めですが、よく分枝してこんもり繁ります。
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クリサンセマム・ムルチコーレ(学名:Coleostephus multicaulis )は、キク科コレオステフス属の黄色い花です。かつて同じクリサンセマム属に分類されていた縁もあって、クリサンセマム・パルドサムの姉妹品種のように扱われることもあります。生育環境が似ているため、一緒に植えるのに適しています。
種まきの時期 | 9月下旬~10月 |
植え付け時期 | 10月~12月 |
開花時期 | 12月~6月頃 |
クリサンセマムは秋または春に植えつけ可能です。秋に栽培を始めると、暖地や中間地では早ければ12月頃から咲き始めるので、初夏までの長い期間で花を楽しめます。寒冷地では、3月頃に育て始めるのがよいでしょう。
クリサンセマムは、庭植え・鉢植えどちでも栽培できます。草丈が低いので花壇の前列に植えるのに向いています。横に広がって繁るので、間隔は余裕をもたせてください。鉢植えには、幅広の鉢が適しています。寄せ植えには、花期や生育環境の似たビオラやアリッサム、シロタエギクなどを選ぶとよいでしょう。
植え付けには、日当たりと風通しのよい場所が適しています。鉢植えも、日の当たる場所に置きましょう。室内栽培よりは屋外向きで、ベランダや玄関先に出したほうが花の付き具合がよくなります。
クリサンセマムは、水はけのよい土壌を好みます。庭植えは、苦土石灰を一握りまいて耕し、腐葉土を加えてください。鉢植えには、草花用培養土を使うと便利です。または赤玉土と腐葉土、川砂を6:3:1の割合で混ぜ合わせて使いましょう。
鉢植えには、土の表面が乾いたらたっぷり水やりしてください。庭植えは、ほとんど水やりの必要はありません。
植え付け時に、緩効性肥料を与えます。10月~5月頃まで、化成肥料を追肥してください。1~2カ月に1回の置き肥が目安ですが、花が次々に咲く時期は月に1回与えましょう。鉢植えは液肥でもかまいません。液肥は3週間に1回が目安です。
春になると、アブラムシが新芽や蕾に発生しがちです。増えないうちに洗い流すか、害虫駆除剤をスプレーして撃退してください。
クリサンセマムは丈夫な植物ですが、風通しが悪くなるとうどん粉病などを発症することがあります。病気にかからないように、植えるときに株間に余裕をもたせ、開花期には枯れた花がらを摘み取って、風通しをよくしましょう。
花後は、花がらを摘み取ってください。下の葉のところで切り取ると風通しがよくなり、他の花や蕾が元気に咲きます。開花期の終り頃には、花を枯れたままにしておきましょう。種が採れたら、次の年も咲かせられます。
秋の彼岸から10月頃が種まきの適期です。小粒赤玉土か、種まき用土にまき、土はかけずに水やりしてください。乾かさないように管理します。発芽率は6割程度なので、種は多めにまくとよいでしょう。
苗から育て始める場合は、茎がしっかりしていて、葉が多く緑色が濃い苗を選びましょう。か細くてひょろ長い茎は、病害虫や気温の変化への抵抗力が弱いです。
ポット苗から出し、根鉢の底をほぐして植え付けましょう。横に広がって繁るので、苗を複数植えるときは、株間を20cm程度あけてください。一年草なので、一度植え付けたら植え替えは必要ありません。
伸びすぎた茎は、1/2ほどの位置で剪定・摘心するとよいでしょう。脇芽が育ち、形が整います。形や花の数にこだわらないなら、剪定せずに花がらだけ摘み、ナチュラルな風情を楽しむのもよいですね。
クリサンセマムの夏越しは難しく、一年草として扱います。次の年も咲かせるには、種を採取しましょう。
北風の通り道でない日当たりのよい場所であれば、関東以西では特別な対策をしなくても冬越しできます。少しくらいの雪なら問題ありません。種まき後、まだしっかり根付いていない鉢は、軒下に取り込むと安心です。
クリサンセマムの増やし方は、種の採取が簡単です。花が枯れた後そのままにしておくと種ができます。種を採って、種まきの時期にまいてください。こぼれ種が自然に発芽することもあります。見つけたら育苗ポットにあげ、しばらく育ててから花壇や鉢に植え付けるとよいでしょう。
挿し芽(挿し木)で増やせますか?
挿し芽(挿し木)で増やせます。ただし夏越しできないので、春遅くなってからの挿し木は、花が咲きそろわないうちに暑さで枯れる可能性があります。
出典:写真AC