ビオラの花とは?
スミレ科スミレ属に属するビオラは、ヨーロッパで原種が生まれました。誕生以来、園芸用に品種改良が繰り返されています。色、柄、ともに種類が豊富で、花が咲く時期が10月~5月中旬と長いため、長期間美しさを楽しめます。花がなくなる寂しい時期にも、ビオラは花壇や寄せ植えの彩りとして大活躍してくれるでしょう。そんなビオラの育て方や寄せ植えのコツなどを紹介します。
ビオラの育て方①種まき
まずは、ビオラの種まきの方法を見ていきましょう。上手な種まきは、後の育て方にも影響します。しっかり正しい種まきを覚えておきましょう。
種まきの時期
ビオラは苗で購入することの多い花ですが、種から育てることも可能です。ビオラの種は20℃前後で発芽するため、地域によって種まき時期は異なります。日本では大きく寒冷地、温暖地、暖地に分かれます。寒冷地では種まきが可能な時期がやや短めです。
地域ごとの種まき時期
- 寒冷地(北海道、東北、北陸)…7~8月
- 温暖地(関東甲信越、近畿、中国)…8~10月
- 暖地(沖縄、九州、四国)…8月中旬~10月末
近年は日本全体が暑くなりがちです。その年の気温の様子を見て、いつ植えるかを決めるのもコツのひとつです。20℃前後になってきたら、種のまき時です。
ビオラの種のまき方
ゴマの粒よりも小さなビオラの種。その発芽温度は20℃前後です。暑すぎても寒すぎても発芽しにくく、加えて好光性といって太陽の光がないと発芽できません。失敗しない種まきにはどのようなコツが必要なのでしょうか。
種まきする土や容器は?
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種をまくときは、上の写真のようなセルトレーが便利です。発芽して本葉が出たら、ポットというビニールの容器に移し替えます。土は園芸用の土でも十分ですが、パンジー・ビオラ用の土や種まき用の土が失敗がなく便利です。セルトレーもポットも土も、ホームセンターの園芸コーナーで販売されていて入手しやすいです。
種まき手順
まず種をまく容器に土をいれ、充分に水で湿らせておきましょう。次に種を小さな紙の上にそっと置き、水をつけたつまようじなどで土の上に置いていきます。最後にうすく土をかけ、日当たりのよい場所に置きます。水やりは種が流れ落ちてしまわないように、小さな容器でそっと注いであげましょう。
種まきの後の水やり
種まき後は、水やりの仕方にコツがあります。一般的な植物に水やりをするようなやり方では、小さなビオラの種は流れ出てしまいます。霧吹きで水をあげることも可能ですが、それでは土が乾きやすく、頻繁に水やりが必要になることもあるのです。そっと水を注げる容器で水をあげるように工夫しましょう。
ビニールポットへの植え替え
ビオラが発芽して本葉が5枚ほどに育ってきたら、ビニールポットに植え替えます。ビニールポットに土を入れ水で湿らせ、セルトレーから土を崩さないよう取り出しましょう。根をきらないよう注意して植え替えます。植え替え後は日当たりのよい場所に置き、土が乾いたら水やりを行いましょう。
ビオラの育て方②植えつけ
種から育てたり、苗で購入したりしたビオラは、どのような植え方すればよいのでしょうか。地植えにする、プランターやハンギングに植えるなど、それぞれで植え方が少しずつ異なります。それぞれの植え方や手順のポイントを紹介します。
植え方の手順
基本的に、どのような方法で植えるにしも根を切らないように、そっとポットの後ろの穴を押してビオラを出します。もし根がびっしりと張っていたら、1/3くらいを崩すようにして植えこんでいきます。このときもやさしく根を崩してあげてください。こうしてプランターや花壇にビオラを植えていきます。
植え方その①プランターやハンギング
まずプランターの底に2cmほど軽石を敷き、水はけをよくしましょう。ハンギングなら、バスケットや必要な道具の用意をします。土は植物が育ちやすいように調合されている園芸用土で十分です。もし調合するなら、赤玉土5、腐葉土3、パーライトあるいはパーミキュライト2くらいの割合を目安に土を混ぜます。さらに化成肥料を混ぜ込んで、1週間ほど土を寝かせておきましょう。
ハンギングやプランターの植え方のポイント
株元の風通しをよくするように、葉や茎の剪定をマメにするのがポイントです。また、水の管理は重要です。ハンギングは非常に土が乾きやすいため、水やりはたっぷりめにしましょう。鉢植えやプランターは、土が乾いたら株元に水をあげるようにします。
寄せ植えにする場合のコツ
株と株の間は、ある程度あける必要があります。あまり寄せすぎると風通しが悪く、病気になったり害虫がついたりします。15cmほど間をあけ、土をしっかり入れ込んで、苗と土のあいだに隙間ができないよう注意しましょう。株元の葉は少し刈り込み、風通しをよくして、雨が降ったときなどに泥が跳ねつかないようにしておきます。
どんな花を寄せ植えに使う?
寄せ植えを作るときの時期によって、一緒に植える植物が変わります。冬であればビオラとおなじ耐寒性がある葉ボタンやシロタエギク、パンジーなどが相性がよいです。春先であればアリッサムやクリサンセマム、チューリップなどがよいでしょう。ポイントは、その時期に販売されている苗を選ぶことです。
植え方その②地植え
鉢植えやプランターでよく見かけるビオラですが、地植えのビオラも非常にきれいなものです。日当たり・水はけがよい場所に植えるのがおすすめです。土は培養土を入れておけば十分ですが、自作したいときは「黒土6:腐葉土4」ぐらいの割合を目安につくり、肥料を混ぜて1週間ほど置いておきましょう。
地植えの植え方のポイント
ビオラを冬に植えこむと、寒さが厳しくなってきたおり、まるで枯れたようになりますが、春のあたたかさが戻ると再び元気を取り戻します。土が跳ねて病気にならないように、株元は風通しよくすっきりとこまめに剪定しましょう。また、ビオラは草丈が低いため、花壇なら前に植えるのがポイントです。
出典:写真AC