スイートアリッサムの概要
スイートアリッサムは地中海沿岸を原産とする草花です。開花時期には白いかわいい花を株いっぱいにつけ、甘い香りを漂わせます。草丈が低いので、花壇では前面に植えるのがおすすめです。花色は白が一般的ですが、園芸品種には赤やピンク、紫といろんな花色があるので好みで選べます。高温多湿に弱いですが、環境が合えばこぼれ種でも増えるという丈夫な草花です。
スイートアリッサムの基本データ
学名 | Lobularia maritima |
科名 | アブラナ科 |
属名 | ニワナズナ属(ロブラリア属) |
草丈 | 10cm~15cm |
開花時期 | 2月~6月/9月~12月 |
花色 | 白、赤、ピンク、オレンジ、紫 |
アリッサムと呼ばれているけど、アリッサム属の植物とは違うから気をつけてね。
スイートアリッサムの特徴
特徴①寄せ植えにおすすめ
草丈が低く横に這うように広がる性質、さらに他の花と喧嘩しない、控えめな印象を与える小さな花を咲かせることから、寄せ植えによく利用されています。種まきの時期によって、春咲きと秋咲きの2種類に分かれる点も、寄せ植えに向いていると言えるでしょう。春ならパンジーやバラなど、豊富な花色を持つ花と合わせて華やかな寄せ植えにできます。秋なら葉牡丹などを使って、落ち着いた印象にまとめると、シックな雰囲気のある寄せ植えにできるでしょう。
寄せ植えには、いろいろな仕立て方があります。好みの仕立て方で、素敵な寄せ植えにしましょうね。
特徴②本来は多年草
スイートアリッサムは乾燥に強く丈夫な草花ですが、高温多湿な環境に弱く、寒さにも強くありません。そのため本来は多年草ですが、日本では一年草として扱われています。夏越し・冬越しともに難しい植物なので、初めて育てる際は注意しましょう。
ただし近年では品種改良技術の進化によって、暑さに強い品種も誕生しています。
暑さに強い品種は「スーパーアリッサム」と呼ばれているよ。多年草として育てたい人や、初心者にもおすすめな品種だよ。
スイートアリッサムの種類・品種
カーペット・オブ・スノー
スイートアリッサムの品種のなかで、もっともよく植えられている品種です。開花時期になると、白い花を株いっぱいに咲かせます。白い小さな花は他の植物との相性がよいので、花壇の寄せ植えにもよく利用されています。
パステル・カーペット
名前が示すように、パステル調の優しい花色が魅力的な園芸品種です。スイートアリッサムのなかでは比較的耐寒性・耐暑性が強く、開花時期も長いという、とてもありがたい特徴があります。初めてスイートアリッサムを育てる方はもとより、白以外の花色が欲しい方にもおすすめの品種です。
スーパーアリッサム・スノープリンセス
スイートアリッサムを品種改良し、耐暑性を高めた品種・スーパーアリッサムの白花品種です。繁殖力も高いので大株に育ちます。真夏の直射日光に気をつければ、夏越し・冬越しも可能という、とても丈夫な草花です。ただし繁殖力が高いので、花壇の寄せ植えにはあまり向いていません。他の植物を圧倒してしまいます。単独で大株に育てるほうがよいでしょう。
スーパーアリッサム・フロスティーナイト
スーパーアリッサムの園芸品種で、とても珍しい斑入りの葉が特徴です。丈夫な品種ですが、スノープリンセスに比べると生長が緩やかなので、他の植物との寄せ植えもできます。斑入りの葉がよいアクセントになりますよ。
スイートアリッサム(スーパーアリッサム)の園芸品種で斑入りの葉を持つのは、この品種だけなんだよ。
このため「世界初の斑入りのスイートアリッサム(スーパーアリッサム)」とも呼ばれています。
スイートアリッサムの育て方
ここからは、スイートアリッサムの育て方について紹介します。スイートアリッサムは繊細そうな見た目に反して、意外と丈夫な植物です。初心者でもほとんど問題なく育てられるでしょう。しかし、きちんとポイントを抑えることで、より健やかに美しく育てられます。栽培のポイントをしっかり覚えて、自宅でスイートアリッサムを美しく育て上げましょう。
スイートアリッサムの一年間の管理スケジュール
行う作業 | 適期 |
植え付け・植え替え | 2月~3月/10月~11月 |
種まき | 3月~4月/9月~10月 |
肥料 | 2月~3月/9月~11月 |
開花時期 | 2月~6月/9月~12月 |
上記の表は、スイートアリッサムの一年間の管理スケジュールを大まかにまとめたものです。ただし適期に関しては、その年の気候や地域の栽培環境などによって、ズレることもあるので、目安程度に考えましょう。栽培のために行う作業はこの他にも、日当たりや用土などの栽培環境の準備、水やりや剪定、病気や害虫への対策などがあります。それらの作業については、次のページをご覧くださいね。
育て方のポイント①栽培環境
栽培環境①日当たり
スイートアリッサムを育てる場所は、地植えでも鉢植えでも、日当たりのよい場所であることが絶対条件です。日当たりが悪いと株が弱体化してしまい、病気や害虫にも弱くなってしまいます。また、秋に植える際の注意として、地植えの場合は冬でも日当たりがよいだけでなく、霜が降りない場所であることも重要です。スイートアリッサムは耐寒性が低いため、霜に当たると株が傷んでしまいます。
改良種のスーパーアリッサムも、霜に当たると葉が変色してしまいます。冬は軒下などの霜に当たらない場所で管理しましょう。
栽培環境②土・用土
乾燥を好み、多湿を嫌う性質なので、水はけのよい用土がおすすめです。鉢植えの場合は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合で作った用土か、市販の草花用培養土を使いましょう。また、スイートアリッサムは弱酸性の土壌を好みます。地植えの場合は植え付ける2週間前に植穴を掘り、掘り起こした土に苦土石灰を少量混ぜ込んでおきましょう。
出典:写真AC