サギナは、ふわふわとした手触りが楽しめるコケ植物で、かわいらしい白い花を咲かせるのが特徴です。花壇の寄せ植えや鉢植えだけでなく、シンボルツリーの下草やグランドカバーなどに幅広く利用されています。
園芸部類 | 草花、コケ植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm〜20cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | グランドカバー、寄せ植え、鉢植え、観葉植物 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
サギナは、もふもふとした草姿から「モフリッチ」という別名でも流通しています。5月〜8月にかけて、白色の小花を咲かせるのが特徴です。原産地でもあるヨーロッパでは、サギナの葉が金運アップのアイテムとしても親しまれており、財布の中に入れて持ち歩くと幸運が訪れるともいわれています。
植え付け時期 | 3月〜5月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 3月〜5月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 3月〜4月、10月〜11月 |
剪定の時期 | 3月〜11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜8月 |
サギナは、地植えでも鉢植えでも育てられます。しかし、耐暑性が弱く、夏の暑さで枯れてしまう恐れがあるため、初心者は鉢植えにして移動させながら管理しましょう。グランドカバーとして利用する場合は、木やほかの植物の影になるような場所を選ぶか、寒冷紗を利用して30%~50%ほど遮光してください。
サギナは、風通しのよい半日陰で管理しましょう。適度な日当たりは必要ですが、日光に長く当てると葉焼けを起こし枯れる恐れがあります。夏場は日差しをしのげる軒下や、室内に移動させると安心です。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの窓辺など、優しく日光の差し込む置き場所で管理してください。
サギナは排水性の高い用土で育てましょう。市販されている「草花用培養土」や「観葉植物用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と鹿沼土を混ぜ込んだ用土を使用してください。室内で育てる場合は、土の表面に化粧砂を敷き詰めておくと、コバエの発生を予防できます。
サギナを地植えで育てている場合は、降雨のみで十分なため、水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してからたっぷりと水を与えてください。冬は休眠期に入り、水をあまり吸わなくなります。そのため、水やりは控えめに行い、適度に葉水を与えながら管理しましょう。
サギナは肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、株を大きくしたい場合や、成長が滞っているようならば、3月〜4月と10月〜11月に緩効性の液体肥料を施してください。植え付けの用土に、あらかじめ緩効性の化成肥料を施しておいても構いません。室内で育てる場合は、有機肥料ではなく化成肥料を使用すると、肥料独特の臭いが気にならないでしょう。
ハダニは、やや乾燥している環境で発生しやすい害虫です。サギナの成長に必要な栄養分を吸汁するため、サギナが枯れる恐れがあります。発見したら、殺虫剤を散布して早めに駆除してください。ハダニの水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水を行い予防しましょう。
ナメクジは梅雨時期など、湿度の高い時期に発生しやすい害虫です。ナメクジの通ったあとは、白くネバネバとした液体が付着しているのが特徴で、サギナを這うように移動しながら食害します。ナメクジには塩をかけて駆除するイメージがあるかもしれませんが、塩をかけても小さくなるだけで駆除はできないので、箸などを使って引き剥がしてください。
サギナは害虫被害は受けやすいですが、病気には強い植物です。病気対策はとくに必要ありません。
花後は、その都度花がら摘みを行いながら育てましょう。花がらを放置するとカビが発生しやすくなるため、注意が必要です。
サギナをポット苗の状態で購入する場合は、株元や葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を選びましょう。
地植えでサギナを育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために、2年〜3年に1回は植え替えをしてください。根についている古い用土を落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えていきましょう。
サギナは放任で育てると葉が茂り過ぎてしまうため、適度に剪定を行いながら育てます。茎が伸び過ぎている部分や、葉が込み入っている部分を剪定して草姿を整えましょう。
サギナは耐寒性が強く、地植えでも冬越しが可能です。しかし、店頭で購入したばかりの苗は、寒さに対する耐性が備わっていない場合があるため、初めの1年はマルチングをしてから冬越しさせるとよいでしょう。
サギナは3月〜5月か、9月〜10月に株分けで増やします。植え付けや植え替えと同時に行うのがおすすめです。大きく成長している株を選び、根を傷つけないようていねいに掘り起こしていきます。根を手でほぐして簡単に分かれる部分で株分けし、新しい用土に植え付けてください。
出典:写真AC