ストロマンテは緑と白の葉に鮮やかな赤の差し色が入る、南アメリカが原産の多年草です。常緑性のため、季節を問わずいつでも美しい葉を楽しめます。花壇の寄せ植えや鉢植えだけでなく、室内のインテリアグリーンとしても利用されている植物です。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 20cm~150cm |
耐陰性 | あり |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、花壇の寄せ植え、カラーリーフ、観葉植物 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ストロマンテは「裏紅蕉(ウラベニショウ)」という名前でも親しまれている植物です。葉色のコントラストが美しく、花壇や室内に明るい印象を与えてくれます。南アメリカの熱帯地方に、約13種類が自生しており、暑さに強いのが特徴です。春〜初夏にかけて、まれに真っ赤な花を咲かせる場合があります。
ストロマンテは、陽が落ちて暗くなると「睡眠運動」に入ります。睡眠運動は「就眠(しゅうみん)運動」や「昼夜(ちゅうや)運動」とも呼ばれる独特の運動です。明るさや温度の変化によって葉が立ち上がり、内側に葉が丸まるように閉じていきます。
ストロマンテの名前の由来は?
ストロマンテは、ギリシャ語の「stroma(寝椅子)」と「anthos(花)」を掛け合わせてつけられた名前です。赤い苞に包まれた花序の形が、寝椅子の形に似ていることに由来しています。
ストロマンテの花言葉や風水効果は?
ストロマンテには「強い気持ち」「あたたかい心」という花言葉がついています。真っ赤な差し色の、情熱的なイメージからつけられた花言葉です。また、ストロマンテは風水にもよいとされ「東の方角に飾ると活力や元気が湧く」といわれています。
観葉植物 ストロマンテ・サンギネア
参考価格: 6,600円
ストロマンテ・サンギネアは葉に光沢があるのが特徴です。葉裏が深紅色をしているため「ウラベニショウ」という名前で販売れている場合もあります。葉脈に薄い灰色の斑模様が入るのがアクセントです。
葉色 | 緑、赤、黄 |
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草丈 | 40cm~50cm |
ストロマンテ・トリオスター
参考価格: 1,078円
ストロマンテ・トリオスターは、3色のコントラストが美しい品種です。やや赤みを抑えた色味のため、ストロマンテの種類の中でも落ち着いた雰囲気があります。
葉色 | 深緑、深紅、クリーム色 |
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草丈 | 20cm~150cm |
植え付け時期 | 6月〜7月 |
植え替え時期 | 6月〜7月 |
肥料の時期 | 5月〜10月 |
剪定の時期 | 3月〜11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜6月 |
ストロマンテは、地植えでも鉢植えでも育てられます。直射日光や西日に長く当てると、葉が丸まる恐れがあるため、半日陰になるような木の陰や、明るい日陰で育てるのがポイントです。花壇の寄せ植えにする場合は、150cmほどまで大きく成長するため、ほかの植物の背景になるように植え付けましょう。
ストロマンテは、風通しのよい場所で管理します。葉が密に茂るため、風通しのよい場所で育てて病害虫被害を予防しましょう。また、耐陰性はありますが日光がまったく当たらない場所で育てると、葉先が枯れたり、葉が黄色く変色したりするので注意が必要です。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの窓辺に置くのが適しています。
ストロマンテは、排水性の高い用土を使用して育てます。市販されている「草花用培養土」や「観葉植物用培養土」を使用してもかまいません。肥沃な用土を好むため、自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を混ぜ込んだ用土に、堆肥を加えた用土を使用してください。
地植えにする場合の用土は?
ストロマンテを地植えで育てる場合、地面が粘土質だと上手に育たなかったり枯れたりします。そのため、川砂や砂利を混ぜ込んで、排水性を高くしておきましょう。また、腐葉土や堆肥をすき込み、よく耕してから植え付けるのもおすすめです。
ストロマンテは乾燥が苦手なため、水切れを起こさないように管理します。春〜秋にかけては、土の表面が乾ききる前に、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをしましょう。冬は休眠期に入るので、水やりを控えめにしてやや乾燥気味に育てます。
元気がない場合の対処法は?
ストロマンテの葉が垂れ下がっていたり、丸まっていたりするようならば、水切れを起こしているサインです。室内で育てている場合は、エアコンの風などの影響で、葉が乾燥しやすくなります。元気がないようならば、定期的に葉水を行い葉をみずみずしく保ちましょう。
肥料は5月〜10月にかけて、2ヶ月に1回の割合で緩効性の化成肥料を株元に適量施します。休眠期に追肥すると、肥料やけを起こして枯れる恐れがあるので注意しましょう。植え付けの用土に元肥として、緩効性の固形肥料を施しておいてもかまいません。
肥料の臭いが気になる場合は?
室内で観葉植物として育てているときに有機肥料を使用すると、肥料独特の臭いが気になる場合があります。有機肥料ではなく「化成肥料」を使用すると、臭いが気にならなくなります。また、ホームセンターなどにある「観葉植物用肥料」を使用するのも便利です。
カイガラムシは、名前のとおり貝殻のような甲羅に守られており、殺虫剤が効きにくいのが特徴です。集団で寄生して、ストロマンテに必要な栄養分を吸汁します。発見したら歯ブラシなどを使用して、株から払い落として駆除しましょう。
灰色カビ病は、梅雨などの湿度が高い時期に発生しやすい病気です。感染した部分が、灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、放置すると腐敗が始まり悪臭を放つようになります。ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
ストロマンテを地植えで育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと成長が滞ってしまうため、2年〜3年に1回は植え替えをします。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
3月〜11月にかけて、枯れている葉や弱っている部分を剪定しながら育てます。とくに下葉や葉の先端などは茶色く枯れ込みやすいので、こまめに「下葉切り」を行いながら管理するのがコツです。
ストロマンテは熱帯地方の植物のため暑さに強く、夏越しに必要な準備はとくにありません。しかし、夏場の直射日光に長く当たると、葉焼けや水切れを起こして株が弱ってきます。置き場所に注意して、夏越しさせましょう。
ストロマンテは耐寒性がやや弱く、5℃を下回ると株元から枯れ込んできます。鉢植えの場合は、秋の終わり頃から寒さをしのげる軒下や室内に取り込んでおきましょう。地植えの場合、寒冷地での冬越しは難しいといわれています。温暖地の場合は、ビニールやバークチップを使用して、マルチングをしてから冬越しさせると安心です。
ストロマンテの株分けは5月〜7月に行います。株分けでの増やし方は成功率が高く、初心者にもおすすめです。大きく成長した株を選び、消毒したハサミやナイフで2株〜3株ほどに分けていきます。根についている古い用土を落とし、下葉を半分程度切り落としてから植え付けるのがコツです。
ストロマンテを挿し木で増やす場合も、株分けと同じ5月〜7月に行います。挿し木には「高芽」という花になるべき芽が葉になってしまった部分を使用しましょう。高芽の切り口に水苔を巻きつけてから、新しい用土に植え付けます。発根するまでは、水切れを起こさないように風通しのよい日陰で管理してください。
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