ローズマリーは、秋〜春にかけて青色やピンク色の花を咲かせるハーブです。枝や葉をこすると爽やかな香りがするのが特徴で、ほふく状に伸びる品種はグランドカバーにも利用されています。
園芸部類 | ハーブ |
形態 | 常緑性低木 |
樹高・草丈 | 10cm〜200cm |
花の色 | 白、青、紫、ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、グランドカバー、生垣 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ローズマリーは「ほふく性」と「立ち性」の2つに大きく分けられます。ほふく性の品種は地面を這うように広がっていくため、グランドカバーにもおすすめです。立ち性の品種は、草丈が200mほどまで大きくなる性質を利用して、洋風の生垣としても育てられます。
立ち性のローズマリーは、まっすぐ上に茎を伸ばしていくのが特徴です。耐寒性が強く、ー20℃まで耐えられるため、冬の花壇に彩りを添えてくれるハーブとしても人気があります。
ローズマリー・マジョルカピンクは、薄いピンク色や濃いピンク色のかわいらしい花を咲かせる品種です。半立ち性のため、針金などを使用して茎を誘導すると、アーチ型やハート型など好きな樹形に育てられます。
植え付け時期 | 4月〜5月、9月〜11月 |
挿し木の時期 | 3月〜5月、10月〜11月 |
肥料の時期 | 3月、10月〜11月 |
剪定の時期 | 4月〜10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 11月〜5月 |
ローズマリーは、地植えでも鉢植えでも育てられます。縦にも横にも大きく成長するため、地植えにする場合は、十分なスペースを確保してから植え付けましょう。プランターや鉢植えの場合は、15cm〜20cmほど株間をあけて植え付けてください。
ローズマリーは、日当たりと風通しのよい場所で管理します。ジメジメとした環境が苦手なため、木の陰や他の植物で混み合っている場所は避けてください。室内や半日陰でも育てられますが、日光が全く当たらない場所で育てると、花付きが悪くなってしまうので注意が必要です。
ローズマリーは、排水性の高い用土を使用して育てましょう。市販されている「草花用培養土」や「ハーブ専用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土をよく混ぜてから、少量のバーミキュライトを加えた用土を使用します。地植えにする場所の水はけが悪いようならば、腐葉土や小粒の赤玉土をよく混ぜ込んでください。
地植えで育てている場合は、降雨のみで十分なため水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききってから、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをします。多湿を防ぐため、受け皿に残った水はそのままにしないで、すぐに捨てるのがポイントです。
ローズマリーは発育旺盛なため、肥料を与えなくても十分に育ちます。しかし、葉をたくさん収穫して成長が滞っていたり、生垣にしたりする場合は、10月〜11月にかけて「カリ」と「リン酸」を多く含んだ液体肥料を株元に適量施してください。植え付けの用土に元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
ハダニは、3月〜10月のやや乾燥している時期に発生しやすい害虫です。葉の裏側など、見つけにくい場所に寄生する性質があり、発見が遅れると大量発生してしまう恐れがあります。水が苦手なため、定期的に葉水を行い予防しましょう。カイガラムシは殺虫剤が効きにくいので、見つけたらすぐに歯ブラシなどを使って払い落としてください。
うどんこ病は、梅雨時期などの湿度が高い時期に発生しやすい病気です。感染した部分が、うどんこをまぶしたように白い粉をふくのが特徴で、光合成が妨げられてしまいます。放置すると腐敗が始まり悪臭を放つようになるため、他の部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分しましょう。
花後に花がらを放置するとカビが発生する原因となります。そのため、花後はその都度花がら摘みを行いながら育てましょう。
ポット苗のローズマリーを購入する場合は、葉や茎が病害虫被害を受けていないかしっかりと確認してください。生垣として育てる場合は「立ち性」の苗を、グランドカバーをして利用する場合は「ほふく性」の苗を選ぶのが重要です。
地植えの場合は植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために1年〜2年に1回は植え替えを行ってください。根を傷つけないように優しく掘り起こし、ひと回り大きな鉢に植え替えていきましょう。
ローズマリーは、収穫も兼ねて4月〜10月の成長期にこまめな剪定を行いながら育てます。茎が伸びすぎていたり、葉が混み合ったりしている部分を切り戻し剪定してきましょう。
3月〜5月か10月〜11月に、挿し木でローズマリーを増やしていきましょう。今年成長した若い茎を選び、先端から10cm〜15cmの長さで切り取ります。下についている余分な葉を取り除き、赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。発根するまでは水切れに注意しながら、風通しのよい日陰で管理します。