はじめに:ローズマリーは水耕栽培できる
ローズマリーはハーブの中でも有名で、料理やアロマオイルに使用される馴染みあるものの一つと言えます。胸をスッとさせてくれる清涼感あるローズマリーの香りを好む方も多いことでしょう。そんなローズマリーを水だけで、しかも室内で増やすことができることをご存知でしょうか。この記事では、ローズマリーを室内で簡単に水耕栽培する方法についてご紹介します。
ローズマリーとは
まず最初に簡単に、ローズマリーについて確認しておきましょう。ローズマリーはシソ科のハーブの1種です。緑が濃く、分厚い細い葉が連なるような形でついており、耐寒性も強く乾燥にも強いため、家庭菜園でも人気の品種です。
植物分類 | シソ科マンネンロウ属 |
学名 | Rosmarinus officinalis |
形態 | 低木 |
アロマオイルでも人気
葉や花から良い香りがするため、ハーブとして使われてきましたが、薬効があることも古くから認められてきた歴史があります。リラックス効果や抗炎症作用、血行改善効果など私たちの体にとってよい効果がもたらされるため、アロマオイルなどの利用は現在でも多くの人の知られているところです。
肉料理にも欠かせないハーブ
ローズマリーのその香りは私たちにリラックス効果などをもたらしてくれるだけではなく、肉や魚の臭み消しにも利用できます。臭み消しの他にも、高い抗酸化作用があることも知られており、まさに健康に寄り添ってくれる身近な歴史あるハーブなのです。
ベランダのプランターなどを利用してもローズマリーは簡単に栽培することができます。詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
ローズマリーを水耕栽培する方法
香りを楽しむハーブとしても、料理の助けとなるハーブとしても利用価値の高いローズマリーを自宅で簡単に栽培したいと考える方も多いことでしょう。家庭菜園として植えることは有名ですが、実はローズマリーは室内で簡単に水耕栽培ができることはご存知でしょうか。種から育てる方法と、水挿しといって挿し木で増やす方法の2つをご紹介します。
1.種から水耕栽培
まずは種から育てる方法をご紹介します。ローズマリーをはじめ、ハーブの種は数多く販売されています。種をまく適した時期がそれぞれありますが、室内の暖かく日当たりのよい場所であれば一年を通じて種まきすることが可能です。ローズマリーをはじめとしたハーブの種はどれもとても小さいので、扱う際はピンセットなどを使用するのがおすすめです。
種から水耕栽培する方法①種をまく
水を含ませたスポンジの上に種をまきます。伸びてきた根がスポンジで折れてしまわないように種の下にあたるスポンジに切り込みを入れておきます。あとは水が乾いてしまわないように毎日こまめに水を与えます。種がすべて水に浸かってしまうと窒息して発芽しない恐れがありますので、調整しながら水を与えましょう。発芽には光は必要ありません。乾燥と冷え込みに注意しましょう。
種から水耕栽培する方法②発芽後は容器に植え替え
順調にいけば1週間ほどで発芽が確認できます。二葉と本葉が出たのが確認できた頃に容器へ植え替えするのがよいでしょう。容器は、ペットボトルの上部を切り取り、口を逆さにしたものをペットボトル下部に差し込めば完成です。ペットボトルの口に発芽した種があるスポンジを差し込むだけで植え替えも完了します。
種から水耕栽培する方法③水面の高さを確認
根がスポンジから突き抜けて下へ伸びていきます。根が水に当たっていないと枯れてしまいますので、ペットボトルの水面の位置は確認が必要です。少なくとも根の2/3は水に浸かっているようにしましょう。
種から水耕栽培する方法④アルミホイルを巻く
ペットボトルに日光があたると、水に藻やコケが発生し、緑色に濁ってしまいます。それ自体は害のあるものではありませんが見栄えもよくなく、水が汚れやすくなることもあります。藻やコケの発生を防ぐために、ペットボトルにはアルミホイルを巻いておくとよいでしょう。
種から水耕栽培する方法⑤液体肥料を加える
種からある程度の大きさになるまでは肥料は必要なく、日光と水だけで大きくすることができます。キッチンガーデンのように、キッチンで小さな水耕栽培を行い、苗を大きくする予定がないのであれば水だけでも十分です。しかし、さらに大きく育てていきたい場合はやはり多少の肥料があったほうが順調に育ちます。ハイポネックスなどの液体肥料を水に加えてやるのがおすすめです。
種から水耕栽培する方法⑥根にエアレーション
地面に植わっているローズマリーのように大株にまで育てたい場合は、水に液体肥料を加えるほかにも根へのエアレーションが必要になります。根はただ水を吸うだけの組織に思えますが、水や土中の酸素を取り込んで呼吸しています。水耕栽培でもそれは同様で、大きく根を発達させて株を大きくしたいときはエアレーションを行いましょう。水にポンプなどから空気を送ってやるだけで十分です。
たくさんローズマリーが収穫できたときはモイストポプリ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。ドライポプリとは違う香りのよさを楽しむことができます。詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
2.水挿しから水耕栽培
挿し木の一つとして「水挿し」という増やし方があります。挿し木同様、増やしたい木の枝を切って水に挿して、そこから発根するのを待つ方法です。ハーブは生命力が強く、こうした水挿しでも簡単に増やすことができます。
水挿しから水耕栽培する方法①ハーブの茎を入手する
庭などに既にローズマリーが植わっていて、それを水耕栽培で増やしたい場合は、そのままローズマリーの茎を切ってくるだけで入手は完了します。手元にローズマリーの苗がない場合は、スーパーで販売されているフレッシュハーブのローズマリーの茎を利用できます。
水挿しから水耕栽培する方法②茎を斜めにカットする
先端から5~10cmの長さで茎をカットします。次に、水あげをよくするために水に挿す側の茎を斜めに切り落とします。葉は先端の1/3ほどを残して残りの葉は取り除いてしまいましょう。葉から水が蒸散されますので、葉が多く残っているために根が出る前に水が不足して枯れてしまうのを防ぐためです。
水挿しから水耕栽培する方法③水につける
水挿しの準備が完了したら、あとは水を張ったコップなどの容器に茎を挿すだけです。水面の高さは葉がつからない程度にしておきましょう。順調にいけば1週間ほどで発根が確認されます。十分に根が発達したら植物の発育を見ながら液体肥料を与えるとよいでしょう。こちらも種から育てる方法と同様、大きな株に育てたい場合は根にエアレーションを行ってやります。
ローズマリーは挿し木でも簡単に増やすことができます。興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
まとめ:ローズマリーの水耕栽培は簡単
簡単にローズマリーを水耕栽培で増やす方法をご紹介しました。種から育てる場合は、大きく育っていく喜びを感じることができるでしょう。なるべく早く水耕栽培で増やしたい場合は、水挿しが適していることもよくわかりました。たくさんローズマリーが収穫できれば乾燥ポプリやスワッグ、キッチンリースなど使い道も広がります。ローズマリーの香りを生活に取り入れて気持ちのよい毎日を送ってみませんか。
出典:写真AC