ローズマリーとは
ローズマリーとは、日本でもとてもポピュラーなハーブです。ヨーロッパでは悪魔よけのハーブとして有名で、リースなどにも使われます。地植えでもプランターへの植え付けでも育成がはやく、お手入れや育て方が簡単なので初心者むけです。主に針状の葉を使いますが、花もエディブルフラワーとして食用できます。甘いなかにほんのりとした苦味の、清涼感がある香りが特徴で、肉料理や魚料理、ハーブティなどにも使われます。
基本情報
学名 | Rosmarinus officinalis |
科属 | シソ科 ロスマリヌス属(マンネンロウ属) |
形態 | 多年草 常緑性低木 |
原産 | 地中海沿岸 |
樹高 | 30~200cm |
開花時期 | 11~5月 |
収穫時期 | 4~11月 |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白 ピンク 淡い青 うす紫 |
用途 | 飲食 香料 クラフト 園芸 |
別名 | マンネンロウ(万年朗)メイテツコウ(迷迭香) |
効能
ローズマリーにはポリフェノールが豊富に含まれています。なかでもカルノシン酸には活性酸素を抑制するつよい抗酸化作用があります。若返りのハーブと呼ばれるのはそのためです。ローズマリーから発見されたという、ロスマリン酸には抗菌、抗ウィルス作用があります。ローズマリーの香りの刺激は記憶力や集中力を高めたり、気持ちを高めたりするので、頑張ろうと思う時のカンフル剤のような働きをしたり、軽いうつの症状を和らげたりする働きがあります。
利用方法
種類もいろいろあるローズマリーは効能もたくさんあります。精神的な効能だけでなく、身体的な効果もあります。日常生活のなかの必要なシーンにあわせて、上手に使い分けてみましょう。
飲食
ローズマリーは肉や魚の臭みをとったり、香りをつけて食欲をそそる働きがあります。生の方が香りがやさしく、乾燥させると強くなります。とくに癖のつよい肉との相性がよいのでラム肉やシカ肉などの料理に好まれるようです。肉や魚料理だけでなく、クッキーやパンなどの焼き菓子などにも多く使われ、ミントやカモミール、ラベンダーなどと一緒にハーブティとしても楽しめます。ただし、子宮収縮作用や血圧上昇作用があるので妊婦さんや高血圧の方などは注意が必要です。
香料
成長時期に収穫したものは特に香りがよく、ハーブティや焼き菓子などに香りをプラスするほかに、アロマオイルやポプリにしてお部屋でリフレッシュすることができます。入浴剤、石鹸やシャンプーなどに使用されているものを使うと、適度な刺激が血行をよくしたり新陳代謝を高める働きもあります。防虫効果がありますので、リースや花束にしてお部屋にかざるのもよいでしょう。ただし、精油やサプリメントの過剰摂取はおすすめできません。
ローズマリーの種類
ローズマリーはおもに3つの種類があります。自立して上へ伸びるものを立ち性といいます。縦ではなく、横方向へと伸びるものを半匍匐性といい、自立はできずに、うえから垂れ下がるように伸びるものが匍匐前進とおなじの匍匐性です。タイプによって、植える場所や活用方法がちがいますが、乾燥を好み、風通しのよいところで育つことは同じですので、育てたいスタイルに合わせて選びましょう。
立ち性
一番一般的なローズマリーです。小さな苗を購入して植え付けをしても、元気よく上へと育ちます。地植えで大きなものになると、200cmをこえるものもありますが、あまり高くしたくない場合は、枝を摘心するとよいでしょう。横から脇芽がでて、こんもりとしたシルエットの株を育てられます。マリンブルーやレックス、マジョリカピンクなどの種類があり、トピアリーにして楽しむこともできます。
半匍匐性
上へと伸びる立ち性にたいして、匍匐性が混ざったのが半匍匐性です。先に横に伸びたあと上へ伸びる性質をもちます。横にも縦にも伸びますので、アレンジしやすいのが特徴です。ウッドパープルやモーツアルト、ブルーボーイなどの種類があります。庭のグランドカバーなどに活用できますので、挑戦してみてください。乾燥を好むハーブですので、水はけのよい場所に植え付けましょう。
匍匐性
上から下へと伸びるのが匍匐性のローズマリーです。大きさは20~40cmと立ち性や半匍匐性にくらべて小さいのが特徴です。石垣の上に植え付けて外側にたらしたり、鉢植えにしてハンギングにしたり、プランターでベランダのカーテン代わりにすることもできます。クリーピングやロックウッドデフォレスト、プロストラータスなどの種類があります。香りもよく、ヨトウムシやモンシロチョウに対する防虫効果もあるので、アブラナ科の植物と一緒に植えるのがおすすめです。
続いて、ローズマリーの育て方をご紹介しますね。
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