みかんの木を苗木から育てる
種から育てるよりも、苗木から育てるほうが早く実を収穫できます。流通しているものはほとんどが挿し木で増やしたもので、2~3年が経過しているからです。なかには実付きで売っているものもあります。実を収穫することが目的なら、種から育てるよりも、苗木を買うことをおすすめします。
実をつけるまでの栽培カレンダー
1年目 | 苗を植えます。店頭に並んでいるものはすでに3年目くらいになっています。 |
2年目 ~3年目 |
収穫できますが、収穫量はとても少ないです。 みかんの木が小さいうちに実が多くなってしまうと、木が成長しません。 植えてから2年目、3年目は実が大きくなる前に取り除き、株を大きく育てましょう。 |
4年目 | 収穫量が少し増えてきます。 適度に摘果を行います。 |
5年目 | 不要な枝を切り落としましょう。 年を重ねて大きくなれば、剪定も1回では済まないこともあります。 |
苗木からの育て方①苗木の植え方と植える時期
入手した苗木を植え付ける時期は、植物の活動が活発になり始める前の2月~3月が望ましいです。苗から芽が出る前に植えましょう。秋に植えたほうがよい果樹もありますが、みかんは耐寒性が弱いため、しっかり定着しなければ冬の寒さで枯れてしまう場合がります。そのため、春に植え付けます。
苗木の植え付け後
種から育てた苗と同様、苗木はなるべく日当たりと風通しのよい場所に植え付けるのが好ましいでしす。植え方は種から育てた苗と同じです。その後は3カ月ごとに肥料を与えます。冬場は成長も緩慢になるため、肥料は必要ありません。
苗木からの育て方②収穫
苗には、実がついているものとついていないものがあります。どちらにしても定植の翌年には実は収穫が可能です。ただし、はじめのうちはあまり多くはなりません。収穫量が増えるには定植後4年~5年が必要です。
みかんの木の管理方法
みかんの木を育てるなら、日常の管理・栽培方法を知っておく必要があります。ここでは、水やりや土作りなど日々の管理について見ていきましょう。
水やり
庭に植える場合には、特に水やりは必要ありません。ただし、日照りが続く場合や、真夏に土がすぐに乾く場合などには様子を見ながら水を与えましょう。鉢植えの場合は、土が乾いたら鉢底から染み出るくらいにたっぷりと水を与えます。8月ごろから収穫期までは乾かし気味に管理すると甘い実がなるため、水はやや少なめにします。ただし、10月ごろに施肥した後は、肥料の吸収を高めるためにも多めに水やりをしましょう。
土作り
みかんは土を選ぶ植物ではないため、土作りにはそこまで気を遣う必要はありません。地植えをする場合は、腐葉土やピートモスなどを植え付ける場所に混ぜ込んでおきましょう。土作りには、水はけと水持ちのよい土がおすすめです。鉢植えの場合には、赤玉土をベースに3割ほど腐葉土を混ぜておくとよいでしょう。土作りが難しいという人は、市販の果樹用の土を利用するのもよい方法です。土作りの手間を省けます。
温度
みかんが育つための気温は、15℃~20℃です。あまりにも暑すぎると枯れてしまうこともあるため、真夏の直射日光や気温の上昇のしすぎには注意しましょう。温暖な地域で育つ果樹のため、−5℃以下にならないように気を付けます。鉢植えであれば屋内の暖かい場所に移動し、地植えであれば気温が下がりすぎるときや雪の心配があるときには、わらやビニール、段ボールなどを使って保温しましょう。
日光
ミカンは日光を好む果樹であり、日照時間が足りないと美味しい実はつきません。鉢植えの場合は定期的に日光浴をさせるか、屋外に出せないようなら、明るい日差しの入る場所に置くようにしましょう。
肥料
肥料は3カ月に一度与えるとよいでしょう。基本的には、3月、6月、10月が目安です。地植えの場合は有機肥料がおすすめですが、鉢植えの場合は化成肥料のほうがコバエが寄ってきません。環境に応じて選びましょう。
剪定
みかんの木の剪定は、3月ごろがおすすめです。剪定とは、秋に伸びすぎた枝や、勢いの衰えている枝を切って、木の形を整える作業のことです。あまりに枝が混みあっていると、葉の内側まで日光が届かないため、きちんと剪定しましょう。特に伸び始めの時期は、剪定は重要な作業です。
ボタニ子
続いて、季節ごとの栽培ポイントを紹介します!