胡椒(こしょう)の育て方!日本での栽培条件や収穫までの様子を解説!

胡椒(こしょう)の育て方!日本での栽培条件や収穫までの様子を解説!

あたりまえのようにいつも食べている胡椒。その胡椒がどんな植物で、どんなふうに栽培されているのか知りたいとは思いませんか?本来ならば熱帯地方の高地で生産される胡椒ですが、日本で胡椒を栽培するとしたらどうしたらよいのか、その栽培条件や収穫までを徹底解説します!

記事の目次

  1. 1.胡椒を栽培する前に
  2. 2.寒冷地(日本)で胡椒を栽培するには?
  3. 3.胡椒の育て方
  4. 4.胡椒の栽培のようす
  5. 5.胡椒の種類
  6. 6.間違えないでください!科も属性も違う【胡椒の木】
  7. 7.まとめ

胡椒を栽培する前に

胡椒の栽培条件

Photo byrdlncl

栽培に挑戦する前に、まずは胡椒がどんな特徴を持った植物なのか調べておきましょう。現在世界で作られている胡椒の主な生産国は熱帯地方であるインドやベトナムです。そこで育つ胡椒の植物としての特徴をあげていきます。胡椒にはどんな環境が適しているのでしょうか。

コショウ【胡椒】学名:Piper nigrum
分類 つる性の非耐寒性常緑小低木
つるの長さ 5~10m
発芽適温 20~27℃
生育温度 10~40度
主要生産国 インド(原産地)、ベトナム、インドネシア、ブラジル、

難関だらけの胡椒の栽培

Photo byTeroVesalainen

寒冷地日本でも栽培はできるのか?

上記の胡椒の特徴から生育温度を考えた時点で、露地栽培は沖縄以外では難しいでしょう。そして胡椒の種は日本でも通信販売されていますが、種から栽培することは非常に困難といわれています。その一方、主要生産地の国々では挿し木からの育て方が一般的ですが、定植して果実をつけるようになるのには3年かかるのです。それではどうやったら日本で胡椒の栽培ができるか代替案を考えてみましょう。

寒冷地(日本)で胡椒を栽培するには?

生育温度の保持

フリー写真素材ぱくたそ

寒冷地の場合、室内栽培がおすすめ

胡椒の栽培に当たっての適性気温を考えると、露地栽培が可能な地域は沖縄のみに限られてしまいます。ということで露地栽培は諦めて、気温の低い時期は室内に取り込めるプランターなどで栽培しましょう。日本での胡椒の栽培に適している時期は高温多湿な梅雨時になります。なるべくこの時期の状態に近づけるよう、水を絶やさず温度管理に気を付けましょう。夜間の最低気温が10℃を確実に上回る場合は屋外に出しても大丈夫です。

種からか苗からか

Photo by Starr Environmental

写真:つるにならないドワーフグリーンペッパー

挿し木からの定植が一般的

種からの栽培が難しいとされている胡椒は、挿し木からの定植という形が一般的な育て方になっています。これに倣い、挿し木からある程度成長した苗木を購入しましょう。次の問題として10mに達するつる性の胡椒の管理ですが、実は胡椒にはつるにならない矮性の品種もあるのです。これは1mに満たない樹高でも結実することができるので、年内での収穫が可能となります。

栽培条件を克服するために

Photo byd97jro

さて栽培条件はなんとか揃えられそうですね。ここまでに提示してきた条件でしたら、沖縄の露地栽培にこだわることなく寒冷地でも胡椒の栽培に挑戦することができます。それではもう一度、胡椒を栽培するための環境のポイントをまとめておきましょう。

寒冷地日本で胡椒を栽培するポイント

  • 低温期は室内で温度管理できるよう、プランターで育てる
  • 沖縄、もしくは梅雨時の環境をイメージして管理する
  • つるにならないコンパクトなドワーフグリーンペッパーを栽培する
  • すでに挿し木である程度成長した苗木を定植する

胡椒の育て方

さていよいよ胡椒の栽培に取り掛かるわけですが、育て方としては上記で述べてきたことに加える注意事項として、苗木が小さい内は外に出さないこと、直射日光によって葉が痛むのを避けることなどがあげられます。大変手間のかかる胡椒の栽培ですが、季節ごとのポイントを解説していきます。

初夏・まず環境を整えて

写真:すでに花穂の出てきたドワーフグリーンペッパー

日本で栽培する場合、春ではなく初夏が活動のスタートとなります。気温が十分に上がってから苗を植えつけましょう。ドワーフグリーンペッパーは成長しても1mほどですので、苗木の購入時点ですでに花穂が出てきている場合もあります。しばらくして新芽が動いてきたら環境に気をつけましょう。気温が安定しないうちは、一鉢用のビニールハウスなどを利用するとよいでしょう。湿度温度共に一貫して変化が出ないように管理することが大切です。

夏・直射日光は厳禁!葉焼けに注意

写真:夏の時期に開花を終え、実が膨らんでいくドワーフグリーンペッパー

高温多湿が最適な環境の胡椒ですが、意外にも直射日光で弱ります。夏の時期は直射日光に気を付けてください。葉が痛むとそれをきっかけに株が弱るので、日かげを作るか遮光シートなどで株を守りましょう。暑い時期は水切れにも注意しましょう。生産地ではスコールもありますので、朝夕に葉水を与えることも重要です。これはハダニの予防にもなります。また外気に当てたり外で管理する際は、ヨトウムシの侵入に気をつけましょう。

秋・収穫までもう少し!

Photo by cyanocorax

写真:たわわに実った胡椒の粒

秋は結実の時期です。みごとなぶどう状に育った胡椒は完熟させてもよいのですが、今回はグリーンペッパーということで、青い内に穂ごと切り取り取ったのちに粒に分けて乾燥、または生食でいただきます。実のなくなった株は来年もまた収穫できますから、現状維持で大切に育てて下さいね。気温が急激に下がる時期です。温度、湿度管理には十分気をつけてください。

冬・日あたりのよい室内へ

フリー写真素材ぱくたそ

冬の時期は、胡椒を育てるに当たって一番神経を使う時期でもあります。引き続いての温度と湿度のの確保ですが、温度には気を使っていても湿度の管理が疎かになりがちです。乾燥の時期でもありますので葉水をしっかり与えてください。湿度は80%維持が望ましいです。ビニールハウスでも温度が足りないようでしたら、鉢ごとラップなどでくるむ方法もあります。温かい部屋に置き、胡椒には梅雨時が最適な環境だということを思い出してください。

胡椒の育て方のポイント

今回は購入した苗木からの栽培ということで、収穫までの流れをまとめてみました。挿し木からスタートする場合は結実までに期間がかかるかもしれませんね。それでも、手間がかかればかかっただけ収穫の感動もひとしおです。胡椒の栽培上のポイントは以下の通りになりす。

胡椒の育て方のポイント

  • 定植直後は室内で管理すること
  • 1年を通して極端な温度変化を与えないこと
  • 気温は必要だが直射日光には弱いこと
  • 気温だけでなく湿度も一定に保つこと
  • 湿度は常に80%以上が望ましい。ハダニの防止も兼ねて常に葉水を与えること
  • 温度を保つために、ビニールハウスやラップなどを使い、過保護なぐらいに防寒すること

胡椒の栽培のようす

つる性の胡椒の木

ここで、原産地であるインドでの一般的な胡椒の栽培のようすを合わせてご紹介しておきます。

Photo by chipmunk_1

等間隔にたてられた支柱のまわりに定植されて成長した胡椒の木です。つる性の特性で支柱に絡みついていますね。本来であれば、胡椒はつるを長く伸ばさないと花もつけず結実しない植物なのです。収穫量は7~8年目あたりに最も増え、最終的には20年近くまで実の収穫をすることができます。

胡椒の花

Photo by Starr Environmental

クリーム色の穂に小さく咲いているのが胡椒の花です。こちらはつる性の一般的な胡椒の画像ですが、つるにならない矮性タイプのドワーフグリーンペッパーも同じ形状の花を咲かせます。花は小さく2mm程度で、花穂が10~20㎝ほどに垂れ下がる形状なります。花が終わると付け根がふくらみ、胡椒の粒となります。

胡椒の実

Photo by41330

結実した胡椒の実は穂状花序(すいじょうかじょ)(花軸に柄のない花が穂状になって並ぶこと)の穂にぶどうのように実ります。一つの穂には50粒ほどの実がついています。成熟した1本のつるからは、乾燥後で2㎏の実が収穫可能といわれています。実は乾燥させると鮮やかなグリーンが黒っぽくくすんだような色に変化していきます。

収穫

Photo by Steenbergs

無事に収穫をむかえた胡椒の実は、ここから4つのルートに分かれて名称が変わります。店頭に置かれているブラックペッパー、ホワイトペッパーといった名称の瓶をごぞんじですよね。これらは違う品種の胡椒ではなく、加工の仕方によって風味を変えているのです。

胡椒の種類

胡椒の4つの名称

Photo by breki74

胡椒には4種類の呼び名がありますが、どれも元は同じもので、収穫の時期と乾燥の処理の仕方が違っているだけです。今回は『ドワーフグリーンペッパー』を取り上げてご紹介しましたが、矮性タイプの商品名であり、長時間かけてじっくり乾燥させればブラックペッパーになると考えてよいでしょう。グリーンペッパーは鮮度を保ちながらの輸入が困難な為、生の状態ではあまり出回っていません。ですので日本で栽培できれば大変な希少種となります。ぜひ生の胡椒を味わってみてください。

胡椒の名称
黒胡椒【ブラックペッパー】 熟す前の実を収穫後、長時間乾燥
青胡椒【グリーンペッパー】 熟す前の実を収穫後、短時間乾燥または塩漬けしたもの
白胡椒【ホワイトペッパー】 完熟後に収穫、乾燥させた後、水に浸けて外皮を剥いたもの
赤胡椒【ピンクペッパー】 完熟後に収穫、乾燥させたもの

間違えないでください!科も属性も違う【胡椒の木】

コショウノキ【胡椒の木】
学名 Daphne kiusiana
属性 ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
分類 常緑小低木
樹高 1m
耐寒暑性 耐暑性:強い 耐寒性:弱い

植物には紛らわしい名前が多いのですが、この『胡椒の木』もその一つでしょう。花を見ればお分かりと思いますが、ジンチョウゲ科の全くの別品種です。遠目には白い沈丁花のように見えますね。名前の由来は実が胡椒のように辛いことからですが、そのほかの共通点は寒冷地では育たないことぐらいでしょうか。ここまで『胡椒の木』と言い切っておきながら全くの別種というのも痛快ですね。胡椒の苗木をお求めの際にはお間違えなく。

まとめ

Photo bycongerdesign

食生活になじみのある胡椒ですが、その栽培は思った以上にむずかしいものでしたね。こうして考えてみると、植物が自分にあった環境を選んで生育していることがよくわかります。もしかしたら環境に合わせて植物自体が進化した部分もあったかもしれませんね。植物にあった環境を考えるよい機会になったのではないでしょうか。それにしても胡椒の名称が収穫後の処理の仕方で変わるというのは、お茶みたいでおもしろいですね。

藤茶話
ライター

藤茶話

失敗の多い園芸オタク。今年はギボウシの庭をつくります!

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