きゅうりの概要
きゅうりはインド北部周辺が原産のウリ科の野菜です。植え方のポイントをおさえれば初心者にも育てやすいことから、家庭菜園でも人気の夏野菜です。
家庭菜園におすすめは「北進」
きゅうりは、家庭菜園向けの品種が種苗メーカーから発売されています。そのなかでも「北進」は、病気や害虫に強いことに加えて、耐暑性も強く、地域によっては11月ごろまで収穫が見込めます。初心者は、病気や害虫被害に強い品種を選ぶのがおすすめです。
家庭菜園初心者におすすめの品種
品種名 | 特徴 |
夏すずみ | 病気に強い。晩秋まで収穫が見込める。イボがない。 |
シャキット | 病気に強い。晩秋まで収穫が見込める。イボとしわがある。 |
フリーダム | 病気に強い。イボがないため、扱いやすい。 |
よしなり | 病気に強く、耐寒性・耐暑性ともに強い。イボがある。 |
ボタ爺
きゅうりの育て方のポイント
ポイント①水はけのよい土を作る
きゅうりは、乾燥が苦手です。水切れを起こさないように管理していくのがコツですが、土のなかの水分量が多いと根腐れを起こしかねません。保水力と排水力のバランスがとれた土で栽培しましょう。プランター栽培なら、市販の培養土が便利です。
定植の2週間前に土作り
用土を配合して作る場合は、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で合わせましょう。そこに苦土石灰と化成肥料を1㎡あたり100gを目安にプラスしてください。このときに、畝立てとマルチングの設置をしておくと、定植後、泥はねや低温障害が防げます。
ボタ爺
カボチャやゴーヤなど、ウリ科の植物を育てたことがある土を使いまわすのは避けよう。連作障害が起こるかもしれないからね。
ポイント②支柱を立ててつるを誘引する
きゅうりは成長過程で、つるを伸ばします。支柱を立ててつるを誘引することは、きゅうりの成長を促すうえで重要です。合掌型、あんどん型、ピラミッド型などさまざまなタイプがあるため、栽培面積にあわせて支柱を立てましょう。風通しがよくなり、病気や害虫被害も防げますよ。
ネットはピンと張る
きゅうりのつるの誘引には、園芸ネットも必要です。ネットは、たるんでいると風で揺れたときに作物が傷んでしまうため、ピンと張っておきましょう。プランターなど狭い栽培スペースでは、ネットが余ってしまうこともありますが、束ねておけば問題ありません。
ポイント③定期的に節を摘心する
家庭菜園においてきゅうりは、垂直に栽培します。上方向へ栄養を送るためにも時期を見計らって剪定を行い、整枝しましょう。メインとなる親づるを成長させるためにも、脇から伸びてきた子づるやつきすぎている花は間引きしてください。
1~5節目のつるやわき芽はすべて摘心する
きゅうりは、枝分かれしているところを「節(ふし)」と呼びます。土に近い部分から1節、2節…とカウントしていき、5節目までについているわき芽などはすべて取り除いてください。6節目以降からは収穫を目指して、手入れをしながら育てていきましょう。
6節目以降は葉の剪定も必要
きゅうりは葉が茂り過ぎていると、病気になったり収穫量が減ったりトラブルが起こる原因になります。6~10節目までは、葉が1~2枚残るように剪定してください。古くなって変色している葉も剪定しましょう。
親づるを摘心して成長を止める
株がだいたい自分の目線と同じ高さになったら、親づるの先端を摘心します。上方向への成長を止める効果があり、整枝や収穫作業がしやすいですよ。親づるを摘心したあとは、手入れを繰り返しながら子づるまたは孫づるを育てていきます。
親づる、子づるとは?
「親づる」は主軸ともいえる部分で、親づるの脇から伸びてくる枝が「子づる」です。子づるからさらに伸びてきた枝は「孫づる」と呼ばれています。
剪定に道具は必要?
摘心やわき芽取りなど、きゅうりの剪定には道具は必要ありません。適切な時期に行えば、手で簡単に取り除けるでしょう。時期を逃してしまった場合は、清潔な剪定はさみを使ってください。
本州以南は、梅雨が心配だし、北日本は寒さが気になるところ。気候の変化に耐えられる品種を選ぶのもポイントじゃ。