神田四葉胡瓜の特徴
神田四葉胡瓜は、奈良に会社を構える「神田育種農場」で採種された固定種のきゅうりです。四葉胡瓜特有のシワが特に細く果端部まで同じ太さで見た目も美しいことから、全国原種コンクール果実の部(昭和34年)で1位になったことがある品種です。(※記載のコンクール情報は、神田育種農場様に確認をとっております)
基本情報
科・属名 | ウリ科キュウリ属 |
園芸部類 | 果菜類 |
形態 | 一年草 |
つる丈 | 180cm以上 |
花の色 | 黄色 |
産地 | 全国 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
旬の時期 | 7~8月 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
四葉胡瓜はウリ科キュウリ属の果菜類で華北系品種です。旬は7~8月で、暑さに強く夏に栽培されます。固定種は病害虫にも強いため、施肥のタイミングと水やりなどのポイントを押さえれば栽培はそれほど難しくありません。ぜひ家庭菜園で育ててみましょう。
特徴
神田四葉胡瓜の特徴は、別名「いぼきゅうり」とも呼ばれるほど縦シワが多く、いぼが高いことです。また、ブルームと呼ばれる白い粉のようなものが表面についています。これは、果実から水分が蒸発するのを防ぐ役割をします。近年店頭で売られている胡瓜は見た目上の問題からブルームレスの品種が多く出回っているため、昔ながらの四葉胡瓜は市場ではあまり見られません。
歴史
四葉胡瓜は、長崎県松浦市出身の農林技師である熊沢三郎氏によって導入された品種です。もともとは中国華北から韓国に導入され、昭和18年に日本に渡り栽培されはじめました。その後、全国の育種農場でそれぞれの土地に適した四葉胡瓜の種が採種され始めました。
神田四葉胡瓜の栽培日記
栽培カレンダー
栽培日記①種まき(4月14日)
栽培日記②発芽(5月2日)
栽培日記③支柱立て(5月27日)
栽培日記④つぼみ~開花(6月7日~)
栽培日記⑤結実~脇芽取り(6月15日~)
うどんこ病発生
栽培日記⑥収穫(7月3日)
栽培日記⑦自家採種(8月9日)
神田四葉胡瓜の育て方
神田四葉胡瓜は、基本的には一般的に栽培されている胡瓜の育て方と同じです。水やりと施肥の頻度、子づるの管理方法などをしっかり押さえればそれほど難しくありません。
育て方①水やり
胡瓜は地表付近に根を広げる野菜です。敷きわらなどで表面が乾燥しにくくし、暑い日に葉が少ししなびてきたら十分に水やりをします。日中に行うと水が暑くなり根に影響を及ぼすため、早朝か夕方に行います。加湿になると病気が発生しやすくなるので水のやり過ぎに注意しましょう。
育て方②肥料
苗が小さい頃に間引きをした後から、1週間~10日に1回のペースで油粕などを施し、軽く表面を中耕します。収穫が終わるまで定期的に肥料を与えましょう。窒素過多になると病気になりやすいので注意が必要です。
育て方③日々の手入れ
つるが伸びてきたらネットに誘引していきます。小づるは5節目までは付け根から採り足元の風通しをよくします。6節目からの小づるは2葉残して摘心し、親づるは手が届かない高さになったら摘心します。
育て方④種採り
昔ながらの固定種の種は自家採取がおすすめです。自家採種した種は年月が経つごとにその土地に適したものになり、病気にも強く大きく育つ胡瓜ができますよ。大きく育った実を黄色くなるまで放置した後、半分にカットして中の種を取り出します。ジェル状のものをよく洗って浮く種は取り除き、よく乾燥させたら封筒などの袋やビンに入れて保存しましょう。
病害虫について
うどんこ病
ウリ科の野菜に多く発生する病気です。風通しが悪く窒素過多ぎみの土壌や、梅雨時期の高温多湿環境や乾燥しても発生する「糸状菌カビ」が原因です。放置しておくと葉全体に白い粉のようなものが広がり、いずれ枯れてしまいます。水1Lに対して重曹2グラムの重曹水や専用の薬剤を散布するか、全体に広がった場合は葉を取り除いて広がらないようにしましょう。
ベト病
葉に茶色の斑点が広がってカビが生えます。湿度が高い梅雨時期に発生しやすい病気です。通気をよくし、汚染された泥土がはねて広がるのを防ぐために敷き藁をしましょう。カビが広がる前に病気になった葉を除去します。
ウリハムシ
ウリ科の葉や実を食べる昆虫です。幼苗の頃に食べられると生育に大きく影響するので肥料などの袋で周りを囲い、シルバーマルチや銀テープで虫避け対策をしましょう。
神田四葉胡瓜の食べ方
神田四葉胡瓜は、歯ごたえがあり昔ながらのきゅうりの味がします。その食感を活かしてぜひ生で食べてみてください。旬の時期に味わう採りたての四葉胡瓜は格別なおいしさがありますよ。
サラダ
ブルームで皮が守られた四葉胡瓜はしっかりとした歯ごたえがあり、生食するとよりおいしさを感じられます。いぼきゅうり独特のいぼいぼが気になるかたは、塩ずりしてから洗って食べましょう。
ぬか漬け
四葉胡瓜をおいしく食べる方法の一つが「ぬか漬け」です。ぬか漬けにしても柔らかくなり過ぎず独特の歯ごたえが残りますよ。旬の時期には水分・塩分補給とともに乳酸菌により腸内環境がよくなる効果が期待されています。
採れたての神田四葉胡瓜を味わいましょう
神田四葉胡瓜は、現在ではめずらしい昔ながらのブルーム付いぼきゅうりです。近年はなかなか販売されていないので、ぜひ家庭菜園で育てて採れたての神田四葉胡瓜を味わってみてはいかがでしょうか。
出典:筆者撮影