キュウリとは?
インド北部やヒマラヤ山麓を原産地とするキュウリは、温暖な気候を好む野菜です。日本にはシルクロードを渡って平安時代ごろに移入され、今では家庭菜園やプランターで栽培を楽しむ人も増えています。
世界に500品種ある
世界中で栽培されているキュウリは、商業目的として栽培される品種も含めると現時点で500品種ほどあります。なお商業目的の品種の多くは「F1(一代雑種品種)」ですが、F1も実の特徴などによって「白イボ系」「黒イボ系」の2種類に分類されています。
日本の生産量第1位は宮崎県
温暖な気候を好むキュウリなので、国内での生産量第1位は、1年を通して温暖な気候が続く宮崎県です。なおハウス栽培が主流だった2005年まではハウス農家が多い群馬県が生産量第1位でしたが、原油価格の高騰などを理由にハウス栽培が減少したことが生産量の減少に影響したと考えられています。
一般的に食べられるのは未熟な実
スーパーなどで販売されているキュウリは濃い緑色をしていますが、完熟したキュウリの実は黄色をしています。これは市場に流通するキュウリが、未熟な段階で剪定・出荷されているからです。なお収穫時期が遅れて剪定・収穫されたキュウリは値が下がるので、出荷用のキュウリは緑が濃い未熟なキュウリが多く見られます。
昔の人は黄色いキュウリを食べていた
濃い緑色の状態の実を食べるようになったのは、日本に移入されてしばらくしてからのことです。それまでは緑色のキュウリはまだ熟していないと判断されていたため、家庭菜園でも黄色く完熟したものだけを食べていました。ちなみに食用キュウリにも種類がたくさんあるので、黄色いキュウリが販売されることもあります。
かつてのキュウリの和名は「木瓜」
現在の表記では「木瓜=パパイヤ」なのですが、これはキュウリを「胡瓜」と表記するようになってからのことです。もともとキュウリはシルクロードを使って中国から移入されたのですが、中国ではキュウリを「木瓜」と呼んでいたため、その名残で日本でも「木瓜」と表記することがあります。
「木瓜」ではなく「黄瓜」とすることもあった
日本にキュウリが伝わった当時、キュウリの収穫は実が黄色に変色してから行うものでした。収穫時期が今よりも遅い理由は、当時の人々にとって果実は完熟した状態で食べるものと考えられていたからです。そのため和名も「黄色い色をした瓜=黄瓜」とすることがありました。
キュウリの育て方は難しい?
栽培するだけでなく収穫する楽しみも味わえるキュウリですが、栽培者からは「キュウリの育て方は難しい」「手入れが大変」という意見もよく耳にします。キュウリは家庭菜園やベランダでプランター栽培する人も多い野菜ですが、本当にキュウリの育て方や手入れは難しいのでしょうか?
経験者でもキュウリの育て方は難しい
キュウリの栽培レベルはやや高めです。苗からなら初心者でも比較的失敗せずに栽培できるのですが、種から栽培する方法は非常に難しいです。さらに種から栽培しても発芽させるまでは温度管理が難しく、さらに挿し木で増やすのも高難易度です。ちなみに剪定、水やり、肥料、収穫時期などその他の手入れもコツが必要です。
気温が高い環境ではうまく育たない
温暖な気候を好むキュウリですが、気温が高い地域ではうまく育たないことが多いです。特に気温が25℃~30℃以上になると、キュウリは水枯れを起こしやすくなり、枯れる原因になります。そのため25℃以上が連日続く地域でのキュウリ栽培は、よほどこまめに水やりをしないと栽培は難しいのです。
ボタ爺
次からもキュウリの栽培が難しい理由を解説するぞ。