小菊の育て方
小菊はサイズが小さく比較的丈夫な植物のため、花壇の寄せ植えや盆栽など、さまざまな用途で育てられます。開花後は切り花にしたり、仏壇や墓のお供えにしたりできるのが魅力です。大輪の菊は育てるのが難しいといわれていますが、小菊は耐寒性も強く初心者にもおすすめですよ。そんな小菊の種まきの時期や肥料の与え方、剪定方法や栽培の注意点を紹介します。
育て方①環境
小菊は日当たりと風通しのよい環境で育てましょう。1日に9時間〜15時間程度、しっかりと太陽の光に当てると花付きがよくなります。また、小菊は「単日植物」に分類される植物のため、夜間は光を遮ってください。灯りを付けっ放しの室内や、夜間も照明が当たるような屋外で育てると花数が少なくなってしまいます。遮光できる環境を整えておくのがポイントです。
冬越しさせるコツ
小菊は耐寒性が強いため、地植えでも鉢植えでも屋外で冬越しさせられます。そのまま冬越しさせても構いませんが、株元をビニールやバークチップなどでマルチングしておくと安心です。寒さには強いですが、霜に当てると株が弱ってしまうため注意しましょう。
育て方②用土
小菊は多湿を嫌う性質があるため、排水性と通気性のよい用土を使用して育てましょう。市販されている「菊専用培養土」を使用すると便利です。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだものに少量のピートモスを加えた用土を使用してください、地植えにする場合に水はけが悪いようならば、腐葉土をよく混ぜ込んでから植え付けましょう。
育て方③種まき
小菊の種まきは、1月〜3月が適期です。地植えにする場合でも、いったん育苗ポットに種まきをして、本葉が2枚〜3枚程度まで成長してから植え付けましょう。種が小さいため、あらかじめ用土を湿らせておくと、種まき後の水やりで種が流れてしまうのを防げます。
育て方④植え付け
小菊の植え付けは3月〜5月に行います。育苗ポットに種まきをして本葉が2枚〜3枚程度まで成長したものや、ポット苗の状態で購入した株を、地面や植木鉢に植え付けてください。地植えの場合は株間を20cm〜30cmほどあけて植え付けます。盆栽として育てる場合は、ケト土や苔玉に植え付けてから、土の表面に苔をのせるとおしゃれに仕上がるためおすすめです。
育て方⑤水やり
小菊はやや乾燥した環境を好むので、水やりは控えめに行いましょう。地植えの場合は雨水のみで十分なため、水やりの必要はありません。しかし、雨が全く降らずに地面の土が乾燥しすぎているようならば、様子を見ながら水を適量与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをします。冬は休眠期に入るため、水やりは少なめにしてください。
育て方⑥肥料
菊は「肥料食いの植物」とも呼ばれ、開花するにはたくさんの肥料を必要とする植物です。種まきや植え付けをしてから9月の開花時期までは、リン酸を多く含んだ肥料を1カ月に2回程度与えてください。開花が終わったら、カリウムとリン酸を含んだ液体肥料を週に1回与えます。また、元肥として植え付けの用土に、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
育て方⑦摘芯
小菊の花を美しく咲かせるために「摘芯」は欠かせない作業です。摘芯とは、花を立派に育てるために、余分な新芽や茎を切り取っていく作業で、本葉が6枚〜8枚まで成長した頃に行います。適度に摘芯して、脇芽がたくさん増えるようにしたり、芽先を摘み取ったりしながら育てていきましょう。
育て方⑧剪定
小菊は、開花が終わった秋〜冬にかけて切り戻し剪定を行います。伸びすぎた部分や込み入っている茎を剪定して、樹形を整えておきましょう。大きく成長している株は、株元から10cmほどの高さまで思い切って切り戻すのもおすすめです。剪定した部分から次々と新芽が伸びてくるため、春になるとたくさんの花をつけてくれますよ。
小菊の栽培の注意点
- 日当たりのよい場所で育て、夜は光を遮断する
- 排水性と通気性の高い用土を使用する
- 肥料切れに注意する
- 適度な摘芯を行う
- 花後に切り戻し剪定をして樹形を整える
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