塩による除草は塩害を引き起こす
塩で除草する場合、なぜ塩で植物が枯れるのかというメカニズムとその後の影響(塩害)について知っておかなければいけません。塩分は植物の表面や土の中で根に付着すると、植物の中の水分を吸着し奪っていき、水分を奪われた植物は枯れてしまいます。塩による除草は、塩分による脱水作用と毒性で雑草を枯らす方法です。塩害は塩分が土壌に残留しつづけるため影響は長期にわたります。
塩害とは
塩害は沿岸の海水がかかるような場所で起きるのですが、塩害が起きてしまうと何年もその土地は作物や植物を植えても育ちません。土壌改良は難しく、元の状態に戻すまで非常に長い時間がかかります。庭に塩(除草塩)を撒くのは、人為的に塩害を起こすということです。影響は雨などで塩分が流れ、塩を撒いた土地の周囲にまで広がるため、ご近所トラブルの原因になる可能性があります。
農地や農作物への影響
土壌中の塩分が過剰に存在すると土壌溶液の浸透圧が増加して、植物の根の吸収機能の低下や植物体外への水分流出が起こり、水分不足(育成障害)となって植物が枯死。
塩害の被害
塩害が起こると、土壌だけでなく塩害が起きた土地に建つ建物にも悪影響があります。塩害で建物基礎であるコンクリートや中の鉄筋が傷むのです。地下にある水道管や電話線もさびて傷むことがあります。冬場に雪が積もる地方では融雪剤が使われますが、融雪剤を撒いた道路沿いの植物が枯れているのを見たことがありませんか。融雪剤の材料は同じ塩化カルシウムなので、塩害を引き起こすのです。
融雪剤(塩化カルシウム)による塩害
- 塩害は塩化ナトリウム(海水や塩)以外に塩化カルシウムでも引き起こされる。
- 塩化カルシウムは融雪剤の主な原料。
- 塩化カルシウム以外にも塩化マグネシウムなど塩が入っていれば塩害の原因になる。
雑草の育たない庭の作り方
庭のある家に住むと、必ず付きまとう悩みが雑草です。土が少しでもあれば、どこからか種が運ばれ知らないうちに発芽し雑草が生えてきます。雑草の繁殖力は強く、草取りをして引き抜いても根が残っていればまた生えてくるため、庭を持つ人にとっては悩みの種になります。しかし、もともと雑草が生えにくい庭を作れば、雑草駆除対策の負担は驚くほど軽くなります。
雑草が育つポイント
- 植物に必要な要素は、土、日光、水。どれが欠けても植物は育ちません。
除草剤による方法
除草剤という専用の薬剤を使います。近年になり、できるだけ環境負荷の少ない薬剤の研究が進んでおり、沢山の種類があるので希望や用途に沿った薬剤を使って除草できます。土壌表面処理除草剤は土壌中で分解されるタイプの薬剤で、地上部の茎や葉に作用して雑草を枯らします。地下水などにも影響がなく安全で使用しやすい薬剤です。皮膚や口に入らないよう取り扱いには気をつけてください。
防草シート
地面に敷いておくだけで雑草対策ができるシートがあります。遮光することで雑草の成長を防ぎます。水はけがよく遮光率の高いシートがおすすめです。半永久的に使うことができるタイプもあるので、値段と用途によって自分に合った商品を選んでください。黒いタイプの防草シートが多いですが、人工芝生のようなお洒落な見た目のものもあります。
ボタ爺
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