ラウンドアップ(除草剤)の特長・種類と使い方!グリホサートの効果や毒性は?

ラウンドアップ(除草剤)の特長・種類と使い方!グリホサートの効果や毒性は?

グリホサート系除草剤のラウンドアップマックスロードは世界中で使用されている非選択性除草剤です。この記事では、ラウンドアップの散布後に雨が降っても根まで枯らす除草能力の高さや商品にどのような種類があるのかまとめて解説していきます。

記事の目次

  1. 1.ラウンドアップ(除草剤)とは
  2. 2.ラウンドアップの毒性
  3. 3.ラウンドアップの効果
  4. 4.ラウンドアップの特長
  5. 5.ラウンドアップの種類(希釈剤)
  6. 6.ラウンドアップの使い方(希釈剤)
  7. 7.ラウンドアップの種類(AL剤)※そのまま使える
  8. 8.ラウンドアップの使い方(AL剤)
  9. 9.ラウンドアップの使用上の注意点
  10. 10.ラウンドアップの効果的な使い方
  11. 11.ラウンドアップのアタッチメント
  12. 12.ラウンドアップの大型規格【200L】
  13. 13.まとめ

ラウンドアップ(除草剤)とは

幅広い雑草に効く非選択性除草剤

ラウンドアップは1974年にアメリカのバイオ化学メーカーのモンサント社(現バイエルの子会社)が開発した除草剤です。また、その商品の一つであるラウンドアップマックスロードは、一年生から多年生雑草、そして樹木など幅広い雑草種に対して効果のある非選択性除草剤(雑草の種類を選ばずに枯らせる除草剤)です。農業分野の米や野菜などのあらゆる品目で適用がある汎用性が高い除草剤といえます。

ラウンドアップの成分と歴史

出典: https://www.monsantoglobal.com/global/jp/Style%20Library/Images/logo.png

ラウンドアップの主成分である(イネ科や広葉雑草の防除を目的として開発された)グリホサートは、40年間現地試験や動物実験がおこなわれ、除草効果や安全性の検証がされてきました。今では農業生産現場や緑地管理、一般家庭などの幅広いエリアで雑草の防除に不可欠な存在となっています。

ラウンドアップが発売されるまでの農薬

やばい写真
Photo by JIRCAS

高度経済成長の時期は、化学農薬の普及により劇的に農業の生産性が向上しましたが、その時の多くの農薬は人に対する毒性も高く、農薬使用中の事故も多発しておりました。水質や土壌を汚染することもあり、これらの問題が社会問題にまで発生してしまったため、農薬=毒性があるという認識の方もいるのではないでしょうか。

ラウンドアップの毒性

安心?
Photo byFotorech

ラウンドアップはアミノ酸由来の成分

グリホサートが影響するアミノ酸生成回路は植物のみしか保有しないため、人や動物へは効果ないことが報告されています。製品に含まれている成分もグリホサートと水、洗剤と同様の効果の界面活性材のみのため、毒性は極めて低いといえるでしょう。

ラウンドアップは普通物の除草剤

ラウンドアップの有効成分であるグリホサートはアミノ酸とグリシンの融合体で構成されています。また、その他の成分も水と洗剤のような界面活性剤しか混入されていません。日本の法律において除草剤は、その毒性に応じて「劇物」や「毒物」に区分されますが、ラウンドアップはそのいずれにも該当しない「普通物」に指定されています。

一方で危険性を指摘する団体もいる

ラウンドアップの危険性についての報告も見られますが、それと同数以上のラウンドアップ40年間の人へ効果ないことの研究論文の報告もあります。(ですので、一概にどちらが正しいか、とはここでは明言はできかねます。)現状、農林水産省が定める規定としては、「農薬は定められた使い方を遵守していれば安全」とされており、グリホサート(ラウンドアップ)の使用においては、表示にない使い方をしないことが重要です。

ラウンドアップの効果

枯れている植物
Photo by motoshi ohmori

草が枯れる原理

主要成分はグリホサート

ラウンドアップの有効成分の「グリホサート」は、かかった植物に吸収されることで枯殺する非選択制除草剤の成分です。グリホサートは、植物の成長に必要なアミノ酸を生成させなくします。この、アミノ酸が作られなくなることで、植物はしおれだし、細胞組織が壊れていき、最後には根まで腐敗し植物全体が枯れます。

ラウンドアップの除草効果

希釈タイプのラウンドアップの除草効果はゆっくり現れます。これは、植物の生育に必要なアミノ酸を抑制するグリホサートの効果によるもので、徐々に植物の生命活動に必要な成分を作らせなくするためです。2〜7日後には、萎れだしたり黄色くなっったりします。その後は、根が腐っていき30日も経過すれば全体が茶色く枯れた様相になります。

畝間雑草出典: https://www.roundupjp.com/products/maxload/agriculture/kansyounema/img/img-weed_before.jpg

散布前

畝間除草出典: https://www.roundupjp.com/products/maxload/agriculture/kansyounema/img/img-weed_after.jpg

散布後(13日後)

ラウンドアップの残効性

希釈タイプのラウンドアップは土壌中で速やかに不活化してしまい、除草効果が失われてしまいます。グリホサート有効成分は1時間以内に土壌中の粒子に吸着されてしまい、3日~21日後には微生物によって分解されてしまいます。播種後当日に散布しても作物はその後発芽しますので、非常に残効性がない除草剤といえるでしょう。

ラウンドアップの特長

ラウンドアップシリーズの中で、最も除草効果のあるラウンドアップマックスロードの特長をまとめてみました。

特長①多少の雨でも平気な素早い吸収力

フリー写真素材ぱくたそ

ラウンドアップマックスロードは、植物体に散布して1時間という短い時間でこれまでのラウンドアップ除草剤の2倍近い成分量が葉から植物体に吸収されます。これにより、散布後1時間後に降雨があっても、効果に差がでなくなりました。また、背の低い雑草であれば散布後4時間で根の先端近くまで移行するため、高い除草効果が期待できます。

特長②根まで枯らし再生させない持続性の高さ

Photo bygeralt

ラウンドアップマックスロードは雑草の根まで枯らしてしまうため、雑草の再生抑制効果が非常に高いです。これまでのラウンドアップ除草剤であれば、地上部が枯れても地下に根が残っており、再生して芽がすぐでることがありましたが、ラウンドアップマックスロードでは、長い日数経過しても雑草の再生が見られない高い持続性があります。

特長③散布時期を選ばない確かな効き目

Photo byKaterina_Knizakova

除草剤の多くは、気温が低い時期になると効き目が落ちるものが多いのですが、ラウンドアップマックスロードは気温の低い時期も効果が見込めます。また、素早く植物体に移行することと、改良された界面活性剤の効果によって、早朝の朝霧などで植物体が濡れている時間帯や、日照りが少ない時期に使用しても、しっかりと雑草を枯らすことができます。雨が降っている最中以外では時期を選ばず散布が可能です。

ラウンドアップの特長

  • 散布後1時間後なら雨が降っても問題ない、吸収力の速さ。
  • 季節や時間帯などの時期を選ばず散布が可能。
  • あらゆる雑草の根まで枯らし雑草を再生させない。
ボタニ子

ボタニ子

次のページでは使い方や、ラウンドアップの種類や使い方をまとめてみたよ。

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