おすすめの芝生用除草剤選びの前に
ボタニ子
ラベルの見方
芝生用除草剤について解説する前に、ラベルの見方について説明していきます。除草剤を正しく使うためにもラベルを正しく理解することはとても重要です。
ラベル表示例
作物名 | 適用雑草名 | 使用量 | 希釈量 | 総使用回数 |
日本芝 | スギナ・クローバー(4葉期まで) | 100ml~120ml | 20ℓ~40ℓ | 3回 |
作物名
作物名には、芝生用除草剤の使用可能な芝生が記載されています。芝生の種類は大きく分けて、日本芝と西洋芝の二つに分けられます。
日本芝と西洋芝
日本芝は、ノシバ、コウライシバ、ヒメコウライシバなどがあり、暑さに強い特徴をもっています。日本芝は、夏は生育期、冬は休眠期になるため、冬は枯れたように見えます。西洋芝は、ブルーグラス種やフェントグラス種、ライグラス種などがあたり、暑さに弱く寒さに強い芝生です。西洋芝は、日本芝に比べて密度が高く、冬は休眠期に入らず緑色のままです。
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登録されていない芝種に除草剤を撒いてしまうと枯れてしまうこともあるから、撒き方には注意してね
適用雑草名
適用雑草名には除草効果のある雑草の種類とその生育期間について記載されています。特定の時期にしか効果がないものもあれば、雑草発生前から生育段階まで幅広く効果があるものもあります。2葉期や3葉期というのは、雑草の葉の数です。これ以上大きくならない葉の数をいいますので、二つ目の葉の次の葉が出ていても、生育途中であれば2.5葉期と判断できます。
使用量と希釈量
使用量と希釈量には散布液をつくるときの、薬量と薄める水の量が記載されています。ここで、分量を間違えてしまうと思った効果がでないので注意していください。ラベルに表示されている基準量は10a当たりの量になっていることがあります。10aは面積の単位で1,000㎡のことをいいますので、坪換算すると303坪になります。自分が撒きたい面積を把握したうえで、散布液をつくることが撒き方の基本になります。
使用量や希釈量の幅はどうみればいいのか
薬量や希釈水量については、「400ml~600ml」や「5ℓ~10ℓ」のように幅があります。最初は濃度が薄くなるように散布液をつくると薬害がでる可能性が低くなるのでおすすめです。また、気温が高い時は薄めに、低い時は濃くつくると、しっかりと雑草を駆除することができます。
総使用回数
芝生に対して一年間に除草剤を撒ける回数が書いています。この回数以上除草剤を使用すると芝生に薬害が発生し、葉先が枯れてしまうことがあるので注意しましょう。
- 使用回数はその除草剤を使える回数です。
- 総使用回数というのは除草剤に含まれる成分が使える回数になります。
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シバキープALとMCPP液剤は同じMCPPが含まれてます。総使用回数が3回ならこのシバキープALとMCPP液剤は合わせて3回までしか使えないことになります。
おすすめの芝生用除草剤1
ここからは安全で使いやすい除草剤について紹介していきます。まずはMCPP液剤について紹介します。
MCPP液剤の特徴
MCPP液剤はフェノキシン系の成分が含まれている茎葉処理剤になります。西洋芝、日本芝の両方の芝生で使用ができ、生育期の広葉雑草を枯らす力が強いのが特徴です。公園や工場の緑地管理用として幅広く使われている、使いやすい除草剤です。
手ごわいスギナやクローバーに効果的
地下茎を這わせて、生息域を広げるスギナやクローバーなどの雑草は、抜き取っても根を完全に除去することができず、駆除しにくい雑草です。MCPP液剤を使うことで、雑草の根から枯らすことができるため、スギナやクローバーの完全駆除ができます。その一方で、MCPP液剤はイネ科の雑草やタンポポなどのキク科の雑草には効果がないので、注意が必要です。
MCPP液剤の使い方
MCPP液剤の使い方は、希釈液をつくって散布する撒き方になります。キャップで薬液の量を計って、決められた倍率の水で薄めて使います。噴霧器での撒き方は、スギナやクローバーなどの葉や茎に均一にかかることを意識して散布してください。散布時期としては、1年を通して使うことができますが、年3回までの使用にとどめてください。
使用時は気温に注意する
気温が10℃以下だと、効果が弱まるので暖かくなる時間帯に使用しましょう。また、気温が高い季節は、使用量を最低量にして薄く希釈水をつくり、気温30℃以上の時間帯は芝生に薬害がでる恐れがあるので避けましょう。雨にあたっても効果が弱まるので、散布後に降雨がないことを天気予報で確認してください。
MCPP液剤の安全性
MCPP液剤は、茎や葉から薬剤を吸収させてホルモンバランスを乱して雑草を枯らします。皮膚に触れるとかゆみがあるため、直接触れないように散布時はゴム手袋を装着しましょう。小さい子供やペットは、散布して葉に薬剤が付いている間は立ち入らせないよう注意してください。使い残った薬液は子供の手の届かないところに、しっかり管理するようにしましょう。
ボタニ子
次のページは、アージラン液剤とシバキープシリーズについて紹介するよ。
芝生用除草剤の使い方や雑草の種類については、下の記事でまとめているよ