さつまいもは皮ごと食べられる
さつまいもは皮を剥かないで食べても大丈夫です。食物繊維も豊富なため、美容やおなかの健康が気になる人にも人気の根菜でしょう。皮を剥く処理が不要だと、調理工程も少なくなり、料理にも取り入れやすくなりますね。
さつまいもの皮に含まれる栄養
石焼き芋などでは皮を剥くことが多いさつまいもですが、皮にもきちんと栄養があります。食べて大丈夫なのであれば、皮ごと食べて栄養を余すことなく摂りたいところです。
栄養①ヤラピン
ヤラピンは、生のさつまいもを切るとにじみ出てくる白い汁に含まれている栄養分で、期待できる効果は胃粘膜の保護、消化作用の向上などです。ヤラピンが特に多く含まれる場所は皮と実の間のため、さつまいもの皮を剥くとヤラピンが多く失われてしまいます。皮ごとおいしく食べられるレシピを活用して、ヤラピンを豊富に摂りましょう。
栄養②アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種で、赤紫色をした色素です。アントシアニンは主にさつまいもの皮に含まれており、抗酸化作用やメタボ予防などに効果的ですが、皮を剥くと摂取できる量は減ってしまいます。
栄養③酵素
さつまいもの皮には、でんぷん分解酵素が含まれています。でんぷん分解酵素に期待できる効果は消化の促進で、実を皮と一緒に食べると体内で酵素が働き、でんぷんの消化を助けてくれます。ガス(おなら)が気になる人はぜひ皮と一緒に食べましょう。
皮ごとさつまいもをそのまま調理する方法
さつまいもの皮を剥かないでそのまま食べるには、下処理に3つのポイントがあります。「水できれいに洗うこと」「毛や芽を除去すること」「水にさらすこと」です。
下処理①水できれいに洗う
買ってきたさつまいもは皮の隙間などに土が残っている場合があるので、まず水できれいに洗いましょう。時間があるときは、あらかじめ水の中に10分ほどつけておき、そのあと水で洗い流しながら、指やキッチンペーパーでこするようにして土を落とすときれいに洗えます。
注意1:タワシは使わずに
さつまいもを皮ごとそのまま調理する場合は、タワシでごしごし洗わなくても大丈夫です。タワシで強くこすりすぎるとさつまいもの皮がめくれてしまい、料理の見た目が悪くなることもあります。家庭菜園で収穫したような場合は、市販されているさつまいもより土が多くついているので、タワシで軽くこすり流してから指で優しく洗いましょう。
注意2:水洗いしたものは早めに使おう
土がついて乾燥しているさつまいもはそのまま長期保存できますが、一度水で洗って表面が湿ったさつまいもは長期保存できません。早めに使い切るようにし、余ったものは新聞紙にくるんで風通しのよい場所で保管します。
ボタニ子
下処理②芽や毛の除去
さつまいもはジャガイモと違って毒素を含まないため、芽もそのまま食べて大丈夫です。ただし、さつまいもから芽が出ると芋の栄養分が芽に奪われて味が落ちるので、なるべく早く調理しましょう。毛も芽と同じく食べても大丈夫ですが、ごわごわした食感が食味を損なうので手で取り除きます。
下処理方法③洗った後は水にさらす
さつまいもに含まれる栄養素「ヤラピン」はポリフェノールと結合すると黒く変色します。変色を防ぐために、さつまいもを洗って調理する大きさに切り分けた後は水にさらしておきましょう。黒く変色した箇所を食べても問題ありませんが、変色していない箇所に比べて味が落ちます。
ボタニ子
さつまいもからたくさん芽が出てしまったときの処理方法はこちらの記事をご覧ください。
皮ごとそのままのさつまいもの食べ方①~③
さつまいもは蒸し焼きにしたり焼き芋にしたりすると皮と実が離れやすく、食感がごわごわとして気になるかもしれません。作る料理や調理方法を選べば、皮を剥かないレシピでもおいしく食べられるでしょう。
食べ方①皮ごとさつまいもの甘露煮
さつまいもの甘露煮はさつまいもの皮を剥くことなく、ただ輪切りにして煮るだけで食べられる簡単レシピです。少しレモン汁をいれることでさつまいもの皮の色が鮮やかになり、見た目もぐっとよくなります。お弁当のおかずやおやつとして食べるのぴったりな一品でしょう。
材料(2~3人分)
- さつまいも:1本
- 砂糖:大さじ2/3
- みりん:大さじ1
- しょう油:大さじ1
- 水:150cc
- レモン果汁:小さじ1/2
作り方
- 洗ったさつまいもを、皮を剥かず厚さ1cmの輪切りにする
- 10分ほど水にさらす
- 鍋に輪切りにしたさつまいもを並べ、水と砂糖をいれて一煮立ちさせる
- みりんとしょう油を加えて10分ほど弱火で煮る
- さつまいもの中まで火が通ったらレモン汁をかけて軽く煮詰める
- 汁気にとろみがついてきたところで完成
食べ方②大学芋
大学芋はさつまいもを皮ごと食べられる王道の食べ方といえるでしょう。からりと揚げてあまいタレに絡めればアッといういう間にみんなが大好きなおやつが完成します。食物繊維が豊富なので、お子さんのおやつにもおすすめです。
材料(3~4人分)
- さつまいも:中2〜3本
- 砂糖:大さじ5
- しょう油:大さじ2
- みりん:大さじ3
- メープルシロップまたは蜂蜜:大さじ1
- いりごまごま:お好みで
作り方
- さつまいもを食べやすい大きさにきりわける(どんな形でも大丈夫ですが火の通りが均一になるように同じ大きさに切り分けましょう)
- 180℃の揚げ油でさつまいもがカリッとなるまで揚げる
- 砂糖、しょう油、みりんを鍋に入れて火にかける
- 鍋が焦げないように気をつけながら、フツフツと沸騰させる
- 火を止めた4の鍋に揚げたさつまいもをいれてタレと絡める
- 仕上げにメープルシロップまたは蜂蜜を回しかけ、照りを出す
- 皿にもったらいりごまをお好みでトッピングして完成
食べ方③豚バラとさつまいもの甘辛炒め
豚バラとさつまいもの甘辛炒めは、コッテリしがちな豚バラ肉をおいしく食べられるレシピです。さつまいもを剥くことなく調理できるので、ゴミもほとんど出ませんよ。素早く作れるボリュームおかずをお探しの方にぴったりの一品です。
材料(2~3人分)
- 豚バラ肉:200g
- さつまいも:中2本
- 砂糖:大さじ2
- 酒:大さじ2
- しょう油:大さじ2
- みりん:大さじ1~2
- 万能ねぎ:適量
作り方
- さつまいもは水できれいに洗い、皮を剥かずそのまま一口大に切り分ける
- 切り分けたさつまいも水に10分ほどさらし、ラップをして電子レンジに3分(600W)加熱する
- 豚バラ肉を3~4cm幅に切り分け、フライパンで軽く炒める
- 電子レンジで加熱したさつまいもを3のフライパンにあわせ、しょう油、砂糖、みりん、酒をいれてからませるようにして炒める
- 汁気がなくなったら皿にうつし、万能ねぎをかけて完成
さつまいもの保存方法についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。