安納芋とは
さつまいもとは
さつまいも(薩摩芋)はヒルガオ科の植物です。ヒルガオに似た花をつけますが、本州ではあまり見ることができません。根の部分が肥大した場所を私たちはさつまいもと読んでいます。この部分は甘藷(かんしょ)と言います。主に食べているところは甘藷になります。
安納芋は総称
甘くて美味しい焼き芋といえば安納芋を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。主な品種は表皮が赤い「安納紅」と表皮が白っぽい「安納こがね」です。そのほかにも果肉の色が紅っぽいものを「安納もみじ」果肉がオレンジっぽいものを「安納みつき」と呼んでいます。これらのさつまいものことを総称して安納芋と呼んでいます。
安納芋の特徴
ねっとりとした上品な甘さが特徴です
焼き芋では糖度40度にも
果肉の色や表皮の色の違いはありますが、名前が違っていても味には大きな違いがないと言われています。上質な甘さと、ねっとりとした食感が特徴です。生でも糖度が16度ほどあり、焼き方によっては約40度まで糖度を上げることができます。
高級なさつまいも
安納芋はその甘さが特徴で人気がありますが、値段も他のさつまいもに比べ高い傾向があります。さつまいもは食卓のおかずをはじめ、サラダにも、メインにも、スイーツにも作り方次第で様々なものになります。
安納芋の栽培された歴史
日本での栽培は第二次世界大戦後から
日本で安納芋が育てられた歴史は意外と浅く、第二次世界大戦後からと言われています。スマトラ島北部のセルダンという場所から兵隊さんが1つだけさつまいもを日本に持ち帰りました。そのさつまいもを種子島で栽培を始めたのが始まりとされています。
種子島で育てられたさつまいも
種子島は九州の鹿児島県にあります。日本で一つしかない実用衛星打ち上げ基地、種子島宇宙センターがある島です。安納芋という名前の由来はこの種子島の安納地域を中心に栽培されていたところからつけられています。安納芋は平成25年までは種子島のみで栽培が認められていました。現在は全国で栽培されており、寒冷地以外ではどこでも育ちやすく家庭菜園でも栽培しやすい作物となっています。
安納芋の栽培方法
安納芋を育てる環境
水はけが良い土壌が育てやすい
安納芋の栽培方法は家庭菜園でも畑でも普通のさつまいもと大きく変わりません。さつまいもの栽培には水はけの良い土を使用します。九州で多く栽培されているのは、九州地方の土壌が水はけの良い土地であることに由来します。
ツルぼけに注意
栄養の良い土を使用するとツルが伸びやすくなり、芋が育ちにくくなる傾向があります。これをツルぼけといいます。ツルぼけをさせないためにも、さつまいもを育てる際にはあまり栄養のない土を使用します。安納芋が主に収穫されるのは9月から12月頃です。収穫されたものがスーパーで売られる時期は熟成させた後の10月から1月頃になります。
種芋と挿し苗
安納芋の植えどきは初夏
安納芋の植えどきは春から夏にかけての初夏の時期になります。植える時の目安として地表の温度が18度以上になる時がよいとされています。ホームセンターや園芸店、インターネットなどでは5月下旬頃から7月頃にかけて苗が手に入ります。苗は挿し苗を使用するのが一般的です。
種芋から苗ができるまでは約40日
種芋を植えて苗を育てることもできます。種芋も園芸店やインターネットで購入することができます。種芋から苗ができるまでは約40日ほどかかります。種芋を植える前に48度のお湯に40分ほどつけておくと芽が出やすくなります。種芋を植えてから芽が出て葉が7〜8枚ほどになったら下の2枚を残し切り取ります。切り取ったものを3日ほど日陰に置いておくと根が出てきます。これがさつまいもの苗になります。
安納芋の栽培方法(土壌)
栽培に適した土壌
日当たりと水はけがポイント
畑での栽培も日当たりがよく、水はけの良い場所が適しています。畑に植える際も、種芋を直接植えるのではなく、種芋から先に苗を育てて、育てた苗を使用します。さつまいもの成長には、やせた土地が良いとされています。肥料が多すぎるとつるばかり伸びる傾向にあります。肥料を使う際は家畜の堆肥やカリ成分の多いものを使用します。
よく耕した畑に植えます
畑に植える前には25cmくらいの深さまでよく耕しておきます。耕したあとにうねを作ります。うねは幅40cmくらい、深さを10cmにしスジを切っておきます。苗を植える間隔は約35cmになるように調節します。
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出典:写真AC