さつまいもの栽培方法!失敗しない方法やイモを大きくするコツは?

さつまいもの栽培方法!失敗しない方法やイモを大きくするコツは?

さつまいもは、痩せ地でも栽培できるありがたい野菜です。放っておいても収穫できますが、期待していたよりも小さい、甘くないなど、失敗したと感じることはありませんか?甘くて大きなさつまいもを、失敗せずに栽培するコツをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.さつまいもとは
  2. 2.さつまいも栽培の概要
  3. 3.さつまいも栽培<地植え>
  4. 4.さつまいも栽培<ビニール袋・鉢植え>
  5. 5.さつまいも栽培<育てるコツ>
  6. 6.さつまいも栽培<収穫>
  7. 7.さつまいも栽培<失敗と対策>
  8. 8.さつまいもの品種
  9. 9.まとめ

さつまいもとは

痩せ地で育てられる

出典:写真AC

さつまいもは、痩せ地でも栽培できる根菜です。いもだけでなく、つるも食用になり、いくたびも食糧危機を救った歴史があります。原産地は中南米で、大航海時代にコロンブスによってヨーロッパにもちこまれたといわれています。日本には、中国・フィリピン経由でまず沖縄から鹿児島(薩摩)に伝わって、さつまいもと呼ばれるようになりました。そして、江戸時代に全国的に栽培されるようになり、現在に至っています。

さつまいもの基本情報

名前 サツマイモ、薩摩芋、甘藷
学名 Ipomoea batatas
科/属名 ヒルガオ科サツマイモ属
原産地 中南米
収穫時期 10~11月

栄養素

さつまいもには、食物繊維とビタミンCが多く含まれています。デンプン質はエネルギー源になりますね。ビタミンEやミネラルも含有されており、皮にはクロロゲン酸というポリフェノールも含まれていて、抗酸化作用や脂肪の吸収を抑える効果が知られるようになりました。

ヒルガオ科の根菜

出典:写真AC

さつまいもは、ヒルガオ科の野菜です。朝顔と同じヒルガオ科サツマイモ属であり、可憐な花は朝顔に似ています。さつまいもの花は亜熱帯地域では咲きますが、日本では沖縄以外で咲くことはまれですね。なお、花言葉は「乙女の純情」です。

さつまいも栽培の概要

栽培カレンダー

さつまいもの苗は、暖かくなった5月頃に園芸店などで売り出されます。梅雨に入る前に苗を植えつけ、秋に収穫するサイクルです。寒さに弱い理由で、霜が降りる前に収穫を終えなければなりません。

つる苗を植え付ける

さつまいもは、つるを苗にして栽培します。5月頃につる苗を植えつけると、つるの節から根が出て根付きます。葉やつるで光合成を行い、デンプンを塊根(収穫する部分)に蓄えて太らせ、秋に収穫します。

栽培に適した環境

さつまいもは、25℃以上の温暖な気候を好みます。土壌は特に選ばず痩せ地で育ちますが、適しているのは日当たりと排水のよい土地です。連作障害もほとんどなく、翌年も同じ土地に植えられます。また、広い土地がなくても、プランター栽培や大きなビニール袋を鉢代わりにした栽培も可能です。

さつまいも栽培<地植え>

畝づくり

出典:写真AC

日当たりと水はけのよい場所を、よく耕して畝を作ります。石ころを取り除き、土の中に幼虫がいないかチェックし、枯葉なども埋め込まないようにしましょう。元肥として、草木灰を施しておきます。幅50cm、高さ30cmほどの畝を立てて下さい。マルチングをすれば地温があがり、除草の手間が省けます。暖地ならマルチなしでもかまいません。

つる苗植え付け

出典:写真AC

つる苗の選び方

さつまいもの苗は、植え付け時期が近づくとホームセンターや種苗店で、売り出され始めます。品種ごとに数10本が1束になっていることが多いです。つるが太くて節と節の間隔が短く、節の多いものを選びましょう。品種については、記事の後半で簡単にご紹介します。

植えつけ方

深さ7cmくらいの穴を掘ります。植え方は、斜めまたは船底型(真ん中をくぼめる)にして4つくらいの節を土に埋め、上部の節と葉は地上に出します。垂直に植えてもかまいませんが、収穫量が少なめになります。株間を30~40cmあけましょう。マルチングをしている場合は、植え穴位置を切り開いてから植え付けます。

水やり

Photo by sorarium

植え付け後の約2週間は、水やりして下さい。1週間ほどたつと、水やりしていても葉の一部がしおれ気味になることがありますが、先っぽの成長点が元気であれば枯れることはありません。根が出てしっかり根付いたら葉が青々としてきます。その後の水やりは不要です。日照りが何週間も続く場合のみ、水やりして下さい。

さつまいも栽培<ビニール袋・鉢植え>

鉢・ビニール袋の準備

さつまいもは畑がなくてもプランター栽培やビニール袋栽培ができます。30cm以上の広さの深い鉢が適しています。培養土の入っていた大きなビニール袋はちょうどよい大きさです。ビニール袋は自立するように底を広めにして、底近くの側面ぐるりに小さい穴を10か所ほど空けるとプランター代わりになります。

土の準備

用土は、草花野菜用培養土を使うと便利です。ビニール袋栽培をするなら、そのまま用土が入った状態で使えます。肥料入りかどうか確認して、肥料が入っていない場合のみ、肥料を加えましょう。自分でブレンドして準備するなら、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜ合わせます。肥料は、草木灰と緩効性化成肥料を元肥として加えましょう。土の再利用の場合は、豆科植物を植えた土なら相性がいいので使えます。

植え付けと育て方

植え方

鉢やビニール袋のサイズに応じて、1~3苗植え付けます。株間を15~20cmあけることが望ましいです。つるの節を3つ以上埋め、葉を地上に出すようにして植え付けましょう。広い鉢なら斜め植えか船底型、狭い鉢なら斜めか垂直植えが適しています。

水やり

根付くまでの最初の2週間は、ほぼ毎日水やりします。葉が生き生きして新芽がでてきたら活着したしるしです。その後は、土の表面が乾いて2日目頃を目安に水やりして下さい。水のやりすぎは、腐らせてしまうので要注意です。さつまいもは乾燥気味で育つので、よほど水やりを放置しない限り枯れることはありません。

管理

つるが長く伸びてきたら、そのまま垂らすか、支柱を立てて上に絡ませていきます。垂らす場合は、地面に付いて根がでないように地表からはがしてつる返しして下さい。ビニール袋栽培の場合、排水が悪そうならあける穴を追加しましょう。ビニール袋の下の方だけでなく、中ほどにも小さい穴をあけてかまいません。

さつまいも栽培<育てるコツ>

育てるコツ①肥料は少な目

育てるコツは、肥料を少なめにすることです。肥料が少なくていい理由は痩せ地気味の土地の方が適しているからで、土地が肥えていると葉とつるばかり繁る「つるぼけ」になりがちです。よって、元肥は少な目にします。前作の植物用にたっぷり肥料を施していた土地なら、肥料なしでも大丈夫です。追肥は不要ですが、もし葉っぱが全体的に黄色かったら肥料不足なので、6月頃に施しましょう。

育てるコツ②植え方の種類

育てるコツ、次は植え方です。つる苗を地面と平行に植える、斜めに植える、船の底のように植える、垂直に植える方法があります。植え方によって根付き方や収穫量、いもの大きさに若干の違いがあります。

船底型 植えやすい。活着もいい
斜め 活着しやすい。マルチング栽培向き
平行 量産できる。やや活着しにくい
垂直 活着しやすい。小さい苗向き

育てる苗や植え付け環境によって、変えてみてくださいね!

育てるコツ③つる返しをする

育てるコツ、もう1つはつる返しです。つる返しとは、畝の外にはみ出したつるを畝の方に返すことをいいます。つるの節が土に触れると根付いていもができますが、これらは「不定根」と呼ばれ、つるの端っこの方にできる不定根は太く育ちません。

つる返しをする理由

つる返しをする理由は、不定根を増やさないようにして、収穫するいもに栄養を集中させて大きく育てるためです。つるが畝から長くはみ出してきたら、つる返しをしましょう。

つる返しの仕方

つるが畝からはみ出すほど茂ってきたら、つるの端の方を地面から引きはがして、はみ出したつるを畝のつるの上に乗せます。ヒゲ根が長く出ていたら、むしり取るかカットします。

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さつまいも栽培<収穫>

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