さつまいもの概要
基本情報
さつまいもはヒルガオ科サツマイモ属の植物です。1597年に琉球(現在の沖縄県)に入ったのが最初という説が有名です。やがて名前の由来となった薩摩地方に伝わり、全国に広まっていきました。さつまいもは気候の条件が悪くても、土地が荒れていても元気に育ちます。救荒作物として人々の生活を支えてきました。さまざまな料理に使える秋の味覚の代表格です。
さつまいもの栄養価
さつまいもは栄養が豊富!
さつまいもの主成分はでんぷんですが、各種ビタミンやミネラル類も豊富に含まれており、主食の炭水化物として摂取しても問題ありません。近年、消費者の健康志向や自然志向の高まりにともない、さつまいものよさが再認識されてきました。一緒にたんぱく質と脂肪を補給すれば理想的な食事が完成します。栄養価の高さから、準完全食品として注目されています。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンを生成したり、身体の代謝をよくしたりする働きがある成分です。ツヤのある肌や健やかな毎日に欠かせません。さつまいもにはリンゴの10倍以上ものビタミンCが含まれています。通常ビタミンCは加熱調理で壊れてしまうものです。しかし、さつまいもは調理の際にでんぷん質がのり状になって膜を作るため、ビタミンCが壊れにくいというメリットがあります。
食物繊維
食物繊維は人間の体内で消化されない成分です。食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、さつまいもにはどちらもバランスよく含まれています。食物繊維を摂取するメリットはいろいろあります。
- コレステロール値の低下
- 高血圧の予防
- 便秘の改善
- 塩分のとりすぎ防止
- 体内の毒素を吸着
- 肌のターンオーバーが整う
ビタミンB1
ビタミンB1は、脳のエネルギー源であるブドウ糖を活動のエネルギーに変換するときに欠かせない成分です。ビタミンB1が不足すると、疲労感や食欲が低下します。さらにストレスを感じやすくなるなど、精神の安定にも影響が出ます。疲労の回復のためにも必要です。さつまいも100gで、1日に必要な目安量を摂取できます。
カリウム
カリウムは余分なナトリウムを体外に排出してくれる作用がある成分です。塩分の多い食事などが続き、身体にむくみが出たときに摂取すると効果的です。さつまいものカリウムは、調理によって大きく損失されてしまいます。茹でる・蒸すなどの調理法で切らずにまるごと食べることで、多くのカリウムを摂取できます。また、茹でた場合は茹で汁まで活用するのも、栄養を多く取り込める秘訣です。
ポリフェノール
さつまいもに含まれているポリフェノールは、身体の活性酸素を除去してくれる働きがある成分です。活性酸素は老化の原因となる物質で、シワやたるみなどを引き起こします。さつまいものポリフェノールは皮の近くに多く含まれています。皮をむかずにまるごと食べると、より多くの栄養が摂取可能です。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用があり、ポリフェノールと同様に老化防止効果が期待できる成分です。身体の脂肪が酸化するのを防ぐ働きがあり、シミや動脈硬化を予防し、生活習慣病を改善するのに役立ちます。また、血行を促進してくれるので、慢性的な肩こりや頭痛、生理痛など女性に多い悩みの解決にも一役買ってくれる栄養成分です。
ヤラピン
ヤラピンは便を柔らかくしてくれる成分です。生のサツマイモを切ったときに、断面から染み出てくる白いミルク状の液体がヤラピンです。ヤラピンは古くから緩下剤として知られています。さつまいもの食物繊維とヤラピンとの相乗効果で、便秘の改善が期待できるのです。
さつまいものカロリー
100gあたりのカロリー
皮つきの生のさつまいもの100gあたりのカロリーは、約140kcalです。食べられるように調理すると、同じ重量でもカロリーが変わってきます。加熱することでカロリーアップするわけではありません。加熱でさつまいもの水分が蒸発して重量が減るため、100gあたりのカロリーがあがってしまうということです。カロリーは、品種や調理法によって変わります。
品種別のカロリー
種類 | カロリー |
鳴門金時 | 132kcal |
紅あずま | 132kcal |
安納芋 | 140kcal |
シルクスイート | 163kcal |
紅はるか | 179kcal |
さつまいもの糖質
100gあたりの糖質
皮つきの生のさつまいも100gあたりの糖質は31.0gです。白米や食パンなどほかの炭水化物よりも糖質は低いです。しかし、血糖値のあがりやすさを示すGI値は高めです。加熱調理するとGI値はブドウ糖と同じ100まであがるので、一度に大量に食べると太りやすい食品ともいわれています。
糖質制限には向かない?
さつまいもを糖質制限のための食品として食べるのは注意が必要です。さつまいもはほかの炭水化物よりは糖質が低いものの、野菜の中では糖質が高いものとして扱われます。食物繊維が豊富で便秘予防に効果があり、腹持ちがいいことからダイエットに適しているとされるさつまいもですが、糖質制限ダイエットには向いていません。
品種別の糖質一覧
種類 | 糖質 |
鳴門金時 | 29.2g |
紅あずま | ー |
安納芋 | 30.2g |
シルクスイート | ー |
紅はるか | 40.2g |
出典:unsplash