チランジアの人気種【タンクタイプ】5選
チランジアにはエアータイプのほか、タンクタイプと呼ばれる、株元に水を貯めて吸収するチランジアがあります。タンクタイプのチランジアは、エアータイプよりも入手がやや難しいものが多めです。しかし、葉の色や模様が特徴的で観賞価値が高いものが多くあります。
①キアネア
キアネアは日本でも昔から育てられており、園芸店などでも比較的手に入りやすい品種です。育てやすさで人気のキアネアは、しゃもじ型のピンク色の花穂に紫色の小さな花がちょこんと咲くかわいらしさも魅力です。根元に水を貯められるタンクタイプで、シャワーやじょうろでの水やりもできます。そのため、土に植えられるため植木鉢で育てられることが多いです。
②ロエズリー
ロエズリーはペルー原産のタンクタイプのチランジアで、大型の銀葉種です。ロエズリーの白銀のトリコームに覆われた葉には黒っぽいまだら模様が入っており、妖艶で美しいと評価されています。また黒いまだら模様は日光に当てるとよりはっきり現れるため、明るい場所で育てるとよいでしょう。
③キセログラフィカ
キセログラフィカは「チランジアの王様」とも称される大型種のチランジアです。トリコームが美しい銀葉種で、タンクタイプという特徴があります。自然界ではワシントン条約Ⅱ類に指定される絶滅危惧種ではありますが、薬品で増殖させる技術がでた近年では、流通量も多い品種です。幅広の丸まった葉のフォルムが美しく、大きくなるととても存在感があり人気もあります。
④ビフローラ
ビフローラはタンクタイプのチランジアとしては小型タイプです。ビフローラはもともと涼しい環境に生育しているため耐寒性は優れますが、耐暑性が弱く日本のように夏に30℃を超える場所での栽培は難しいとされています。ビフローラは葉の模様が美しく人気がありますが、流通量は少なくなかなか入手困難な品種です。
⑤フォリオーサ
フォリオーサはメキシコ原産の大型チランジアです。葉は柔らかくトリコームがないつるつるとした緑色をしており、開花時には葉先から赤く染まります。フォリオーサの花は目の覚めるようなビビッドな原色で、赤い花序から紫色の花を咲かせます。半タンクタイプですが、水を好むため鉢植えにしたほうがよく育つでしょう。
チランジアの希少種・ヴィヴィパラ種5選
エアプランツの中でも、希少種といわれているのが「ヴィヴィパラ種」です。通常のチランジアの子株が親株の根元から出てくるのに対し、ヴィヴィパラ種は花茎から子株を出します。ヴィヴィパラ種がクランプして縦に長く伸びる様子は、存在感があってユニークです。レアな品種であまり流通していませんが、愛好家たちの間では高い人気を誇ります。
①インターメディア
インターメディアはクルンとカールする葉とつぼ型のボディが特徴です。ヴィヴィパラ種であるインターメディアは花茎を長く伸ばし紫色の花を咲かせたのち、その花茎から子株を出します。カールする葉と花茎がまるでつる植物のようでエレガントな印象です。
②フレクスオーサ
フレクスオーサはベネズエラ原産のヴィヴィパラ種のチランジアです。葉がロゼット状に展開し、花茎を上に伸ばして子株を増やしクランプしていきます。フレクスオーサがクランプしていくつもの株がつながった姿は、とても見ごたえのあるおもしろい形状です。
③ハレーズコメット
「ハレー彗星」が名前の由来であるハレーズコメットは、彗星の尾のようにしなやかに伸びた葉が特徴です。ハレーズコメットは子株を出しやすくクランプしやすい品種で、長く伸ばした花茎から子株を出しますが、根元からも子株を出します。ヴィヴィパラ種は一風変わったチランジアのため、成長も楽しみですね。
④ミマチリテンシス
ミマチリテンシスの葉は非常に硬質です。白く際立った銀葉が美しいチランジアで、乾燥に強く丈夫な大型種ですが、成長はとてもゆっくりしています。大きくなるにつれて緑葉のタンクタイプになっていくため、美しい銀葉を楽しめるのは株が小さなうちだけです。
⑤ソムニアンス
ソムニアンスは、ペルーの標高が高く湿った谷が原産地です。ソムニアンスの葉はトリコームがなくツルツルとしており、開花時でなくても紅葉しているような赤紫色をしています。またタンクタイプにしては乾燥に強く育てやすい品種でもあるため人気です。ソムニアンスはヴィヴィパラ種なので、長く伸ばした花茎から子株を出すおもしろさがあります。
好きなチランジアを見つけよう
チランジアは奥が深い植物です。日本の気候で育てるのが難しいものも一部ありますが、多くの人がチランジアの魅力に引き込まれて栽培しています。チランジアそれぞれの個性や美しさ、普段からでは想像できない花の美しさも魅力ですね。現在ではインターネット通販でも気軽に購入できるため、ぜひ自分だけのチランジアを見つけてみてください。
出典:写真AC