焼きミカンの栄養と効果
焼いても栄養はなくならない?
ミカンにはビタミンCや食物繊維、βクリプトキサンチンという栄養が含まれています。これらの栄養は、ミカンをそのまま食べたときよりも加熱したほうが効果アップが期待できます。また、ミカンの皮は「陳皮(ちんぴ)」と呼ばる漢方薬です。陳皮は風邪予防やリラックス効果が得られるといわれているので、ミカンは皮ごと利用しましょう。
ビタミンC
ビタミンCは柑橘類に多く含まれる栄養素で、骨や関節などの維持にも役立ちます。抗酸化作用があり、疲労回復にも効果的です。ビタミンCは熱に弱いため、加熱したら通常は壊れてしまいます。しかし、ミカンに含まれる食物繊維がビタミンCを守る役割をするため、焼きミカンではビタミンCは壊れません。
効果①風邪やウイルスの予防
ビタミンCには免疫力をアップする働きがあり、風邪やウイルスの侵入を防ぐ効果が期待できます。1日3個ミカンを食べると、成人が1日に必要とされるビタミンCの量を補うことが可能です。
効果②美容・ダイエットによい
ビタミンCは、メラニン色素の沈着を防ぐのに効果的な成分です。また、ビタミンCにはコラーゲンの働きをサポートして、肌を美しくする効果が期待できます。
効果③鉄分の吸収アップ
鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、ビタミンCはとくに非ヘム鉄の吸収力アップに効果的です。鉄分が不足すると疲労や貧血の原因になります。ビタミンCとともに効率よく摂取しましょう。
ペクチン
ペクチンはミカンの白いすじや袋に多く含まれている食物繊維です。胃腸薬の働きもある成分で、リンゴやブルーベリーなどにも含まれています。
効果①整腸作用
ペクチンは乳酸菌の量を増やし、腸内環境を整える働きがあります。便の量を増やすほかに、腸を刺激するため便秘改善に効果的です。
効果②生活習慣病予防
ペクチンはコレステロールや血糖値の上昇をおさえる働きがあります。コレステロールは動脈硬化や高血圧の要因になるため、低値をキープしましょう。血糖値は糖尿病に影響を及ぼします。上手なコントロールが大切です。
βクリプトキサンチン
βクリプトキサンチンはカロテノイドの一種で、体内でビタミンAに変わり、生活習慣病の予防に効果が期待できます。βクリプトキサンチンは、柑橘類のなかでもウンシュウミカンに多く含まれていて、ミカンの色素のもとともなっている成分です。
効果①骨粗しょう症予防
βクリプトキサンチンは骨の形成や維持をサポートする働きがあるため、骨粗しょう症予防に期待できます。丈夫な骨作りにはβクリプトキサンチンの摂取に加えて、適度な運動と日光浴も取り入れましょう。
効果②抗酸化作用
βクリプトキサンチンは抗酸化作用があり、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待できます。抗酸化作用成分はニンジンやほうれん草などにも含まれます。ミカンを加えた野菜ジュースは甘みがあって飲みやすく、ジュースで摂取するのもおすすめです。
効果③美肌効果
βクリプトキサンチンが体内で変化したビタミンAは、しわやしみの発生を抑えるのに効果的です。また、ヒアルロン酸の増量も期待できるため、ミカンは美容の味方ともいえます。
ヘスペリジン
ヘスペリジン成分は、風邪症状や消化不良の緩和にも期待できます。ヘスペリジンはミカンの皮やすじに多く含まれているため、ミカンは皮ごと使い切るのがおすすめですよ。
効果①咳止め
ヘスペリジン成分は、咳止め効果があるといわれています。また、ヘスペリジンには花粉症をはじめとするアレルギー症状を抑える効果も期待できます。
効果②消化不良の改善
ヘスペリジンは、胃の働きを促進させる効果があり、胃もたれや消化不良の改善に期待できます。ヘスペリジンは腸のぜん動運動をサポートする働きがあるため、腸内環境の改善にも効果的です。
焼きミカンとおすすめの食べ合わせ
おすすめ①乳製品
牛乳はミカンの栄養吸収をうながし、腸内の善玉菌を増やす効果が期待できます。ミカンは、ヨーグルトやチーズなどの乳製品とも相性がよく、ケーキやデザートのトッピングにもおすすめですよ。
おすすめ②チョコレート
チョコレートに含まれるポリフェノールは、酸化しやすい特徴があります。ビタミンCは酸化したポリフェノールをサポートする働きがあるため、ミカンとチョコレートは相性がよい食べ合わせです。
おすすめ③イチゴやリンゴ
イチゴやリンゴは消化不良の改善や便秘改善に効果的なため、ミカンと食べ合わせると相乗効果が期待できます。イチゴやリンゴにはビタミンCやカリウムも豊富に含まれ、美容にも効果的な食べ合わせです。
焼きミカンを食べるときの注意点
ミカンは焼くと栄養価がアップして健康によいことが期待できますが、体調によっては食べるのを避けたほうがよい場合があります。また、NGな食べ合わせや相性のよい食べ合わせなどもチェックしておきましょう。
注意点①体調不良のとき
焼きミカンには多少のクエン酸が含まれているため、胃が弱っているときに食べると、かえって胃を痛める可能性があります。また、ミカンやオレンジジュースは胃を刺激して吐き気を誘発するため、体調不良のときの水分補給には適していません。
注意点②NGな食べ合わせ
でんぷん質の多い食材
でんぷん質は焼きミカンの栄養を壊してしまうため、米やイモ類と一緒に食べるのは避けましょう。焼きミカンは、空腹時に単品で食べるのがおすすめです。
甘い果物
バナナやカキなどの甘い果物は、焼きミカンと一緒に食べると消化器官に負担がかかります。また、焼きミカンに含まれる酸味が消化酵素の働きを妨害してしまうため、果物の組み合わせは注意が必要です。
コーヒー
焼きミカンには血流を促進する栄養が含まれていて、コーヒーのカフェインと組み合わせると相乗効果により、血圧の上昇や心臓に負荷をかける可能性があります。食べすぎなければ問題ないため、ほどほどの量を心がけましょう。
焼きミカンで寒い冬を乗り切りましょう
焼きミカンは、皮ごと食べることでミカンの栄養をあますことなく摂取できます。焼きミカンで心も体もほっこり温まりましょう。
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出典:写真AC