いちごのプランター栽培【種まき〜発芽】
種まき
いちごの種はとても小さく、プランターに直接種まきをすると種が流れてしまう恐れがあります。そのため、一旦セルトレイや育苗ポットに種まきをして、育成状況を確認しながら育てましょう。

ボタニ子
いちごの表面にある粒々は「そう果」と呼ばれ、この部分がいちごの「種」にあたります。
温度管理
いちごの発芽適温は15℃~20℃です。種まきをする前に、種を冷蔵庫で冷やしたり、水を含ませた脱脂綿にくるんだりすると、発芽する確率が高くなります。いちごの管理に適した湿度は40%~45%のため、湿度が高くなりすぎないように、風通しのよい場所で管理しましょう。
いちごのプランター栽培【育苗】
用土
いちごをプランターで育てる場合は、市販されている「野菜用培養土」や、いちご専用に配合されている「いちご用培養土」を使用すると便利です。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒7:腐葉土3をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
ベランダ栽培する場合の用土作りは?
ベランダで栽培する場合は、日光がよくあたり土が乾きやすくなるため、保水性を高めるために少量のバーミキュライトを加えるのがおすすめです。反対にベランダ栽培をしていて水が乾きにくい場合は、排水性や通気性の高いパーライトを混ぜ込みましょう。
元肥
いちごをプランターで栽培するときは、元肥としてリン酸を多く含んだ有機質肥料を混ぜ込んでおきます。市販されている「いちご専用培養土」や「野菜用培養土」を使用した場合は、肥料が含まれているため、元肥を混ぜ込む必要はありません。
植え替え
いちごを種から育てる場合は、セルトレイや育苗ポットに種まきをして、草丈が10cmほどに成長してからプランターに植え付けます。プランターの底が見えなくなる程度に鉢底石を敷き詰め、いちご専用培養土などを入れてから植え付けてください。苗の植え付けは、11月下旬までには終わらせましょう。
水やり
いちごの水やりは、季節ごとに水分量を調節しながら行います。春〜夏にかけて花や実がついている時期は、たくさんの水を吸収するため、土の表面が乾ききる前に水を与えてください。成長期に水切れを起こすとおいしいいちごが収穫できなくなったり、株が枯れ込んだりします。冬は休眠期に入り、水をあまり吸わなくなるため、やや乾燥気味に管理しましょう。

ボタニ子
泥跳ねすると葉が汚れて病気にかかりやすくなります。泥跳ねを起こさないように、そっと水やりをしましょう。
追肥
追肥は2月〜3月にかけて行います。ホームセンターや園芸店で販売されている「いちご専用肥料」を使用すると便利です。2週間〜3週間に1回の割合で、株元に適量与えてください。しっかり追肥すると、甘くておいしいいちごが収穫できます。
いちごのプランター栽培【開花〜収穫】
人工受授粉
いちごが実をつけやすくするために、人工授粉をしましょう。まれにミツバチが受粉をして実がつく場合がありますが、人工授粉をしたほうが結実の確率は高まります。いちごの人工授粉は3月〜4月の開花時期にあわせて行います。綿棒や細筆を使用して、優しく丁寧に、花粉がまんべんなく行き渡るように受粉させてください。

ボタニ子
いちごをプランター栽培する場合は自家受粉が難しいため、人工授粉が不可欠です。
剪定
いちごは12月〜1月と6月〜7月に剪定します。12月〜1月の剪定は、ランナーが伸びた部分を剪定し、春に咲く花や実に栄養分が十分に行き渡るようにするのが目的です。6月〜7月は、実を収穫した部分や、来年の苗を作るための親株になる部分を剪定します。剪定に使用するハサミやナイフは、病気を防ぐために消毒しておきましょう。
来年の苗として利用できる
6月下旬〜7月上旬にかけて剪定する場合は、切ったランナーを来年の苗として利用するのがおすすめです。ランナーに根が出てきた部分を親株から切り離して、新しい用土に植え付けてください。春に収穫が終わった部分を来年も使用すると、病気や害虫被害を受けやすくなるため、必ず新しく伸びたランナーを親株として使用しましょう。

ボタニ子
次のページでは、病害虫対策や失敗しないコツをご紹介します。
出典:写真AC